バックエンド 2025.12.08

Plesk + Apache環境での421 Misdirected Requestエラー完全解決ガイド

約6分で読めます

LaravelアプリケーションでPlesk + Apache環境において421 Misdirected Requestエラーが発生する原因と、具体的な解決方法を実際のケースをもとに解説します。

Plesk環境で突然「421 Misdirected Request」が発生したときの正しい原因と解決方法

(Apacheアップデート後に全サイトが落ちるケース)


こんなトラブルに直面していませんか?

  • Pleskで運用している すべてのWebサイト が突然表示されなくなった
  • ブラウザには 421 Misdirected Request
  • ApacheやPleskを触った覚えがないのに、朝になったら障害が発生していた
  • ECサイト・業務サイトが一斉に止まり、問い合わせが殺到している

この現象は、Plesk環境でApacheが自動アップデートされた直後 に世界中で発生しました。

私たちFivenine Designでも、
Laravel/WordPress/ECサイトを含む複数案件で同様の障害対応を行っています。


421 Misdirected Request エラーの症状

Plesk公式でも報告されている通り、以下の特徴があります。

症状

  • Pleskで管理している 全ドメイン がアクセス不可
  • HTTP / HTTPS ともに 421 エラー
  • 特定のサイトだけでなく 一斉障害

ログに出力される代表的なエラーメッセージ

AH02032: Hostname default-203_0_113_2 (default host as no SNI was provided)
and hostname www.example.com provided via HTTP
have no compatible SSL setup

原因(ここが最重要)

原因は HTTP/2 や Laravel ではありません

この問題の原因は、Apacheのセキュリティ修正(CVE対応)による仕様変更 です。

Plesk公式の説明を要約すると以下の通りです。

  • Apacheの最新バージョンでは
    SNI(Server Name Indication)を含まないTLS接続を拒否 するようになった
  • Plesk環境では
    nginx → Apache のHTTPSプロキシ通信が行われている
  • しかし nginx は、デフォルト設定では
    ApacheへSNIを渡さない
  • その結果、Apacheが
    「どのドメイン宛の通信か判別できない」
    421 Misdirected Request を返す

なぜ「何もしていないのに突然起きた」のか?

多くのケースで以下が原因です。

  • OSの自動アップデート(apt-daily-upgrade)
  • Pleskの「自動システム更新」が有効
  • Apacheパッケージだけが夜間に更新された

つまり、Plesk自体を更新していなくても発生します。


解決方法(公式推奨)

方法①:Pleskを最新版へアップデート(恒久対応)

Plesk公式では、以下のバージョンで修正済みと案内されています。

  • Plesk 18.0.70.3
  • Plesk 18.0.71.1 以降

可能な場合は、Pleskのアップデートが最も安全な恒久対応 です。


方法②:今すぐ復旧したい場合の手動回避策(公式ワークアラウンド)

Pleskをすぐに更新できない場合は、
nginx に SNIをApacheへ渡す設定 を追加します。

手順

  1. サーバーへ SSH で root 権限ログイン
  2. 以下を そのまま 実行
echo -e "proxy_ssl_server_name on;
proxy_ssl_name \$host;
proxy_ssl_session_reuse off;" \
> /etc/nginx/conf.d/fixssl.conf && systemctl restart nginx

この設定で何が起きるか

  • nginx が Apache に対して 正しいホスト名(SNI)を付与
  • Apacheが正しくVirtualHostを判別
  • 421エラーが即時解消

※ この回避策は 後からPleskをアップデートしても問題ありません。


よくある質問・注意点

Q. HTTP/2を無効化すれば直る?

直るケースもありますが、根本解決ではありません
HTTP/2無効化は
「SNIが問題になる通信経路を回避しているだけ」で、
将来のアップデートで再発する可能性があります。


Q. Laravelや.htaccessが原因?

今回の421エラーに関しては 関係ありません
アプリケーション層ではなく、Webサーバー間通信の問題 です。


Q. Pleskの自動アップデートは無効にすべき?

  • 本番環境では OS / Apache / Plesk の自動更新は慎重に
  • 更新前に
    • スナップショット
    • バックアップ
    • 検証環境
      を用意するのが安全です

まとめ

  • 今回の 421 Misdirected Request は
    Apacheのセキュリティ修正による仕様変更
  • nginx → Apache 間の SNI欠落 が直接原因
  • 解決策は以下のいずれか
    • Pleskを修正済みバージョンへアップデート
    • nginx に SNI 設定を追加する公式ワークアラウンド

突然の全サイト障害は、
「自分の設定ミスではない」ケースも多くあります。

サーバー構成が複雑、本番作業が不安、他影響の確認が必要な場合は、
Fivenine Designが 原因切り分けから復旧まで実務レベルで対応 できます。

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