ビジネス 2025.11.25

ホームページ制作の契約トラブル回避術|発注前の重要事項

約6分で読めます

Web制作で「こんなはずじゃなかった」を防ぐために。20年の実績から学んだ契約前に確認すべき重要ポイントと、よくあるトラブル事例を解説します。

こんな悩みありませんか?

「ホームページを制作会社に頼んだら、思っていたものと全然違うものができた」 「追加料金が次々と発生して、最終的に予算の倍になった」 「完成後に修正をお願いしたら、別料金と言われた」

Web制作の契約トラブルは、実は発注前の確認不足が原因のほとんどです。横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた私たちが、実際に見てきた失敗事例と、それを回避する方法をお伝えします。

よくある契約トラブル事例

「デザインが想像と全然違う」問題

あるクライアント様から「モダンでスタイリッシュなデザイン」というオーダーをいただいたことがありました。しかし、お客様が想像していたのは「シンプルで清潔感のあるデザイン」で、私たちが提案した「トレンドを取り入れた動きのあるデザイン」とは大きく異なっていました。

解決策:具体的な参考サイトを3~5つ共有

曖昧な表現ではなく、「このサイトのこの部分が好み」と具体的に示すことで、認識のズレを防げます。

「思った機能がない」問題

中小企業のお客様から「お問い合わせフォームを作ってほしい」とご依頼いただいた際、お客様は自動返信メールやCSVダウンロード機能も含まれていると思っていましたが、基本契約にはシンプルなフォーム送信機能のみが含まれていました。

解決策:機能要件を詳細に文書化

【お問い合わせフォーム機能詳細】
- 基本項目:お名前、メールアドレス、お問い合わせ内容
- 自動返信メール:○(含む)/ ×(別途料金)
- CSV出力機能:○(含む)/ ×(別途料金)
- スパム対策:reCAPTCHA導入

発注前に必ず確認すべき8つの重要事項

1. 制作範囲の明確化

含まれるもの・含まれないものを具体的に

  • ページ数(トップページ、会社概要、サービス紹介など)
  • 機能(お問い合わせフォーム、ブログ、会員機能など)
  • デザイン修正回数
  • テスト環境の提供有無
  • SSL証明書の設定
  • Googleアナリティクス設定

2. 開発技術の確認

制作会社によって得意な技術は異なります。私たちFivenine DesignはLaravel、WordPress、Next.jsが得意ですが、例えばECサイトなら:

// Laravel + Stripe決済の場合
public function processPayment(Request $request)
{
    \Stripe\Stripe::setApiKey(config('stripe.secret'));
    
    $charge = \Stripe\Charge::create([
        'amount' => $request->amount * 100,
        'currency' => 'jpy',
        'source' => $request->stripeToken,
    ]);
    
    return response()->json(['success' => true]);
}

このような技術要件が必要な場合、事前に対応可能か確認することが重要です。

3. 修正・変更に関するルール

よくある失敗:「軽微な修正なので無料だと思った」

制作途中や完成後の修正について、以下を明確にしましょう:

  • 無料修正の範囲と回数
  • 有料修正の料金体系
  • 修正依頼の方法(メール、チャットツールなど)
  • 修正対応の期限

4. 納期とマイルストーン

【制作スケジュール例】
第1週:要件定義・ワイヤーフレーム作成
第2~3週:デザイン制作・修正
第4~6週:コーディング・機能実装
第7週:テスト・修正
第8週:公開・引き渡し

各フェーズでの確認タイミングと、遅延時の対応も決めておきます。

5. 保守・運用サポート

完成後のサポートで大きく変わる運用効率

あるクライアント様では、WordPress制作後に以下のサポートを提供しました:

  • 月1回のセキュリティアップデート
  • ブログ投稿方法の動画マニュアル提供
  • 緊急時の24時間以内対応

結果、お客様自身でコンテンツ更新ができるようになり、月間PVが3倍に増加しました。

6. 著作権・所有権の扱い

制作したサイトの著作権や、使用する画像・フォントの権利について確認:

  • サイト全体の著作権の帰属
  • 使用画像の権利(有料ストックフォト代は別途か)
  • フォントのライセンス
  • ソースコードの所有権

7. 支払い条件

健全な制作会社の支払いパターン

  • 着手金:30-50%
  • 中間金:デザイン確定時に30%
  • 残金:完成・公開時に20-40%

一括前払いや完成後一括払いは、双方にリスクがあるため避けることをお勧めします。

8. 解約・契約終了時の取り決め

万が一の場合に備えて:

  • 制作途中での解約条件
  • 作成済み成果物の扱い
  • 返金規定
  • データの引き渡し方法

契約書で特に注意すべきポイント

「仕様変更」の定義を明確に

失敗例:「色を変更しただけなのに追加料金」

デザイン確定後の色変更は、コーディングにも影響するため追加作業となります。どこまでが「軽微な修正」で、どこからが「仕様変更」かを事前に決めておきましょう。

「完成」の定義

何をもって「完成」とするかを明確に:

  • 全ページの動作確認完了
  • クライアント承認の取得
  • 本番環境での公開完了
  • 操作マニュアルの提供完了

まとめ:成功する契約のために

私たちが20年間で学んだ最も重要なことは、**「契約は双方の期待を揃える作業」**だということです。

あるクライアント様との案件では、発注前に2回の打ち合わせと詳細な要件定義書の作成を行いました。結果として:

  • 追加料金ゼロで予算内完成
  • 納期通りの公開
  • 完成後3ヶ月で問い合わせ数が2倍に増加
  • お客様自身でのコンテンツ更新が可能に

という成果を得ることができました。

次にすべきアクション

  1. 制作会社候補をリストアップ
  2. 要件を整理し、質問リストを作成
  3. 最低3社から詳細な見積もりを取得
  4. 契約書の確認と疑問点の質問

ホームページ制作は、あなたのビジネスを大きく変える投資です。契約トラブルで時間とお金を無駄にせず、本来の目的である「ビジネス成果の向上」に集中できるよう、しっかりと準備を行いましょう。

ご不明な点や、契約内容の確認でお困りの際は、お気軽にご相談ください。20年の実績で培ったノウハウを活かし、あなたのプロジェクト成功をサポートいたします。

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