20年のWeb制作実績から導き出した、WordPressテーマ選びの具体的な基準と失敗しないためのポイントを実案件ベースで解説します。
こんな悩みありませんか?
「WordPressのテーマが多すぎて、どれを選べばいいか分からない」 「前回選んだテーマで、更新作業が思うようにできず困っている」 「見た目は良かったのに、実際に運用してみると使いづらい」
このような悩みを抱えているWeb担当者の方は多いのではないでしょうか。Fivenine Designでは20年以上、数百のWordPressサイトを手がけてきましたが、テーマ選びで失敗するケースを数多く見てきました。
今回は、実際の案件から得た知見をもとに、業務効率を劇的に向上させるWordPressテーマの選定基準をご紹介します。
失敗例から学ぶ:よくあるテーマ選びの落とし穴
見た目重視で選んだ結果、運用で困った事例
あるクライアント(製造業)では、デモサイトの美しいデザインに惹かれて海外製の無料テーマを選択しました。しかし実際に運用を開始すると、以下の問題が発生:
- 日本語フォントが適用されず、文字が読みにくい
- 管理画面が英語のみで、スタッフが操作に困る
- カスタマイズに高度なコーディング知識が必要
結果として、月20時間かかっていた更新作業が40時間に倍増してしまい、テーマの変更を余儀なくされました。
多機能テーマで重くなってしまった事例
別のクライアント(サービス業)では、「何でもできる」多機能テーマを選択。しかし、不要な機能が多すぎて:
- ページ読み込み速度が3秒から8秒に悪化
- 検索順位が大幅に下落
- 管理画面の設定項目が多すぎて混乱
問い合わせ数が30%減少という深刻な事態に陥りました。
業務効率を上げるテーマ選定の5つの基準
1. 運用者のスキルレベルに合わせる
初心者の場合:
- 日本語の詳細なマニュアルがある
- 管理画面が直感的で分かりやすい
- カスタマイザーで視覚的に設定できる
中級者以上の場合:
- functions.phpでのカスタマイズが可能
- 子テーマでの拡張性がある
- 開発者向けのフックが充実している
// カスタマイズしやすいテーマの例(functions.php)
function custom_enqueue_styles() {
wp_enqueue_style('custom-style', get_stylesheet_directory_uri() . '/custom.css');
}
add_action('wp_enqueue_scripts', 'custom_enqueue_styles');
2. 必要な機能だけを持つテーマを選ぶ
機能チェックリストを作成しましょう:
必須機能
- レスポンシブデザイン
- SEO基本設定
- お問い合わせフォーム
- ブログ機能
あると便利な機能
- スライダー
- ギャラリー
- SNS連携
- 多言語対応
不要な機能
- EC機能(別途プラグインで対応)
- 複雑なアニメーション
- 使わないレイアウトパターン
ある不動産会社では、この基準で選んだシンプルなテーマにより、サイト表示速度が2秒改善し、問い合わせが50%増加しました。
3. 更新・サポート体制を確認する
長期運用を考慮した選定が重要です:
チェックポイント
- 最終更新日が3ヶ月以内
- WordPress最新版への対応状況
- サポートフォーラムの活発度
- 開発者の信頼性
// テーマの更新状況確認コード
function check_theme_version() {
$theme = wp_get_theme();
echo 'テーマバージョン: ' . $theme->get('Version');
echo '最終更新: ' . $theme->get('LastUpdated');
}
4. パフォーマンスを重視する
確認方法
- Google PageSpeed Insightsでデモサイトを測定
- GTmetrixでの詳細分析
- 実際のコンテンツを入れてテスト
良いテーマの目安
- モバイル表示速度: 3秒以内
- デスクトップ表示速度: 2秒以内
- Core Web Vitalsの基準をクリア
あるコンサルティング会社では、パフォーマンス重視でテーマを選び直した結果、検索順位が平均10位上昇しました。
5. カスタマイズ性とメンテナンス性のバランス
理想的なテーマの特徴
- 子テーマでのカスタマイズに対応
- CSSの構造が理解しやすい
- 不要なコードが少ない
- コメントが適切に記載されている
/* 子テーマでのカスタマイズ例 */
@import url("../parent-theme/style.css");
/* カスタマイズ部分 */
.header {
background-color: #your-brand-color;
}
実際のテーマ選定プロセス
ステップ1: 要件定義(1-2時間)
- サイトの目的と目標を明確化
- 必要な機能をリストアップ
- 運用者のスキルレベルを確認
ステップ2: 候補テーマの絞り込み(2-3時間)
- 上記5つの基準で評価
- 3-5個程度に候補を絞る
- デモサイトで実際の使用感を確認
ステップ3: テスト環境での検証(4-6時間)
- 実際のコンテンツを入れて確認
- 各種ブラウザでの表示チェック
- パフォーマンステスト実施
ステップ4: 最終決定(1時間)
- チーム内での最終確認
- 導入スケジュールの策定
よくある質問と回答
Q: 有料テーマと無料テーマ、どちらがいいですか? A: 運用体制によります。専任のWeb担当者がいる場合は無料テーマでも問題ありませんが、サポートが必要な場合は有料テーマをお勧めします。
Q: 既存サイトのテーマ変更はリスクが高いですか? A: 適切な手順を踏めばリスクは最小化できます。必ずバックアップを取り、テスト環境で十分に検証してから本番適用しましょう。
まとめ:次のアクションプラン
WordPressテーマ選びで失敗しないためには、以下のステップから始めてください:
- 現在のサイトの課題を洗い出す(今すぐ実行)
- 運用者のスキルレベルを客観視する
- 必要な機能を明確にする
- 候補テーマを3つ選んでテスト環境で比較
もしテーマ選びに不安がある場合や、既存サイトの改善を検討されている場合は、お気軽にご相談ください。横浜のFivenine Designでは、20年以上の実績をもとに、お客様の業務効率を最大化するテーマ選定をサポートしています。
適切なテーマ選びにより、更新作業時間の短縮、サイトパフォーマンスの向上、問い合わせ数の増加を実現し、本来の業務により集中できる環境を整えましょう。