せっかくWordPressを納品しても、クライアントが「更新できない」と困ってしまうケースの原因と対策を、20年の制作実績から解説します。
こんな悩み、制作会社なら一度は経験したことがあるのでは?
- 納品後すぐに「記事の投稿方法がわからない」と連絡が来る
- 画像がアップロードできないとクレームになる
- 管理画面にログインできないと慌てて連絡がくる
- 操作マニュアルを渡したのに、結局サポート対応で時間を取られる
私たちFivenine Designでも、創業20年の間にこうしたトラブルを数多く経験してきました。特にITが苦手なクライアント様の場合、些細な操作でつまずいてしまい、せっかく構築したWordPressが活用されないまま放置されてしまうケースも少なくありません。
実際にあったトラブル事例とその背景
ケース1:画像アップロードで毎回エラーになる
ある製造業のクライアント様で、商品画像をアップロードしようとすると必ずエラーになるという相談を受けました。調査したところ、デジカメで撮影した6MBの画像をそのままアップロードしようとしていたのです。
原因:
- サーバーのアップロードサイズ制限(2MB)を超えていた
- クライアントに画像リサイズの知識がなかった
- エラーメッセージが英語で表示されるため、何が問題かわからなかった
解決策と結果:
// functions.phpにアップロードサイズの調整を追加
function increase_upload_size() {
ini_set('upload_max_filesize', '10M');
ini_set('post_max_size', '10M');
ini_set('memory_limit', '128M');
}
add_action('init', 'increase_upload_size');
同時に、画像の自動リサイズ機能を実装し、簡単な画像編集ツールの使い方マニュアルも作成しました。その結果、クライアント様は安心して商品画像を更新できるようになり、月20件程度の商品追加を自分たちで行えるようになりました。
ケース2:固定ページと投稿の違いがわからない
歯科医院のサイトで、「お知らせを追加したいのに、どこから入力すればいいかわからない」という相談がありました。WordPressの「投稿」と「固定ページ」の概念が理解されていなかったのです。
課題:
- WordPress独特の概念が直感的でない
- 管理画面のメニューが多すぎて混乱する
- どの機能を使うべきか判断できない
対策と成果: 管理画面をカスタマイズして、使わない機能を非表示にし、わかりやすいメニュー名に変更しました:
// 管理画面メニューのカスタマイズ
function customize_admin_menu() {
// 不要なメニューを削除
remove_menu_page('edit-comments.php'); // コメント
remove_menu_page('tools.php'); // ツール
// メニュー名を日本語でわかりやすく変更
global $menu;
$menu[5][0] = 'お知らせ管理'; // 投稿
$menu[20][0] = 'ページ管理'; // 固定ページ
}
add_action('admin_menu', 'customize_admin_menu');
この対応により、院長先生でも迷わずお知らせを投稿できるようになり、月4〜5件のお知らせを継続的に更新されています。
よくあるトラブルパターンと予防策
1. ログイン情報の管理問題
よくある失敗:
- パスワードを忘れて管理画面に入れない
- ユーザー名とメールアドレスを混同する
- ブラウザの自動保存機能が働かない
事前対策:
// カスタムログインページの作成
function custom_login_page() {
// ロゴとカスタムスタイルの適用
echo '<style>
.login h1 a {
background-image: url("/wp-content/themes/custom/images/login-logo.png");
background-size: contain;
width: 200px;
}
.login-form {
font-size: 14px;
}
</style>';
}
add_action('login_head', 'custom_login_page');
2. 権限設定の問題
実際の運用では、複数人で更新作業を行うケースが多く、適切な権限設定が重要です。
推奨設定:
- 管理者:サイト責任者(1名のみ)
- 編集者:コンテンツ更新担当者
- 投稿者:記事作成のみ行うスタッフ
3. バックアップとトラブル時の復旧
「間違って記事を削除してしまった」「サイトが表示されなくなった」といった緊急事態への備えも必要です。
// 自動バックアップ機能の実装例
function auto_backup_setup() {
if (!wp_next_scheduled('daily_backup_hook')) {
wp_schedule_event(time(), 'daily', 'daily_backup_hook');
}
}
add_action('wp', 'auto_backup_setup');
成功する引き渡しのポイント
段階的な操作研修の実施
あるコンサルティング会社では、一度に全機能を説明するのではなく、3回に分けて研修を実施しました:
- 第1回:ログインと基本的な記事投稿
- 第2回:画像の扱いとカテゴリ設定
- 第3回:固定ページの編集と応用操作
結果として、スタッフ全員が自信を持って更新作業を行えるようになり、月15〜20記事のブログ更新を継続されています。
クライアント専用マニュアルの作成
汎用的なWordPressマニュアルではなく、そのサイト専用の操作手順書を作成することで、迷いを大幅に減らせます。
効果的なマニュアルの特徴:
- 実際の管理画面のスクリーンショットを使用
- クライアントの業務フローに沿った手順
- よくある質問とその解決方法を記載
- 緊急時の連絡先を明記
まとめ:長期的なパートナーシップのために
WordPress納品後のトラブルは、技術的な問題というより、コミュニケーションと準備不足に起因することがほとんどです。私たちの経験では、事前の対策と丁寧な引き渡しを行うことで、トラブルの9割は防ぐことができます。
今すぐできるアクション:
- 過去のサポート履歴を振り返り、よくある質問をリストアップする
- 管理画面のカスタマイズで、クライアントに不要な機能を非表示にする
- クライアント専用の操作マニュアルを作成する
- 段階的な研修スケジュールを提案する
もしWordPressサイトの運用でお困りの場合や、クライアントが使いやすいサイト構築をお考えでしたら、お気軽にご相談ください。20年の制作実績から、最適なソリューションをご提案いたします。