WordPressの保守費用が高すぎる?横浜のWeb制作会社が20年の経験から編み出した、中小企業向けのコスト削減方法を実例とともに解説します。
こんな悩みありませんか?
Web制作会社からの保守見積もりを見て、「月5万円?うちにはちょっと高いな...」と感じていませんか?
- WordPressの保守費用が月3〜5万円もかかっている
- 何にそんなにお金がかかっているのか分からない
- 自社でできることはないか検討している
- でもセキュリティは心配だし、サイトが止まったら困る
実は、私たちFivenine Designでも、開業当初は「保守は全て制作会社にお任せ」というクライアントが多数でした。しかし、この20年間で中小企業の予算感や要望を数多く聞く中で、「本当に必要な保守作業」と「自社でもできる作業」を分けて考えることの重要性を痛感しています。
なぜWordPressの保守費用は高くなるのか?
あるクライアントの保守見積もり内訳
製造業を営むA社(従業員30名)の例をご紹介します。他社からの保守見積もりは月額48,000円でした。内訳は以下の通りです:
- WordPressアップデート対応:15,000円
- プラグインアップデート:10,000円
- バックアップ管理:8,000円
- セキュリティ監視:10,000円
- 障害対応:5,000円
A社の社長から相談を受けた際、「月5万円近くは正直厳しい。でもサイトに問題があったら困る」とおっしゃっていました。
実践的なコスト削減アプローチ
1. 自動化できる作業は自動化する
バックアップの自動化
毎月8,000円払っていたバックアップ作業。実は、プラグインで自動化できます。
// functions.phpに追加するバックアップ通知コード
function backup_notification() {
if (wp_get_schedule('backup_hook')) {
wp_mail(
get_option('admin_email'),
'バックアップ完了通知',
'サイトのバックアップが正常に完了しました。'
);
}
}
add_action('backup_hook', 'backup_notification');
A社では「UpdraftPlus」というプラグインを導入し、クラウドストレージへの自動バックアップを設定。これだけで月8,000円が0円になりました。
2. アップデート作業の段階的な内製化
まずはプラグインアップデートから
「アップデートは怖い」という声をよく聞きますが、段階を踏めば安全に行えます。
# 本番環境アップデート前のチェック項目
1. ステージング環境でテスト
2. バックアップ確認
3. プラグイン互換性確認
4. 本番環境アップデート
5. 動作確認
A社では最初の3ヶ月間は私たちがサポートしながら、Web担当者の方にアップデート作業を覚えていただきました。現在では月10,000円だったプラグインアップデート費用が不要になっています。
3. 必要最小限の外部サポート体制
完全に内製化するのではなく、「本当にプロが必要な部分だけ外注」するのがポイントです。
残すべき外部サポート:
- セキュリティインシデント対応
- WordPressコアの重要なアップデート
- サーバー障害時の緊急対応
内製化できる作業:
- 日常的なプラグインアップデート
- コンテンツの更新
- 軽微なデザイン調整
失敗しないための注意点
よくある失敗:いきなり全て内製化しようとする
過去に「コストを抑えたい」と全ての保守作業を一度に内製化しようとした企業がありました。結果、重要なセキュリティアップデートを見落とし、サイトがマルウェアに感染してしまったケースがあります。
成功のコツは段階的なアプローチです:
- 第1段階(1-3ヶ月):バックアップとプラグインアップデート
- 第2段階(4-6ヶ月):軽微なトラブルシューティング
- 第3段階(7ヶ月以降):WordPressコアアップデート
やりがちなミス:セキュリティ対策の軽視
// セキュリティプラグイン設定例(Wordfence)
define('WFWAF_ENABLED', true);
define('WFWAF_AUTO_PREPEND', true);
define('WFWAF_LOG_PATH', '/path/to/wfwaf/');
コスト削減を重視するあまり、セキュリティ対策を疎かにするのは危険です。最低限、信頼できるセキュリティプラグインの導入と定期的な監視は継続しましょう。
実際の成果:A社のケース
6ヶ月後のA社の状況をご報告します:
コスト面の変化:
- 保守費用:月48,000円 → 月18,000円(62.5%削減)
- 緊急時サポート契約:月18,000円
- 年間削減額:360,000円
運用面の変化:
- Web担当者のスキルアップ
- ちょっとした更新作業の内製化
- サイト運用への理解が深まった
社長からは「最初は不安だったが、段階的に進めたおかげで安心して移行できた。浮いた予算でWeb広告を強化できた」との声をいただきました。
今すぐできる第一歩
まずは以下の作業から始めてみてください:
1. 現在の保守内容を整理する
現在支払っている保守費用の内訳を確認し、「自動化可能」「内製化可能」「外注必須」に分類してください。
2. バックアップ体制の見直し
- UpdraftPlusやBackWPupなどの自動バックアッププラグインを検討
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox)との連携設定
3. ステージング環境の構築
安全にアップデートをテストできる環境を用意しましょう。多くのレンタルサーバーで簡単に設定できます。
まとめ
WordPressの保守費用削減は、一気に行うものではなく、段階的に進めるプロジェクトです。重要なのは「何でもかんでも内製化」ではなく、「自社でできることと、プロに任せるべきことの見極め」です。
私たちFivenine Designでは、このような段階的な内製化サポートも行っております。「まずは現状の保守内容を整理したい」「安全に移行できるか相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。20年の経験を活かし、御社に最適な運用体制をご提案いたします。
適切な保守体制を構築することで、コスト削減だけでなく、Web担当者のスキルアップとサイト運用への理解向上も実現できます。まずは小さな一歩から始めてみませんか?