GoogleアナリティクスのデータはあるけれどPVしか見ていない?20年の実績をもつ横浜のWeb制作会社が、本当に見るべき指標と具体的な改善方法を実案件ベースで解説します。
こんな悩みありませんか?
「Googleアナリティクスは設置したけれど、PVしか見ていない」「数字はいろいろあるけれど、何を改善すればいいかわからない」「月次レポートを作っているけれど、売上につながっている実感がない」
そんな中小企業のWeb担当者の方、多いのではないでしょうか。実際、弊社にご相談いただくクライアント様の8割以上が、アナリティクスのデータを活用しきれずにいらっしゃいます。
横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた弊社Fivenine Designが、実際のプロジェクトで成果を出している「本当に見るべき指標」と「具体的な改善方法」をお伝えします。
多くの企業が陥る「数字の罠」
よくある失敗パターン
ある製造業のクライアント様から相談いただいた事例です。「PVは順調に増えているのに、問い合わせが全然増えない」というお悩みでした。
詳しく分析してみると、確かにPVは前年比150%でした。しかし、問題はその中身にありました:
- 直帰率が85%(業界平均60-70%)
- 平均セッション時間が30秒以下
- コンバージョンページへの到達率が2%以下
PVだけを見ていると「順調」に見えますが、実際は「質の低いアクセス」が増えていただけだったのです。
本当に見るべき5つの指標
1. コンバージョン率(CVR)
最重要指標です。いくらアクセスがあっても、最終的なアクション(問い合わせ、購入、資料請求など)に繋がらなければ意味がありません。
// GA4でのコンバージョン追跡設定例
gtag('event', 'contact_form_submit', {
'event_category': 'engagement',
'event_label': 'contact_form',
'value': 1
});
改善方法:
- CTAボタンの色・文言・配置を見直す
- フォームの入力項目を削減する
- 導線を明確にする
2. 直帰率とエンゲージメント率
GA4では「エンゲージメント率」が新たな重要指標になりました。これは「10秒以上滞在」または「2ページ以上閲覧」したセッションの割合です。
目安:
- エンゲージメント率:40%以上が理想
- 直帰率:60%以下が目標
3. ページ別のコンバージョン貢献度
意外と見落とされがちですが、「どのページが最も成果に貢献しているか」を把握することで、改善の優先順位が明確になります。
4. 流入チャネル別のCVR
- オーガニック検索
- ダイレクト
- ソーシャルメディア
- 広告
それぞれでCVRは大きく異なります。弊社の経験では、オーガニック検索からの流入が最もCVRが高い傾向があります。
5. ユーザーの行動フロー
「ユーザーがどの順番でページを見ているか」を分析することで、サイト改善のヒントが得られます。
実案件での成功事例
建設会社様の事例
課題: 月間5,000PVあるのに月の問い合わせが2-3件
分析結果:
- トップページの直帰率が78%
- 施工事例ページへの遷移率が15%以下
- 問い合わせフォームの離脱率が60%
改善施策:
- トップページに「最新施工事例」セクションを追加
- 各ページにCTAボタンを3箇所設置
- フォーム項目を12項目から6項目に削減
- 電話番号を目立つ位置に配置
結果:
- 3ヶ月後にCVRが0.8%から2.3%に改善
- 月間問い合わせ数が平均12件に増加
- 受注単価の高い案件の割合も向上
EC サイト様の事例
課題: カート追加はあるが購入完了率が低い
分析で判明したこと:
- 決済ページでの離脱率が45%
- スマホからのアクセスが70%だがスマホCVRが極端に低い
- 送料が最終段階まで表示されない
改善後:
- スマホ最適化により全体CVRが1.8%から3.2%に向上
- 年間売上が前年比180%に増加
よくある分析の落とし穴
1. 短期間での判断
「1週間データを見たけど効果がない」という相談をよく受けます。しかし、Webサイトの改善効果を測るには最低1ヶ月、できれば3ヶ月のデータが必要です。
2. 平均値の罠
平均セッション時間が「2分」だった場合、実際は「30秒以下のユーザーが60%、5分以上のユーザーが20%」ということがよくあります。平均だけでなく、分布も確認しましょう。
3. 技術的な設定ミス
意外と多いのが設定の問題です:
<!-- よくある間違い:重複計測 -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=GA_MEASUREMENT_ID"></script>
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=GA_MEASUREMENT_ID"></script>
今日から始められる改善アクション
Step 1: 現状把握(今日やる)
- 直近3ヶ月のCVRを確認
- 流入チャネル別のCVRを比較
- 直帰率の高いページTOP5を特定
Step 2: 優先順位の設定(今週やる)
- アクセス数×CVR×改善難易度で優先順位をつける
- 最も効果が期待できるページから着手
Step 3: 改善実施(今月やる)
最も効果的な改善から順番に:
- CTAの改善(効果:高、難易度:低)
- フォーム最適化(効果:高、難易度:中)
- コンテンツ充実(効果:中、難易度:高)
まとめ:数字を成果に変える仕組み作り
Webサイト分析は「数字を見る」ことが目的ではありません。**「数字から改善ポイントを見つけ、実際に成果を上げる」**ことが重要です。
弊社では、これまでLaravelやWordPress、Next.jsを使った様々なWebサイトで、データ分析に基づいた改善を行ってきました。技術的な実装と分析の両方を一貫して対応できるため、「分析→改善→効果測定」のサイクルを効率的に回すことができます。
「アナリティクスのデータはあるけれど、どう活用していいかわからない」「改善したいけれど技術的な知識がない」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。現在のデータを分析し、具体的な改善提案をいたします。
まずは今日、あなたのサイトのCVRを確認することから始めてみてください。数字が教えてくれる「改善のヒント」が、きっと見つかるはずです。