はじめに
AI技術の進化により、業務効率化がますます現実的になっています。特に、ブラウザ操作をAIで自動化する「BrowserUse」は、多くの現場で注目されています。本記事では、BrowserUseの実践的な活用例を紹介し、業務にどう役立てるかを解説します。
BrowserUseとは?
BrowserUseは、Pythonで作られたライブラリで、AIエージェントがウェブブラウザを操作できるようにするものです。以下が主な特徴です。
- ブラウザ操作の自動化: ページ遷移、要素のクリック、フォーム入力など。
- 自己修正機能: 操作エラーが発生した場合に自動補正。
- LangChainとの連携: GPT-4などのLLM(大規模言語モデル)を利用可能。
- 並列処理: 複数のタスクを同時に実行。
実践例1: データ収集とレポート生成
目的
ウェブから製品価格情報を収集し、Excelにレポートを生成します。
サンプルコード
from langchain_openai import ChatOpenAI
from browser_use import Agent
import asyncio
async def main():
agent = Agent(
task="AmazonでiPhoneの価格を調べ、その結果をまとめてください。",
llm=ChatOpenAI(model="gpt-4o"),
)
result = await agent.run()
# 結果をファイルに保存
with open("iphone_prices.txt", "w") as file:
file.write(result)
print("データ収集完了:", result)
asyncio.run(main())
解説
task
に具体的なタスク内容を日本語で記述。- AIエージェントがページ遷移や要素抽出を自動実行。
- 結果をローカルファイルに保存。
実践例2: フォーム入力の自動化
目的
ウェブサイトの問い合わせフォームを自動入力して送信します。
サンプルコード
from langchain_openai import ChatOpenAI
from browser_use import Agent
import asyncio
async def main():
agent = Agent(
task="指定された問い合わせフォームに以下の内容を入力し、送信してください。\n名前: 山田太郎\nメール: [email protected]\nメッセージ: 商品についての問い合わせです。",
llm=ChatOpenAI(model="gpt-4o"),
)
result = await agent.run()
print("フォーム送信結果:", result)
asyncio.run(main())
解説
- 問い合わせ内容を
task
に詳細記述。 - AIエージェントがフォームを検出して入力・送信を実行。
実践例3: スケジュール管理
目的
Googleカレンダーにミーティングを自動登録します。
サンプルコード
from langchain_openai import ChatOpenAI
from browser_use import Agent
import asyncio
async def main():
agent = Agent(
task="Googleカレンダーで、12月29日10時からZoomミーティングを登録してください。",
llm=ChatOpenAI(model="gpt-4o"),
)
result = await agent.run()
print("スケジュール登録結果:", result)
asyncio.run(main())
解説
- AIがGoogleカレンダーにアクセスし、指定された予定を登録。
- ログイン状態や二要素認証に対応するには追加設定が必要。
注意点
- APIキー設定:
.env
ファイルにOpenAIやAnthropicのAPIキーを必ず設定してください。 - 倫理的配慮: ウェブスクレイピングやフォーム送信時には対象サイトの利用規約を確認しましょう。
- トラブル対応: ページ要素が変わった場合、自己修正機能でエラー対応が可能ですが、適切な調整が必要です。
まとめ
BrowserUseを活用すれば、AIエージェントが多様な業務を効率化できます。本記事で紹介した実践例をベースに、さらに高度なタスクを自動化してみてください。今後もAIとBrowserUseの組み合わせによる新たな可能性に注目していきましょう。
次回は「カスタムアクションで実現する高度な自動化」をテーマに深掘りしていきます。
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