デザイン 2025.11.26

採用サイトのデザインで応募者数を3倍に増やした改善事例

約10分で読めます

「応募が来ない」採用サイトを大幅改善した実案件をもとに、応募者数を3倍に増やした具体的なデザイン改善方法を解説します。

こんな悩みありませんか?

「採用サイトを作ったのに全然応募が来ない」「求人サイトに高い掲載料を払い続けている」「良い人材が採れずに困っている」

そんな悩みを抱える企業様は多いのではないでしょうか。実際に、弊社にご相談いただく企業様の多くが「採用サイトはあるけれど効果が感じられない」とおっしゃいます。

しかし、適切なデザイン改善を行うことで、応募者数を大幅に増やすことは可能です。今回は、実際のクライアント様での改善事例をもとに、採用サイトで成果を上げるための具体的な方法をご紹介します。

改善前の状況:月間応募者数がわずか3名

あるIT系中小企業のクライアント様では、採用サイトを運用していたものの、月間の応募者数はわずか3名程度でした。分析してみると、以下のような問題が見つかりました。

  • 企業理念ばかりで、実際の働き方が見えない
  • 社員の声や職場の雰囲気が伝わらない
  • 募集要項が分かりにくく、応募フローが複雑
  • モバイル対応が不十分
  • ページの読み込みが遅い

これらの課題に対して、デザインとユーザビリティの両面から抜本的な改善を行いました。

改善策1:社員インタビューページの充実化

最も効果的だったのが、社員の生の声を前面に出したことです。従来のお堅い企業紹介から、以下の要素を重視したデザインに変更しました。

実装のポイント

<!-- 社員カードのHTMLサンプル -->
<div class="employee-card">
  <div class="employee-image">
    <img src="employee-photo.jpg" alt="田中太郎">
  </div>
  <div class="employee-info">
    <h3>田中太郎(入社3年目・エンジニア)</h3>
    <p class="join-reason">「なぜこの会社を選んだのか」</p>
    <p class="real-voice">リアルな1日のスケジュールや働きがい</p>
  </div>
</div>
.employee-card {
  background: #fff;
  border-radius: 12px;
  box-shadow: 0 4px 12px rgba(0,0,0,0.1);
  padding: 24px;
  margin-bottom: 32px;
  transition: transform 0.3s ease;
}

.employee-card:hover {
  transform: translateY(-4px);
}

結果: 社員インタビューページの滞在時間が2分から5分30秒に延長され、このページから応募フォームへの遷移率が40%向上しました。

改善策2:応募フローの簡素化

従来は7ステップもあった応募フローを3ステップに簡素化し、途中離脱を大幅に削減しました。

改善前後の比較

改善前:

  1. 会員登録
  2. メール認証
  3. 基本情報入力
  4. 職歴入力
  5. 志望動機入力
  6. 書類アップロード
  7. 確認・送信

改善後:

  1. 基本情報+志望動機(1画面)
  2. 書類アップロード(任意)
  3. 確認・送信

WordPressでの実装例

// functions.phpでのフォーム処理
function handle_job_application() {
    if (isset($_POST['submit_application'])) {
        $name = sanitize_text_field($_POST['applicant_name']);
        $email = sanitize_email($_POST['applicant_email']);
        $motivation = sanitize_textarea_field($_POST['motivation']);
        
        // バリデーション
        if (empty($name) || empty($email) || empty($motivation)) {
            wp_die('必須項目を入力してください。');
        }
        
        // データベースに保存
        global $wpdb;
        $wpdb->insert(
            $wpdb->prefix . 'job_applications',
            array(
                'name' => $name,
                'email' => $email,
                'motivation' => $motivation,
                'application_date' => current_time('mysql')
            )
        );
        
        // 自動返信メール送信
        wp_mail($email, '応募ありがとうございます', $auto_reply_message);
    }
}
add_action('init', 'handle_job_application');

結果: 応募完了率が35%から78%に大幅改善しました。

改善策3:モバイルファーストデザインの実装

アクセス解析の結果、訪問者の70%以上がスマートフォンからでした。そこで、モバイルでの閲覧体験を最優先に設計し直しました。

/* モバイルファーストのレスポンシブデザイン */
.job-listing {
  padding: 16px;
  font-size: 16px;
  line-height: 1.6;
}

@media (min-width: 768px) {
  .job-listing {
    padding: 32px;
    display: grid;
    grid-template-columns: 2fr 1fr;
    gap: 32px;
  }
}

/* タップしやすいボタンサイズ */
.apply-button {
  min-height: 48px;
  width: 100%;
  font-size: 18px;
  background: #007cba;
  color: white;
  border: none;
  border-radius: 8px;
  margin-top: 24px;
}

よくある失敗パターンと注意点

改善過程で発見した、採用サイトでやりがちな失敗をご紹介します。

失敗1:理想論ばかりで現実味がない

「やりがいのある仕事」「成長できる環境」といった抽象的な表現だけでは、求職者の心には響きません。具体的な数字や事例を交えることが重要です。

改善例:

  • ❌「やりがいのある仕事」
  • ✅「入社2年で月収が8万円アップした田中さんの事例」

失敗2:求める人物像が曖昧

「やる気のある方」「コミュニケーション能力の高い方」では、誰でも当てはまりそうで逆に響きません。

改善例:

  • ❌「コミュニケーション能力の高い方」
  • ✅「チーム開発で意見交換を楽しめる方」

失敗3:応募のハードルが高すぎる

完璧な履歴書や職務経歴書を求めすぎると、良い人材も躊躇してしまいます。

成果:3ヶ月で応募者数が3倍に

これらの改善を実施した結果、以下の成果を得ることができました。

  • 月間応募者数:3名 → 11名(約3.7倍)
  • 応募完了率:35% → 78%(2.2倍)
  • 面接実施率:60% → 85%(1.4倍)
  • 採用決定率:20% → 35%(1.8倍)

特に注目すべきは、応募者の質も向上したことです。以前は「とりあえず応募」という方が多かったのですが、改善後は企業理解が深い応募者が増え、面接での会話も充実したものになりました。

技術的な実装のポイント

パフォーマンス最適化

// 画像の遅延読み込み(Intersection Observer API使用)
const imageObserver = new IntersectionObserver((entries, observer) => {
  entries.forEach(entry => {
    if (entry.isIntersecting) {
      const img = entry.target;
      img.src = img.dataset.src;
      img.classList.remove('lazy');
      observer.unobserve(img);
    }
  });
});

document.querySelectorAll('img[data-src]').forEach(img => {
  imageObserver.observe(img);
});

SEO対策

<!-- 構造化データの実装 -->
<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org/",
  "@type": "JobPosting",
  "title": "Webエンジニア",
  "description": "Laravel/WordPress開発エンジニア募集",
  "datePosted": "2024-01-15",
  "hiringOrganization": {
    "@type": "Organization",
    "name": "株式会社○○"
  }
}
</script>

まず何から始めるべきか

採用サイトの改善を検討されている方は、以下の順序で進めることをお勧めします。

  1. 現状分析:Google Analyticsで現在の数値を把握
  2. ユーザー導線の見直し:応募までの流れを簡素化
  3. コンテンツの充実:社員の声や働く環境の情報を追加
  4. モバイル最適化:スマートフォンでの閲覧体験を改善
  5. 効果測定:改善後の数値を継続的に監視

採用サイトは「作って終わり」ではありません。継続的な改善により、必ず成果は出せます。もし自社での改善が難しい場合は、専門家のサポートを受けることも検討してみてください。

横浜のWeb制作会社Fivenine Designでは、20年以上の実績をもとに、成果の出る採用サイト制作をサポートしています。お困りの際は、お気軽にご相談ください。

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