デザイン 2025.12.26

スマホで使いにくいサイトの共通点|モバイルUX改善の実践チェックリスト

約6分で読めます

スマホサイトで離脱率が高い、問い合わせが少ない...そんな悩みを解決するモバイルUX改善のポイントを横浜のWeb制作会社が実案件をもとに解説します。

こんな悩みありませんか?

「スマートフォンからのアクセスは多いのに、なぜか問い合わせが少ない...」 「Google Analyticsを見ると、モバイルユーザーの離脱率が異常に高い」 「お客様から『スマホで見づらい』と言われたことがある」

このような悩みをお持ちのWeb担当者の方は多いのではないでしょうか。実際、私たちFivenine Designにも、既存サイトのモバイル対応改善のご相談が急増しています。

今回は、20年以上のWeb制作経験の中で見えてきた「スマホで使いにくいサイトの共通点」と、実際の改善事例をもとにした実践的なチェックリストをご紹介します。

スマホサイトで最も多い5つの問題

1. ボタンが小さすぎる・近すぎる問題

あるクライアントの美容院サイトでは、予約ボタンのタップ率が異常に低い状態でした。調査してみると、ボタンサイズが32px以下で、指で正確にタップできない状態だったのです。

/* 改善前:タップしにくいボタン */
.button {
    padding: 8px 12px;
    font-size: 12px;
    margin: 5px;
}

/* 改善後:タップしやすいボタン */
.button {
    padding: 16px 24px;
    font-size: 16px;
    margin: 20px 0;
    min-height: 44px; /* Appleのガイドライン準拠 */
    min-width: 44px;
}

この改善により、予約ボタンのクリック率が3.2倍に向上しました。

2. 読み込み速度の問題

製造業のクライアントサイトでは、スマートフォンでの表示速度が8秒もかかっていました。モバイルユーザーは3秒以内に表示されないと53%が離脱するというデータもあります。

主な原因と対策:

  • 画像の最適化不足 → WebP形式への変換、適切な圧縮
  • 不要なJavaScriptの読み込み → 遅延読み込み(Lazy Loading)の実装
  • CSS/JSファイルの肥大化 → ファイルの分割と最適化

改善後は表示速度が2.1秒に短縮され、直帰率が42%から28%に改善しました。

3. 文字が小さすぎる・行間が狭い

特にBtoBサイトでよく見る問題です。PCでは読みやすい文字サイズでも、スマートフォンでは判読困難になってしまいます。

/* 改善前:読みにくいテキスト */
.content {
    font-size: 12px;
    line-height: 1.2;
}

/* 改善後:読みやすいテキスト */
.content {
    font-size: 16px;
    line-height: 1.6;
    letter-spacing: 0.05em;
}

4. フォーム入力の使いにくさ

問い合わせフォームでの離脱が多い場合、入力フィールドに問題があることが大半です。

よくある失敗例:

  • 入力欄が小さすぎて、入力中の文字が見えない
  • キーボードが表示された時にボタンが隠れる
  • 適切な入力タイプが設定されていない
<!-- 改善前 -->
<input type="text" name="phone">

<!-- 改善後:電話番号入力に最適化 -->
<input type="tel" name="phone" pattern="[0-9]{3}-[0-9]{4}-[0-9]{4}" placeholder="090-1234-5678">

実際に改善したECサイトでは、フォーム完了率が23%から41%に向上しました。

5. ナビゲーションの問題

スマートフォンで最も重要なのが、ユーザーが迷わずに目的の情報にたどり着けることです。

問題のあるパターン:

  • ハンバーガーメニューの中に重要な情報が隠れている
  • メニュー項目が多すぎて選択に迷う
  • パンくずリストがない、または見づらい

実践的モバイルUXチェックリスト

デザイン・レイアウト

  • ボタンは44px以上のサイズになっている
  • タップ可能な要素同士が8px以上離れている
  • 本文の文字サイズは16px以上
  • 行間(line-height)は1.5以上に設定
  • 重要なCTAボタンは画面上部に配置

パフォーマンス

  • 表示速度が3秒以内
  • 画像がWebP形式で最適化されている
  • 不要なプラグインやスクリプトを削除済み
  • キャッシュ設定が適切に行われている

フォーム・入力

  • 入力フィールドが十分な大きさ
  • 適切なinputタイプを使用
  • エラーメッセージが分かりやすい
  • 入力項目数が最小限

ナビゲーション

  • メインメニューが分かりやすい
  • 検索機能が見つけやすい場所にある
  • パンくずリストが設置されている
  • 重要なページへのリンクがトップページにある

よくある失敗談と対策

失敗例1:デスクトップ優先の発想

「PCサイトをそのままスマホ対応すれば大丈夫」という考えは危険です。スマートフォンユーザーの行動パターンは全く異なるためです。

対策:モバイルファーストでデザインを考え直し、本当に必要な要素だけを配置する。

失敗例2:一度に全てを改善しようとする

大規模な改修を一度に行うと、どの変更が効果的だったか分からなくなります。

対策:優先度の高い問題から段階的に改善し、効果を測定する。

まず何から始めるべきか

  1. 現状把握:Google Analyticsでモバイルユーザーの行動を分析
  2. スピードテスト:Google PageSpeed Insightsで表示速度をチェック
  3. 実際にテスト:自分のスマートフォンで実際に操作してみる
  4. 優先順位付け:上記のチェックリストで問題箇所を洗い出し、影響の大きいものから改善

モバイルUXの改善は、技術的な知識と豊富な経験が必要な分野です。自社での改善が困難な場合は、専門のWeb制作会社に相談することをお勧めします。

Fivenine Designでは、Laravel、WordPress、Next.jsを活用したモバイル最適化サイトの制作実績が豊富です。**「まずは現状のサイト診断だけでも」**というご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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