年度末の繁忙期に業務システムが突然エラー。そんな事態を防ぐため、Laravelで構築された業務システムの事前点検ポイントを実案件の経験から解説します。
こんな悩みありませんか?
「年度末の繁忙期に業務システムが突然エラーになって、社内がパニックになった」 「1月の売上集計処理で数字が合わず、徹夜で原因調査することになった」 「年度末の大量データ処理で、いつもより時間がかかってタイムアウトエラーが発生した」
神奈川でWeb制作を20年以上続けてきた中で、このような年度末トラブルのご相談を数多くいただいてきました。特に1月は多くの企業で売上集計、年度末は決算処理など、普段より大量のデータを扱う処理が集中します。
今回は、Laravelで構築された業務システムが繁忙期に安定稼働するための事前点検チェックリストをご紹介します。
実際にあった年度末トラブル事例
あるクライアントの販売管理システムで、実際に起こったトラブルをご紹介します。
12月末の売上集計処理で、いつものように夜間バッチを実行したところ、翌朝エラーログが大量に出力されていました。原因は、年末の駆け込み受注で例年の3倍のデータ量になり、メモリ不足とタイムアウトが発生したためでした。
// 問題があったコード
public function generateYearEndReport()
{
$orders = Order::with('items', 'customer')->get(); // 全データを一度に取得
foreach ($orders as $order) {
// 重い処理...
}
}
この経験から、事前点検の重要性を改めて実感し、以下のチェックリストを整備しました。
事前点検チェックリスト
1. データ量の増加に対する処理性能チェック
チェック項目:
- 大量データ処理でのメモリ使用量
- 処理時間の測定
- タイムアウト設定の確認
// 改善後のコード例
public function generateYearEndReport()
{
Order::with('items', 'customer')
->chunk(1000, function ($orders) {
foreach ($orders as $order) {
// 処理をチャンク単位で実行
$this->processOrder($order);
}
// メモリ解放
unset($orders);
});
}
2. データベースのパフォーマンス確認
よくある失敗: インデックスが適切に設定されていないため、年度末の大量検索でクエリが遅くなる
-- 年度末によく使われるクエリの確認
EXPLAIN SELECT * FROM orders
WHERE created_at BETWEEN '2024-01-01' AND '2024-12-31'
AND status = 'completed';
チェック項目:
- よく使用されるクエリのEXPLAIN結果確認
- インデックスの効果測定
- スロークエリログの確認
3. ログファイルの容量とローテーション設定
繁忙期は通常の数倍のアクセスがあり、ログファイルが急激に肥大化することがあります。
// config/logging.php
'daily' => [
'driver' => 'daily',
'path' => storage_path('logs/laravel.log'),
'level' => env('LOG_LEVEL', 'debug'),
'days' => 30, // 保持日数を適切に設定
'replace_placeholders' => true,
],
4. キューとジョブの処理能力チェック
年度末の大量処理は、多くの場合キューを使用します。
// 大量ジョブ投入のテスト
for ($i = 0; $i < 10000; $i++) {
YearEndProcessJob::dispatch($data[$i])
->onQueue('year-end-processing');
}
チェック項目:
- ワーカーの処理能力
- キューの詰まり監視
- 失敗ジョブの再実行設定
5. セッションとキャッシュの容量確認
アクセス増加でセッションストレージやキャッシュが満杯になることがあります。
// キャッシュクリア用のコマンド準備
php artisan cache:clear
php artisan config:clear
php artisan route:clear
php artisan view:clear
6. バックアップとリストア手順の確認
実際の失敗談: バックアップは取っていたが、リストア手順を確認していなかったため、障害時の復旧に予想以上の時間がかかった事例がありました。
チェック項目:
- バックアップファイルの整合性確認
- リストア手順の実演
- 障害時の連絡体制確認
事前点検を実施した結果
先ほどのクライアントでは、この事前点検を12月初旬に実施した結果:
- 処理時間が60%短縮:チャンク処理とインデックス最適化により
- メモリ使用量が40%削減:不要なリレーション読み込みの削除
- エラー発生率がゼロ:3年連続で年度末処理を無事完了
何より、「年度末が怖くなくなった」と担当者の方からお喜びの声をいただけました。
注意すべきタイミング
事前点検は遅くとも繁忙期の1ヶ月前には完了させることをお勧めします。
理由:
- 問題発見時の対策時間確保
- 本番環境での検証時間
- 万が一の場合の代替案検討
まず何から始めるべきか
- 現在のシステム状況把握:直近3ヶ月のアクセスログとエラーログを確認
- 繁忙期の予想負荷計算:昨年同期比でのデータ量増加予測
- 最もリスクの高い処理の特定:売上集計、レポート生成など
年度末の安定稼働は、事前の準備がすべてです。「今年は大丈夫だろう」という楽観視が最も危険な考え方です。
神奈川のFivenine Designでは、20年以上の実績で培ったノウハウを活かし、このような繁忙期対策のご相談も承っています。システムの安定稼働に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。早めの対策で、安心して年度末を迎えましょう。