WordPressの自動バックアップが容量不足で失敗する問題を、20年の制作実績から解決策を解説。効率的なバックアップ運用で安心できるサイト管理を実現します。
WordPressバックアップでこんな悩みありませんか?
「バックアップが容量不足で失敗しました」という通知メールが届いて焦った経験はないでしょうか。せっかく安全のために設定した自動バックアップが、いざという時に動かないのでは意味がありません。
弊社Fivenine Designでも、20年のWeb制作実績の中で多くのクライアントから同様のご相談を受けてきました。特に運営歴が長いサイトほど、この問題に直面しやすい傾向があります。
実案件で起きた容量不足の実例
あるECサイトでの事例
横浜の雑貨店を運営するクライアントのWordPressサイトでは、商品写真を毎日アップロードしていました。運営開始から3年が経過した頃、以下の状況が発生しました:
- サーバー容量:10GB
- サイトデータ:8.5GB(商品画像が大部分)
- バックアップ失敗頻度:週3〜4回
- 管理者の不安レベル:最高潮
「サイトが消えたらどうしよう」という不安を抱えながらの運営は、本来の事業に集中できない状況を生み出していました。
容量不足が起きる3つの主な原因
1. 画像ファイルの蓄積
最も多い原因が、圧縮されていない大きな画像ファイルの蓄積です。WordPressは自動的に複数サイズのサムネイルを生成するため、1枚の画像から4〜5個のファイルが作られます。
2. バックアップ世代管理の設定不備
多くのバックアッププラグインでは、古いバックアップを自動削除する設定があります。しかし、この設定が適切でないと、バックアップファイル自体がサーバー容量を圧迫します。
3. 不要なファイルの放置
プラグインの削除残骸、使わなくなったテーマファイル、ログファイルなどが蓄積されることも原因の一つです。
効率的なバックアップ運用設定
ファイルとデータベースの分離バックアップ
全てを一度にバックアップするのではなく、用途に応じて分けることで効率化を図ります:
// wp-config.phpでの設定例
define('AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED', true);
define('WP_AUTO_UPDATE_CORE', false);
ファイルバックアップ
- 頻度:週1回
- 対象:テーマ、プラグイン、アップロードファイル
- 保持期間:4世代
データベースバックアップ
- 頻度:毎日
- 対象:投稿、設定、ユーザー情報
- 保持期間:30日分
画像最適化の自動化
画像は最大の容量要因なので、アップロード時の自動最適化を設定します:
// functions.phpでの画像圧縮設定
function custom_image_quality($quality, $mime_type) {
switch ($mime_type) {
case 'image/jpeg':
return 85;
case 'image/webp':
return 90;
default:
return $quality;
}
}
add_filter('wp_editor_set_quality', 'custom_image_quality', 10, 2);
外部ストレージの活用
上記のECサイトの事例では、以下の改善を実施しました:
-
Amazon S3への画像移行
- サーバー容量を8.5GB → 2.1GBに削減
- CDN効果で表示速度も20%向上
-
バックアップの外部保存
- Google Driveに自動アップロード
- サーバー容量への影響をゼロに
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1:バックアップ頻度の設定ミス
「念のため」という理由で毎時間バックアップを設定し、かえって容量を圧迫するケースがあります。
対策:
高頻度更新サイト:1日1回のDB + 週1回のフル
低頻度更新サイト:3日1回のDB + 月2回のフル
失敗パターン2:復旧テストを怠る
バックアップは取れていても、いざ復旧しようとしたら失敗するケースが意外と多いです。
対策:
- 月1回のテスト環境での復旧確認
- 復旧手順書の作成と更新
実装後の変化:クライアントの声
前述のECサイトでは、適切なバックアップ運用設定により以下の変化が生まれました:
- 安心感の向上:「サイトが消える不安」から解放
- 運営効率化:容量気にせず商品写真をアップロード可能
- コスト削減:サーバープラン変更で月額3,000円の節約
- 表示速度向上:画像最適化とCDN効果で読み込み時間20%短縮
「以前は毎回『今度はバックアップ成功するかな』とドキドキしていましたが、今は安心して本業に集中できます」とのお言葉をいただきました。
まず実施すべき3つのアクション
1. 現状把握(今すぐ実施)
# サーバー容量確認のコマンド例
du -sh /path/to/wordpress/
du -sh /path/to/wordpress/wp-content/uploads/
2. バックアッププラグインの設定見直し
- 保持世代数の適正化
- バックアップ対象の選別
- 外部ストレージとの連携設定
3. 画像最適化の導入
既存画像の一括最適化と、今後のアップロード時の自動最適化を設定します。
技術的な不安がある方へ
バックアップ設定は、サイトの生命線に関わる重要な作業です。「設定を間違えて余計に問題が起きたら...」という不安をお持ちの方も多いでしょう。
弊社では、WordPressサイトの安全で効率的なバックアップ運用設定をサポートしています。現状診断から最適な設定まで、20年の実績に基づいたプロフェッショナルなサービスを提供いたします。
まずは現在のサイト状況を確認し、適切な改善計画を立てることから始めましょう。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。