WordPress 2025.12.19

WordPressの自動バックアップが動かない!確実に動作する設定と復旧手順

約7分で読めます

WordPressの自動バックアップが突然動かなくなった経験はありませんか?20年の実績を持つWeb制作会社が、確実に動作する設定方法と緊急時の復旧手順を実案件ベースで解説します。

こんな悩みありませんか?

「WordPressの自動バックアップを設定したはずなのに、気づいたら数ヶ月前から動いていない...」 「サイトにトラブルが発生したとき、バックアップがなくて冷や汗をかいた」 「バックアッププラグインをインストールしたものの、本当に動作しているか不安」

横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた当社でも、このような相談を数多く受けてきました。自動バックアップの設定は一見簡単に見えますが、実際には多くの落とし穴があります。

今回は、実際のクライアント事例をもとに、確実に動作する自動バックアップの設定方法と、万が一の際の復旧手順をお伝えします。

よくある自動バックアップの失敗パターン

1. サーバー容量不足で停止するケース

あるクライアントのECサイトで、3ヶ月間バックアップが作成されていない事態が発生しました。調査してみると、商品画像が大量に追加されたことでサーバー容量が逼迫し、バックアップファイルを作成できない状態になっていたのです。

解決後の変化:

  • バックアップの取得漏れがゼロになった
  • 容量アラートにより事前に対処できるようになった
  • 安心してサイト運営に集中できるようになった

2. プラグインの競合で動作が不安定になるケース

製造業のクライアントサイトで、キャッシュプラグインとバックアッププラグインが競合し、バックアップが途中で失敗する問題が発生していました。エラーログを確認すると、メモリ不足のエラーが頻発していることが判明しました。

確実に動作する自動バックアップ設定手順

ステップ1: 適切なプラグインの選択

20年間の経験から、以下のプラグインを推奨しています:

UpdraftPlus(推奨度:★★★★★)

- 無料版でも十分な機能
- 外部ストレージ(Google Drive、Dropbox等)対応
- 復元機能が安定している

BackWPup(推奨度:★★★★☆)

- 詳細なスケジュール設定が可能
- ファイルとデータベースを個別にバックアップ可能
- ログ機能が充実

ステップ2: 基本設定のポイント

バックアップスケジュールの設定

// wp-config.phpに追加推奨の設定
define('WP_CRON_LOCK_TIMEOUT', 60);
define('DISABLE_WP_CRON', false);

設定のコツ:

  • ファイルバックアップ:週1回(日曜日 深夜2時)
  • データベースバックアップ:毎日(深夜3時)
  • 更新頻度が高いサイトは毎日ファイルバックアップも実施

保存先の分散化

1. サーバー内(直近1週間分)
2. 外部クラウドストレージ(1ヶ月分)
3. ローカルPCへの定期ダウンロード(四半期ごと)

ステップ3: 動作監視の仕組み構築

1. 通知設定の最適化

// functions.phpに追加
function custom_backup_notification($backup_status) {
    if ($backup_status === 'failed') {
        wp_mail(
            '[email protected]',
            'バックアップ失敗通知',
            'サイトのバックアップが失敗しました。至急確認してください。'
        );
    }
}

2. 定期的な動作確認チェックリスト

月次確認項目:

  • バックアップファイルが作成されているか
  • ファイルサイズが適切か(極端に小さくないか)
  • 外部ストレージへのアップロードが完了しているか
  • サーバー容量に余裕があるか

緊急時の復旧手順

手順1: 被害状況の確認

# FTPでサイトファイルの確認
# データベースへの接続確認
# エラーログの確認
tail -f /var/log/apache2/error.log

手順2: 最新バックアップからの復旧

UpdraftPlusを使用した復旧例:

  1. WordPressの管理画面にアクセス可能な場合

    • プラグイン > UpdraftPlus
    • 「復元」ボタンをクリック
    • 復元したい項目を選択
  2. 管理画面にアクセスできない場合

    • FTPでバックアップファイルをアップロード
    • データベースを手動で復元
-- データベース復元のSQL例
mysql -u username -p database_name < backup_file.sql

実際のクライアント事例:完全復旧まで30分

建設業のクライアントサイトで、プラグインの更新によりサイトが真っ白になるトラブルが発生しました。事前に設定していた自動バックアップシステムにより、以下の流れで迅速に復旧できました:

復旧の流れ:

  1. トラブル発生の連絡(5分後)
  2. 最新バックアップから復旧作業開始(10分後)
  3. サイト復旧完了(30分後)
  4. 原因調査と再発防止策実施(60分後)

結果として得られたもの:

  • ビジネス停止時間の最小化
  • お客様からの信頼維持
  • 今後のトラブルへの不安解消

よくある失敗と対策

失敗1: バックアップの取得のみで復旧テストをしない

対策: 3ヶ月に1回、テスト環境で復旧テストを実施する

失敗2: wp-contentフォルダのみバックアップ

対策: wp-config.php、.htaccessも含めた完全バックアップを取得

失敗3: データベースとファイルのバックアップタイミングがずれる

対策: 同じ時刻に連続して実行するスケジュール設定

まず今すぐやるべきこと

  1. 現在のバックアップ状況を確認

    • 最後にバックアップが取られた日時
    • バックアップファイルのサイズ
    • 外部保存の有無
  2. 復旧テストの実施

    • テスト環境での復旧確認
    • 所要時間の測定
  3. 監視体制の構築

    • 失敗時の通知設定
    • 定期確認のスケジュール化

WordPressサイトの安定運営において、バックアップは生命線です。「まさか」のトラブルが発生してからでは手遅れになることも少なくありません。

当社では、これまでの経験を活かし、お客様のサイトに最適なバックアップ体制の構築をサポートしています。技術的な設定でお困りの際は、お気軽にご相談ください。確実で安心できるバックアップシステムの構築により、本来のビジネスに集中できる環境を整えることができます。

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