ビジネス 2025.12.27

Web制作の追加請求でトラブルを避ける!契約時の重要ポイント

約8分で読めます

Web制作で「話が違う」「追加料金が発生した」といったトラブルを避けるための契約時のポイントを、20年の制作実績から解説します。

こんな悩みありませんか?

「見積もりでは50万円だったのに、完成時に追加で30万円請求された...」 「デザイン変更は無料だと思っていたのに、別途料金が発生していた」 「スマホ対応も含まれていると思っていたら、オプション扱いだった」

Web制作の現場では、このような契約に関するトラブルが後を絶ちません。私たちFivenine Designでも、過去20年間で数多くの「契約時の認識違い」によるトラブル相談を受けてきました。

実は、これらのトラブルの90%以上は契約時の確認不足が原因です。今回は、Web制作で追加請求のトラブルを避けるための重要なポイントをお伝えします。

なぜ追加請求トラブルが起こるのか

よくあるトラブルパターン

あるクライアント様から相談を受けた事例をご紹介します。

事例:ECサイト制作での認識違い

  • 見積もり:「ECサイト制作 80万円」
  • 完成時請求:「120万円(決済システム導入費40万円別途)」
  • クライアント側:「ECサイトなら当然決済機能も含まれていると思った」
  • 制作会社側:「決済システムは別途オプションと説明していた」

このような認識違いが生まれる背景には、以下の要因があります:

  • 作業範囲の曖昧さ:「ホームページ制作」という言葉の解釈が双方で異なる
  • 専門用語の理解不足:技術的な内容を正確に理解できていない
  • 契約書の不備:詳細な作業内容が明記されていない

契約時に確認すべき重要ポイント

1. 作業範囲の明確化

具体的に確認すべき項目

■ デザイン関連
・トップページのデザイン:1点
・下層ページのデザイン:◯点
・レスポンシブ対応(スマホ・タブレット):含む/別途
・ロゴ制作:含む/別途

■ 機能面
・お問い合わせフォーム:含む
・ブログ機能:WordPressで構築
・会員登録機能:別途見積もり
・決済機能:別途見積もり

■ 制作・納品
・ページ数:◯ページまで
・修正回数:デザイン3回、コーディング2回まで
・テスト環境での確認:含む
・本番環境への移行作業:含む

2. 追加料金が発生する条件

私たちが実際に使用している契約書の一部をご紹介します:

追加料金が発生するケース

  • ページ数の追加(1ページあたり◯万円)
  • デザイン修正回数の超過(1回あたり◯万円)
  • 仕様変更による追加開発(要別途見積もり)
  • 第三者サービス連携費用(API利用料等)

3. 制作スケジュールと責任範囲

スケジュール遅延の責任分担

あるクライアント様では、原稿提出の遅れにより制作期間が2ヶ月延長されました。この際、以下の点を契約で明確にしていたため、トラブルを回避できました:

  • クライアント責任:原稿・画像素材の提供遅れ
  • 制作会社責任:技術的な問題による遅延
  • 外部要因:サーバー障害等の不可抗力

実際の契約書で注意すべき項目

危険な契約条項の例

❌ 悪い例:
「ホームページ制作一式 50万円」
→ 何が含まれているか不明

✅ 良い例:
「コーポレートサイト制作
 - トップページデザイン・コーディング
 - 下層ページ5ページのデザイン・コーディング
 - WordPress導入・カスタマイズ
 - レスポンシブ対応
 - お問い合わせフォーム設置
 - 基本SEO設定
 合計:50万円」

変更・追加時のルール設定

変更管理の仕組み化

制作途中での変更は避けられませんが、ルールを明確にしておくことでトラブルを防げます:

// 変更管理シートの例(Laravel案件での実装)
class ChangeRequest {
    public function calculateAdditionalCost($changeType, $workHours) {
        $hourlyRate = 8000; // 時間単価
        
        switch($changeType) {
            case 'design_modification':
                return $workHours * $hourlyRate;
            case 'function_addition':
                return $workHours * $hourlyRate * 1.2; // 20%増
            case 'specification_change':
                return $workHours * $hourlyRate * 1.5; // 50%増
        }
    }
}

トラブルを避けるための実践的な対策

1. 事前の要件整理

要件定義書の作成

私たちが実際にクライアント様と作成している要件整理シートの項目:

  • 目的・目標:何のためにWebサイトを作るのか
  • ターゲット:誰に向けたサイトなのか
  • 必要な機能:具体的に何ができる必要があるか
  • デザイン要望:参考サイトや色合いの希望
  • 予算と期限:現実的なスケジュール設定

2. 段階的な確認プロセス

フェーズごとの確認ポイント

フェーズ1:要件確定
→ 機能・デザインの最終確認
→ 見積もり金額の確定

フェーズ2:デザイン制作
→ ワイヤーフレーム承認
→ デザインカンプ承認

フェーズ3:開発・実装
→ 機能実装の進捗確認
→ テスト環境での動作確認

フェーズ4:納品・公開
→ 最終確認・修正
→ 本番環境移行

3. 継続的なコミュニケーション

定期報告の重要性

あるWordPress案件では、週次の進捗報告により、要件変更を早期に発見し、追加費用を最小限に抑えることができました:

  • 進捗状況の共有:完了した作業と残作業の明確化
  • 課題・リスクの早期発見:問題が大きくなる前の対処
  • 変更要望の整理:優先度をつけて段階的に対応

制作会社選びのポイント

信頼できる制作会社の特徴

  • 契約書が詳細:曖昧な表現がない
  • 質問に丁寧に答える:技術的な内容も分かりやすく説明
  • 実績と事例が豊富:類似案件の経験がある
  • アフターサポートが充実:納品後の保守・運用体制

よくある失敗:安さだけで選ぶリスク

「格安」を売りにする制作会社との契約で起こりがちな問題:

  • 基本料金は安いが、オプションで高額になる
  • 契約書の内容が曖昧で、後から追加請求される
  • 技術力不足により、期待した機能が実装できない

まとめ:トラブル回避のための行動指針

契約前にすべきこと

  1. 要件を明文化する:口約束ではなく、書面で残す
  2. 複数社で相見積もり:相場感と提案内容を比較
  3. 過去の実績を確認:類似案件の成功事例を聞く
  4. 契約書を精査:不明な点は遠慮なく質問

制作開始後の注意点

  • 変更要望は早めに相談:コストインパクトを事前確認
  • 定期的な進捗確認:問題の早期発見・対処
  • 最終確認は慎重に:納品後の大幅変更は高額になりがち

次のアクションプラン

Web制作で失敗しないために、まず以下の準備を始めてください:

  1. 要件整理シートの作成:何が必要か具体的に書き出す
  2. 予算と期限の設定:現実的なスケジュールを検討
  3. 制作会社の情報収集:3社以上から提案を受ける

もし現在進行中のプロジェクトで契約内容に不安がある場合、または新規でWeb制作を検討されている場合は、お気軽にご相談ください。私たちFivenine Designでは、20年以上の実績に基づいた適切なアドバイスをご提供いたします。

無料相談も承っております。契約書の確認や要件整理のサポートから始めることも可能です。まずは現状をお聞かせください。

この記事をシェア