ビジネス 2025.11.16

Web制作プロジェクト成功の鍵|発注側がやるべき準備と進行管理

約5分で読めます

Web制作プロジェクトの成功は、発注側の準備と進行管理で決まります。20年の経験から見えた「成功する会社」と「失敗する会社」の違いを実例付きで解説します。

こんな悩みありませんか?

「Web制作を依頼したいけど、何から準備すればいいかわからない」 「前回のリニューアルは予算オーバーして、思った仕上がりにならなかった」 「制作会社とのやり取りがうまくいかず、プロジェクトが炎上した」

Web制作プロジェクトでこのような経験をされた方は多いのではないでしょうか。実は、プロジェクトの成否は発注側の準備と進行管理で8割決まります。

20年以上Web制作に携わってきた私たちが、「成功する会社」と「失敗する会社」の決定的な違いをお伝えします。

成功プロジェクトに共通する3つの準備

1. 目的と成果指標を明確にする

あるクライアント様(製造業・従業員50名)の事例をご紹介します。

失敗パターン(1回目のリニューアル)

  • 目的:「なんとなく古いから新しくしたい」
  • 結果:見た目は良くなったが、問い合わせは変わらず
  • 社内の評価:「お金をかけた割に効果がない」

成功パターン(2回目のリニューアル)

  • 目的:「月間問い合わせ数を現在の5件から15件に増やす」
  • 具体的な施策:製品カタログのダウンロード機能、事例ページの充実
  • 結果:リニューアル後3ヶ月で月間問い合わせ18件を達成

同じ会社でも、目的を明確にするだけで結果が劇的に変わりました

2. 社内体制と責任者を決める

成功するプロジェクトには必ず「決定権を持つ責任者」がいます。

推奨体制例:
- プロジェクト責任者:1名(経営者または部長クラス)
- 実務担当者:1-2名(Web担当者、営業担当者など)
- 最終承認者:1名(社長または役員)

よくある失敗例は、「みんなで決めよう」として窓口が曖昧になることです。結果として:

  • 決定に時間がかかりスケジュールが遅延
  • 後から「聞いていない」という声が出てトラブル化
  • 制作会社との情報共有がうまくいかない

3. 予算と優先順位を整理する

Web制作では「あれもこれも」となりがちですが、予算内で最大の効果を出すには優先順位が重要です。

実際の整理例

必須機能(予算の60%):
- レスポンシブ対応
- SSL対応
- 基本的なSEO対策

重要機能(予算の30%):
- お問い合わせフォーム
- 製品・サービス紹介ページ

希望機能(予算の10%):
- 多言語対応
- 会員システム

進行管理で差がつく4つのポイント

1. 定期的なコミュニケーション

成功パターン:週1回の定例会議

  • 進捗確認
  • 課題の早期発見
  • 次週のタスク確認

失敗パターン:「何かあったら連絡します」

  • 問題が大きくなってから発覚
  • スケジュール調整が困難に

2. 素材準備のスケジュール管理

Web制作プロジェクトが遅延する最大の原因は「素材の準備遅れ」です。

素材準備チェックリスト:
□ 会社ロゴ(AI、PNG形式)
□ 製品・サービス写真(高解像度)
□ 代表者・スタッフ写真
□ 会社案内資料
□ 既存サイトで使いたい文章

成功事例では、プロジェクト開始前に素材リストを作成し、担当者ごとに期限を設定していました。

3. フィードバックのルールを決める

効率的なフィードバックのために、以下のルールを決めておきます:

  • 期限:デザイン確認は3営業日以内
  • 方法:修正指示は具体的に文書で
  • 責任者:最終判断は1名が行う

良いフィードバック例

トップページのメインビジュアルについて
- 写真を現在の工場外観から製品写真に変更
- キャッチコピーを「信頼の技術力」から「20年の実績」に変更
- ボタンの色をもう少し目立つ色に

悪いフィードバック例: 「なんとなく違う気がします」「もっとかっこよく」

4. テスト・検収の計画

公開前のテスト期間を必ず設けましょう。

テスト項目例:
- 各ページの表示確認(PC、スマートフォン)
- お問い合わせフォームの動作確認
- リンク切れのチェック
- 文字化けや誤字脱字の確認

よくある失敗と対処法

失敗例1:途中で要望が大きく変わる

原因:初期の要件定義が不十分 対処法:企画段階で時間をかけて要件を固める

失敗例2:社内の意見がまとまらない

原因:決定プロセスが不明確 対処法:プロジェクト開始前に意思決定ルールを明確化

失敗例3:予算オーバーになる

原因:追加要望への対応 対処法:変更管理ルールの設定(追加は次フェーズで対応など)

まず何をすべきか

Web制作プロジェクトを成功させるために、まずは以下を実行してください:

  1. プロジェクトの目的を1行で書く 例:「月間問い合わせ数を10件から30件に増やす」

  2. 社内のプロジェクト体制を決める 責任者、実務担当者、承認者を明確に

  3. 予算と期間の上限を設定する 「○○万円以内」「○月までに公開」

  4. 制作会社との初回打ち合わせ前に上記を整理する

まとめ

Web制作プロジェクトの成功は、技術力だけでなくプロジェクト管理で決まります。特に発注側の準備と進行管理が、予算内・期間内での成功を左右します。

私たちFivenine Designでは、20年以上の経験を活かし、お客様のプロジェクト管理もサポートしています。「何から始めればいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。

成功するWeb制作プロジェクトを、一緒に実現しましょう。

この記事をシェア