「あともう少し修正を...」が続いて予算オーバー。そんな経験はありませんか?20年の実績から学んだ、デザイン修正で追加費用を発生させない発注のコツをご紹介します。
こんな悩み、ありませんか?
「デザインを発注したら、修正が止まらなくなって予算が2倍に...」 「『もう少しだけ』と言っているうちに、追加費用がどんどん膨らんでいく」 「最初の見積もりと全然違う金額を請求された」
Web制作の現場で最もトラブルになりやすいのが、実はデザインの修正費用です。神奈川でWeb制作を20年以上手がけてきた経験から、こうしたトラブルは 発注の仕方を変えるだけで9割は防げる ことが分かっています。
なぜデザイン修正は無限ループになるのか?
よくある失敗パターン
あるクライアントから相談を受けた事例をご紹介します。製造業のA社では、コーポレートサイトのリニューアルを他社に依頼したところ、以下のような状況に陥りました:
- 初回提案:「なんか違う」で全体修正
- 2回目:「もう少しモダンに」で再修正
- 3回目:「やっぱり前の方が良かった」で元に戻す
- 4回目:「競合他社のようなデザインに」で大幅変更
結果、初回見積もり30万円が最終的に80万円になってしまいました。
無限ループの根本原因
修正が止まらない理由は、実は技術的な問題ではありません:
- ゴールが不明確:「良いデザイン」の定義が曖昧
- 判断基準がない:何をもって完成とするかが未定義
- 関係者の意見がバラバラ:決裁者が複数いて統一見解がない
- 段階的承認がない:最終段階でひっくり返される
追加費用を発生させない発注の5つのステップ
Step 1: デザインの目的と成果指標を明確化
デザインは手段であり、目的ではありません。まず 「このデザインで何を達成したいか」 を明文化しましょう。
良い例:
目的:新規顧客からの問い合わせを月20件から50件に増加させる
成果指標:
- 問い合わせフォームのコンバージョン率 2%→5%
- サイト滞在時間 1分30秒→3分以上
- 直帰率 70%→50%以下
悪い例:
目的:かっこいいデザインにしたい
成果指標:なんとなく良い感じ
Step 2: ターゲットユーザーを具体的に定義
「誰に向けたデザインか」を明確にすることで、デザインの方向性がブレなくなります。
ペルソナ設定例:
名前:田中一郎(45歳)
職業:中小企業の総務部長
課題:IT導入を検討しているが、専門知識がなく不安
行動:スマートフォンで情報収集することが多い
求める情報:導入事例、費用、サポート体制
Step 3: 参考デザインと「やってはいけないこと」を整理
言葉だけでは伝わらないイメージを、具体的なサイトやデザインで共有します。同時に 「絶対に避けたいデザイン」 も明確にしておくことが重要です。
参考サイト整理表:
| 項目 | 良い例 | 悪い例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 色使い | Apple公式サイト | 某派手なECサイト | 信頼感を重視したい |
| レイアウト | 某情報過多サイト | シンプルで分かりやすく | |
| フォント | 某金融機関サイト | 某エンタメサイト | 堅実な印象を与えたい |
Step 4: 修正回数と範囲を事前に合意
ここが最も重要なポイントです。制作会社と事前に以下を合意しておきます:
修正規定例:
- 初回提案後の修正:3回まで無料
- 1回の修正で変更可能な箇所:5箇所まで
- 大幅な方向転換(色やレイアウトの全変更):別途見積もり
- 修正期限:各修正指示から1週間以内に回答
Step 5: 段階的承認プロセスの確立
いきなり完成デザインを見せるのではなく、段階を踏んで承認していきます:
- 要件確認書の承認:目的・ターゲット・参考デザインを文書化
- ワイヤーフレームの承認:レイアウトや情報配置を確定
- デザイン案の承認:色・フォント・全体的な雰囲気を決定
- 詳細デザインの承認:細かい装飾や微調整
- 最終確認:全体の最終チェック
実際にこの方法で変わったクライアントの事例
先ほどのA社に、この5ステップを適用してサイトを再制作した結果:
プロセスの変化:
- 要件定義に2週間をかけてしっかり準備
- ワイヤーフレーム段階で主要な構成を確定
- 修正は各段階で2回以内に収束
結果:
- 予算内で完成:見積もり35万円→実際35万円
- 期間短縮:3ヶ月→1.5ヶ月
- 満足度向上:「イメージ通り以上のデザインができた」
- 成果達成:問い合わせが月15件→45件に増加
「最初の準備に時間をかけたおかげで、後がとてもスムーズでした。何より、完成したデザインが期待以上で、実際に問い合わせも大幅に増えています」とA社の担当者からコメントをいただきました。
よくある失敗と対策
失敗例1:「とりあえず作ってから考えよう」
対策: 制作開始前に必ず要件定義書を作成し、関係者全員で合意を取る
失敗例2:「社内で意見がまとまらない」
対策: デザイン責任者を1名決めて、その人の判断を最終決定とする
失敗例3:「競合他社のマネをしたい」
対策: 参考にする部分を具体的に指定し、全体コピーは避ける
まずは何から始めるべきか?
デザイン発注で失敗しないために、今すぐできることから始めましょう:
今週中にやること
- 目的の明文化:なぜデザインを変更するのか、1枚の紙にまとめる
- 参考サイト収集:「こうしたい」「こうしたくない」を各3サイト選ぶ
- 社内合意:デザイン決定権者を明確にする
制作会社との打ち合わせ前にやること
- 要件定義書の作成:目的・ターゲット・成果指標を文書化
- 予算と修正回数の設定:上限を決めておく
- 承認プロセスの確認:誰がいつ承認するかを決める
まとめ
デザインの修正が無限ループになるのは、準備不足が9割の原因です。最初にしっかりと要件を整理し、制作会社と合意を取っておけば、予算内で満足のいくデザインを手に入れることができます。
特に重要なのは:
- 目的と成果指標の明確化
- 修正回数と範囲の事前合意
- 段階的な承認プロセス
この3点を押さえるだけで、デザイン制作の成功率は格段に向上します。
「うちの場合はどう進めればいいの?」「要件定義書の作り方が分からない」といったご相談がございましたら、お気軽にお声がけください。20年以上の実績をもとに、あなたの会社に最適な進め方をご提案いたします。