ビジネス 2025.12.26

制作会社との打ち合わせで聞くべき20の質問|失敗しない業者選定術

約10分で読めます

「制作会社選びで失敗したくない」「何を聞けばいいか分からない」というWeb担当者に向けて、20年の経験から厳選した20の質問を紹介。失敗事例も交えて解説します。

こんな悩みありませんか?

「Web制作を依頼したいけど、何を聞けばいいか分からない」「見積もりは安かったのに、追加費用がどんどん発生して予算オーバー」「完成したサイトが思っていたものと全然違う」

このような経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。実際、私たちFivenine Designにも「前の制作会社で失敗したので作り直したい」というご相談が頻繁に寄せられます。

20年以上Web制作に携わってきた経験から言えるのは、失敗の多くは最初の打ち合わせで適切な質問ができていないことが原因だということです。

今回は、制作会社選びで絶対に失敗しないための「聞くべき20の質問」をご紹介します。

なぜ最初の質問が重要なのか

あるクライアントから、こんな相談を受けたことがあります。

「A社に50万円でWordPressサイトを発注したんですが、SEO対策やスマホ対応が別料金と言われ、結局150万円になってしまいました。しかも完成したサイトは自分たちで更新できない仕様で...」

この失敗の原因は明確です。最初の打ち合わせで「何が含まれているか」を詳しく確認しなかったことです。

制作会社も様々で、得意分野や提供サービスの範囲が大きく異なります。だからこそ、適切な質問で相手を見極める必要があるのです。

【基本編】必ず聞くべき5つの質問

1. 制作実績と得意分野は何ですか?

「弊社はLaravel、WordPress、Next.jsを使った開発が得意で、特に中小企業様のビジネス成長を支援するサイト制作に力を入れています」

このように、具体的な技術名と対象業界を答えてくれる会社を選びましょう。曖昧な回答の会社は要注意です。

2. 見積もりに含まれる作業範囲を詳しく教えてください

含まれるもの:

  • デザイン制作(トップページ + 下層5ページ)
  • コーディング(レスポンシブ対応込み)
  • WordPress構築
  • 基本的なSEO設定
  • SSL証明書設定

含まれないもの:

  • ドメイン・サーバー費用(月額)
  • 写真撮影
  • 原稿作成
  • 運用・保守

このように明確に分けて説明してくれる会社は信頼できます。

3. 制作期間とスケジュールはどうなりますか?

「企画・設計に2週間、デザイン制作に3週間、コーディングに2週間の計7週間を予定しています。ただし、お客様の確認・修正期間は別途必要です」

具体的な工程と期間を示し、お客様側の作業も含めて説明してくれる会社を選びましょう。

4. 修正対応の回数と範囲はどこまでですか?

実案件でよくあるトラブルが修正対応です。

「デザイン段階で3回まで、コーディング後の軽微な修正は2回まで無料です。大幅な変更は別途お見積もりとなります」

このような明確なルールがある会社を選ぶことで、後々のトラブルを避けられます。

5. 完成後のサポート体制について教えてください

「月額5,000円の保守契約で、セキュリティアップデート、バックアップ、軽微な修正に対応します。緊急時は24時間以内に対応いたします」

Webサイトは完成がゴールではありません。継続的なサポート体制があるかは非常に重要です。

【技術編】開発力を見極める5つの質問

6. どのCMS・フレームワークを推奨しますか?理由も教えてください

技術的な判断力を見る重要な質問です。

「お客様の要件なら、更新の手軽さからWordPressをお勧めします。将来的に高機能なシステムが必要になった場合は、Laravelで拡張可能な設計にしておきます」

理由まで説明してくれる会社は技術力に自信がある証拠です。

7. SEO対策はどこまで対応していますか?

「基本的な内部SEO対策として以下を実装します:

<!-- メタタグの最適化 -->
<meta name="description" content="ページ固有の説明文">
<meta property="og:title" content="SNS用タイトル">

<!-- 構造化データの実装 -->
<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "会社名"
}
</script>

さらに、GoogleアナリティクスとSearch Consoleの設定も行います」

具体的な実装内容を説明できる会社は信頼できます。

8. モバイル対応(レスポンシブデザイン)は標準ですか?

現在、Webサイトの60%以上がモバイルからのアクセスです。

「レスポンシブデザインは標準で、スマートフォン、タブレット、PCそれぞれで最適化します。Googleのモバイルフレンドリーテストもクリアします」

当たり前のように答えてくれる会社を選びましょう。

9. セキュリティ対策はどのような内容ですか?

「WordPressの場合、以下のセキュリティ対策を実装します:

  • SSL証明書の設定
  • 管理画面URLの変更
  • ログイン試行回数制限
  • 定期的なバックアップ
  • セキュリティプラグインの導入

Laravelの場合は、CSRF保護やSQLインジェクション対策も標準で組み込まれています」

具体的な対策を説明できる会社は安心です。

10. 表示速度の最適化はどのように行いますか?

ページの読み込み速度はユーザー体験に直結します。

「画像の自動圧縮、CSS・JavaScriptの最小化、CDNの活用により、PageSpeed Insightsで90点以上を目指します。Next.jsを使用する場合は、静的生成により更なる高速化が可能です」

数値目標を示してくれる会社は結果にコミットしている証拠です。

【運用編】長期的なパートナーシップを見極める5つの質問

11. 自分たちで更新できる範囲はどこまでですか?

あるクライアントから「前の制作会社では、文章を1行変更するのに5,000円かかっていました」という話を聞いたことがあります。

「WordPressの管理画面から、ページ内容、ニュース更新、画像差し替えなどは簡単にできます。操作マニュアルもお渡しし、使い方のレクチャーも行います」

運用コストを下げる提案をしてくれる会社を選びましょう。

12. 更新作業を依頼する場合の料金体系は?

「軽微な修正(テキスト変更、画像差し替え):3,000円〜 ページ追加:15,000円〜 機能追加:別途お見積もり

月額保守契約なら、軽微な修正は月2回まで無料です」

明確な料金体系があると、後々安心して依頼できます。

13. アクセス解析レポートは提供してもらえますか?

「Googleアナリティクスの設定を行い、月次レポートとして訪問者数、人気ページ、問い合わせ経路などをまとめてお渡しします。改善提案も含めています」

データに基づいた改善提案ができる会社は、真のパートナーになってくれます。

14. サーバー・ドメインの管理はどうなりますか?

「サーバーはお客様名義で契約していただき、弊社が技術的な管理を代行します。これにより、将来的に他社に変更される際もスムーズです」

お客様の資産を守る提案をしてくれる会社は誠実です。

15. 緊急時の対応体制はありますか?

「サイトが表示されない、改ざんされたなどの緊急事態は、24時間以内に初期対応を行います。保守契約のお客様は優先対応いたします」

Webサイトは24時間稼働するものです。緊急対応体制は必須です。

【契約編】トラブルを避ける5つの質問

16. 契約書にはどのような内容が含まれますか?

「作業範囲、納期、料金、修正回数、著作権の取り扱い、保守内容などを明記します。契約前に必ず内容をご確認いただいています」

曖昧な口約束ではなく、書面での明確な契約を重視する会社を選びましょう。

17. 追加料金が発生するのはどのような場合ですか?

よくある追加料金の例:

  • 大幅な仕様変更
  • ページ数の追加
  • 特殊機能の要求
  • 予定外の修正回数超過

「これらは事前にお見積もりを提示し、ご了承いただいてから作業します」

事前合意を徹底する会社なら安心です。

18. 途中でキャンセルする場合の取り扱いは?

「作業の進捗に応じてお支払いいただきます。完了した作業分の成果物はお渡しします」

万が一の場合も考慮した、公正な契約条件があるか確認しましょう。

19. 著作権や知的財産権はどうなりますか?

「サイトの著作権は納品と同時にお客様に移転します。ただし、弊社の開発したシステム部分は弊社に帰属します」

権利関係が明確になっている会社を選びましょう。

20. 参考になる制作実績を見せてもらえますか?

「業界が近い実績をご紹介します。お客様のご了承をいただいているもののみですが、制作の背景や成果もお話しできます」

実績を隠す会社ではなく、自信を持って見せてくれる会社を選びましょう。

よくある失敗パターンと対策

失敗例1:安さだけで選んだ結果

「50万円の見積もりに飛びついたら、SSL設定、レスポンシブ対応、SEO対策がすべて別料金でした」

対策: 見積もり内容を詳細に確認し、必要な機能がすべて含まれているかチェックする。

失敗例2:技術力を確認せずに依頼

「完成したサイトが重くて、スマホで見にくく、検索でも見つからない状態でした」

対策: 技術的な質問をして、具体的で説得力のある回答ができるか確認する。

失敗例3:運用を考えずに制作

「サイトが完成したものの、ちょっとした修正にも費用がかかり、結局放置状態になりました」

対策: 完成後の運用体制や更新方法を事前に確認する。

まとめ:次のアクションステップ

制作会社選びで失敗しないためには、最初の打ち合わせで適切な質問をすることが最も重要です。

今回ご紹介した20の質問を使って、複数の制作会社を比較検討してください。回答の内容と誠実さで、本当に信頼できるパートナーが見えてくるはずです。

今すぐできること

  1. 気になる制作会社をリストアップ
  2. 20の質問をもとに問い合わせ内容を整理
  3. 複数社に同じ質問をして回答を比較
  4. 実績と提案内容を総合的に判断

もし「質問したいけど、技術的なことは分からない」「どの回答が良いのか判断できない」という場合は、お気軽にご相談ください。

Fivenine Designでは、20年以上の経験をもとに、お客様のビジネスを成功に導くWeb制作を行っています。Laravel、WordPress、Next.jsを使い分け、**「完成したら終わり」ではなく、「成果が出るまで」**をサポートいたします。

適切な質問で適切なパートナーを選び、ビジネスを加速させるWebサイトを手に入れましょう。

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