SEO 2025.11.15

Webサイト分析の始め方:アナリティクスで見るべき指標と改善方法

約6分で読めます

GoogleアナリティクスのデータはあるけれどPVしか見ていない?20年の実績をもつ横浜のWeb制作会社が、本当に見るべき指標と具体的な改善方法を実案件ベースで解説します。

こんな悩みありませんか?

「Googleアナリティクスは設置したけれど、PVしか見ていない」「数字はいろいろあるけれど、何を改善すればいいかわからない」「月次レポートを作っているけれど、売上につながっている実感がない」

そんな中小企業のWeb担当者の方、多いのではないでしょうか。実際、弊社にご相談いただくクライアント様の8割以上が、アナリティクスのデータを活用しきれずにいらっしゃいます。

横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた弊社Fivenine Designが、実際のプロジェクトで成果を出している「本当に見るべき指標」と「具体的な改善方法」をお伝えします。

多くの企業が陥る「数字の罠」

よくある失敗パターン

ある製造業のクライアント様から相談いただいた事例です。「PVは順調に増えているのに、問い合わせが全然増えない」というお悩みでした。

詳しく分析してみると、確かにPVは前年比150%でした。しかし、問題はその中身にありました:

  • 直帰率が85%(業界平均60-70%)
  • 平均セッション時間が30秒以下
  • コンバージョンページへの到達率が2%以下

PVだけを見ていると「順調」に見えますが、実際は「質の低いアクセス」が増えていただけだったのです。

本当に見るべき5つの指標

1. コンバージョン率(CVR)

最重要指標です。いくらアクセスがあっても、最終的なアクション(問い合わせ、購入、資料請求など)に繋がらなければ意味がありません。

// GA4でのコンバージョン追跡設定例
gtag('event', 'contact_form_submit', {
  'event_category': 'engagement',
  'event_label': 'contact_form',
  'value': 1
});

改善方法:

  • CTAボタンの色・文言・配置を見直す
  • フォームの入力項目を削減する
  • 導線を明確にする

2. 直帰率とエンゲージメント率

GA4では「エンゲージメント率」が新たな重要指標になりました。これは「10秒以上滞在」または「2ページ以上閲覧」したセッションの割合です。

目安:

  • エンゲージメント率:40%以上が理想
  • 直帰率:60%以下が目標

3. ページ別のコンバージョン貢献度

意外と見落とされがちですが、「どのページが最も成果に貢献しているか」を把握することで、改善の優先順位が明確になります。

4. 流入チャネル別のCVR

  • オーガニック検索
  • ダイレクト
  • ソーシャルメディア
  • 広告

それぞれでCVRは大きく異なります。弊社の経験では、オーガニック検索からの流入が最もCVRが高い傾向があります。

5. ユーザーの行動フロー

「ユーザーがどの順番でページを見ているか」を分析することで、サイト改善のヒントが得られます。

実案件での成功事例

建設会社様の事例

課題: 月間5,000PVあるのに月の問い合わせが2-3件

分析結果:

  • トップページの直帰率が78%
  • 施工事例ページへの遷移率が15%以下
  • 問い合わせフォームの離脱率が60%

改善施策:

  1. トップページに「最新施工事例」セクションを追加
  2. 各ページにCTAボタンを3箇所設置
  3. フォーム項目を12項目から6項目に削減
  4. 電話番号を目立つ位置に配置

結果:

  • 3ヶ月後にCVRが0.8%から2.3%に改善
  • 月間問い合わせ数が平均12件に増加
  • 受注単価の高い案件の割合も向上

EC サイト様の事例

課題: カート追加はあるが購入完了率が低い

分析で判明したこと:

  • 決済ページでの離脱率が45%
  • スマホからのアクセスが70%だがスマホCVRが極端に低い
  • 送料が最終段階まで表示されない

改善後:

  • スマホ最適化により全体CVRが1.8%から3.2%に向上
  • 年間売上が前年比180%に増加

よくある分析の落とし穴

1. 短期間での判断

「1週間データを見たけど効果がない」という相談をよく受けます。しかし、Webサイトの改善効果を測るには最低1ヶ月、できれば3ヶ月のデータが必要です。

2. 平均値の罠

平均セッション時間が「2分」だった場合、実際は「30秒以下のユーザーが60%、5分以上のユーザーが20%」ということがよくあります。平均だけでなく、分布も確認しましょう。

3. 技術的な設定ミス

意外と多いのが設定の問題です:

<!-- よくある間違い:重複計測 -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=GA_MEASUREMENT_ID"></script>
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=GA_MEASUREMENT_ID"></script>

今日から始められる改善アクション

Step 1: 現状把握(今日やる)

  1. 直近3ヶ月のCVRを確認
  2. 流入チャネル別のCVRを比較
  3. 直帰率の高いページTOP5を特定

Step 2: 優先順位の設定(今週やる)

  1. アクセス数×CVR×改善難易度で優先順位をつける
  2. 最も効果が期待できるページから着手

Step 3: 改善実施(今月やる)

最も効果的な改善から順番に:

  1. CTAの改善(効果:高、難易度:低)
  2. フォーム最適化(効果:高、難易度:中)
  3. コンテンツ充実(効果:中、難易度:高)

まとめ:数字を成果に変える仕組み作り

Webサイト分析は「数字を見る」ことが目的ではありません。**「数字から改善ポイントを見つけ、実際に成果を上げる」**ことが重要です。

弊社では、これまでLaravelやWordPress、Next.jsを使った様々なWebサイトで、データ分析に基づいた改善を行ってきました。技術的な実装と分析の両方を一貫して対応できるため、「分析→改善→効果測定」のサイクルを効率的に回すことができます。

「アナリティクスのデータはあるけれど、どう活用していいかわからない」「改善したいけれど技術的な知識がない」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。現在のデータを分析し、具体的な改善提案をいたします。

まずは今日、あなたのサイトのCVRを確認することから始めてみてください。数字が教えてくれる「改善のヒント」が、きっと見つかるはずです。

この記事をシェア