相見積もりでの競争が激化する中、価格だけでなく技術力と提案力で差別化を図る方法を、横浜のWeb制作会社が20年の経験から解説します。
こんな悩みありませんか?
「せっかく良い提案をしたのに、結局一番安い会社に決まってしまった」「相見積もりで毎回価格勝負になってしまう」「技術力はあるのに、それが伝わらない」
Web制作の相見積もりにおいて、このような悩みを抱えている制作会社は少なくありません。しかし、適切な差別化戦略と価格交渉術があれば、価格競争から脱却し、付加価値で勝負できるようになります。
20年以上Web制作に携わってきた経験から、相見積もりで勝つための実践的な手法をお伝えします。
技術力を「見える化」する差別化戦略
パフォーマンスの数値で差をつける
あるクライアントとの案件で、他社が「レスポンシブデザインに対応します」という提案をしている中、私たちは具体的な数値を示しました。
// Next.jsの画像最適化例
import Image from 'next/image'
const OptimizedHero = () => {
return (
<Image
src="/hero-image.jpg"
alt="メインビジュアル"
width={1200}
height={600}
priority
placeholder="blur"
/>
)
}
「Next.jsの画像最適化により、ページ読み込み速度を40%改善し、GoogleのCore Web Vitalsスコアを90点以上に向上させます」という具体的な提案をした結果、初期費用は他社より20万円高かったにも関わらず受注できました。
クライアントが決め手として挙げたのは「数字で効果が見えること」でした。
保守性を重視したコード品質の提案
WordPressサイトの提案では、単に「WordPressで制作します」ではなく、以下のような具体的な技術仕様を提示します。
<?php
// カスタム投稿タイプの定義例
function create_news_post_type() {
register_post_type('news',
array(
'labels' => array(
'name' => 'ニュース',
'singular_name' => 'ニュース'
),
'public' => true,
'has_archive' => true,
'rewrite' => array('slug' => 'news'),
'supports' => array('title', 'editor', 'thumbnail', 'excerpt')
)
);
}
add_action('init', 'create_news_post_type');
?>
「将来的な機能拡張を見据えたカスタム投稿タイプの設計により、コンテンツ管理が効率化され、更新作業時間を50%削減できます」
こうした提案により、「長期的に見てコストパフォーマンスが良い」という評価を得られます。
価格交渉で陥りがちな失敗パターン
やってはいけない値下げ対応
最もよくある失敗は、「他社が○○万円なので、同じ価格にしてもらえませんか?」という要求に対して、単純に値下げしてしまうことです。
私たちも以前、このような対応をして失敗した経験があります。値下げした結果、品質を下げざるを得なくなり、クライアントの満足度も下がってしまいました。
正しい価格交渉のアプローチ
価格について相談された際は、以下のように対応します:
Step 1: 価格差の理由を明確化 「他社様との価格差は、主に以下の技術的な違いによるものです」
- セキュリティ対策の充実度
- 表示速度の最適化レベル
- 将来の拡張性への配慮
Step 2: 段階的な提案 予算に合わせた複数のプランを提示します:
- プランA(フル機能版):提案価格
- プランB(基本機能版):30%削減
- プランC(最小構成版):50%削減
それぞれで「何ができて、何ができないか」を明確にします。
実案件での成功事例
製造業のコーポレートサイトリニューアル
相見積もり参加企業:4社 私たちの提案価格:280万円(最高値)
しかし、Laravel + Vue.jsによるカスタムCMSの提案で以下の価値を提示しました:
// 多言語対応機能の実装例
class LocalizationMiddleware
{
public function handle($request, Closure $next)
{
$locale = $request->segment(1);
if (in_array($locale, config('app.available_locales'))) {
App::setLocale($locale);
}
return $next($request);
}
}
提案内容:
- 日本語・英語・中国語の3言語対応
- 製品カタログの自動PDF生成機能
- 在庫連携システムとの連動
結果: サイト公開後3ヶ月で海外からの問い合わせが40%増加。「投資対効果が明確だった」という理由で受注できました。
ECサイト構築での差別化
競合他社がShopifyやWordPressでの提案をする中、私たちはNext.js + headless CMSでの提案をしました。
// 高速な商品検索機能の実装例
import { useState, useMemo } from 'react'
const ProductSearch = ({ products }) => {
const [searchTerm, setSearchTerm] = useState('')
const filteredProducts = useMemo(() => {
return products.filter(product =>
product.name.toLowerCase().includes(searchTerm.toLowerCase()) ||
product.category.toLowerCase().includes(searchTerm.toLowerCase())
)
}, [products, searchTerm])
return (
// 検索UI実装
)
}
差別化ポイント:
- ページ遷移なしでの高速商品検索
- モバイルファーストの最適化
- SEO性能の向上
価格は他社より15%高かったものの、「ユーザビリティの向上により売上アップが期待できる」という判断で受注となりました。
提案書で勝負を決める要素
技術選定の根拠を明示
単に「WordPressを使います」ではなく、「なぜWordPressなのか」を説明します:
- 更新のしやすさ:担当者様でも直感的に操作可能
- 拡張性:将来的な機能追加に柔軟に対応
- 保守性:長期的な運用コストを抑制
- SEO対応:検索エンジン最適化が標準装備
運用フェーズでの価値提供
制作後のサポート体制も差別化要素になります:
# 定期メンテナンス内容の例
# セキュリティアップデート
wp core update
wp plugin update --all
wp theme update --all
# パフォーマンス最適化
wp cache flush
wp db optimize
「月1回の定期メンテナンスにより、セキュリティリスクを99%削減し、サイト速度を常に最適化します」
よくある失敗と回避方法
過度な機能盛り込み
「他社に負けないように」と機能を盛り込みすぎて、結果的に価格が高くなりすぎるケースがあります。重要なのは「クライアントが本当に必要としている機能」に絞ることです。
技術的な説明が専門的すぎる
LaravelやNext.jsの技術的メリットを説明する際、専門用語ばかりになってしまうと、IT知識の少ない経営者には伝わりません。技術を「ビジネス価値」に翻訳して伝えることが重要です。
まず何をすべきか
相見積もりで勝率を上げるために、今すぐできることから始めましょう:
-
過去の成功案件を数値化する
- 表示速度改善率
- 問い合わせ増加率
- 運用工数削減率
-
技術選定の根拠を言語化する
- なぜその技術を選ぶのか
- クライアントにとってのメリットは何か
-
段階的な提案プランを準備する
- 予算に応じた複数の選択肢
- それぞれの機能範囲を明確化
相見積もりは価格勝負ではありません。技術力と提案力で差別化し、クライアントにとっての真の価値を提供することで、適正な価格で受注することが可能です。
技術選定や提案内容でお困りの際は、20年の実績を持つ私たちにご相談ください。あなたの案件に最適な差別化戦略をご提案いたします。