Web制作で「こんなはずじゃなかった」を防ぐために。20年の実績から学んだ契約前に確認すべき重要ポイントと、よくあるトラブル事例を解説します。
こんな悩みありませんか?
「ホームページを制作会社に頼んだら、思っていたものと全然違うものができた」 「追加料金が次々と発生して、最終的に予算の倍になった」 「完成後に修正をお願いしたら、別料金と言われた」
Web制作の契約トラブルは、実は発注前の確認不足が原因のほとんどです。横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた私たちが、実際に見てきた失敗事例と、それを回避する方法をお伝えします。
よくある契約トラブル事例
「デザインが想像と全然違う」問題
あるクライアント様から「モダンでスタイリッシュなデザイン」というオーダーをいただいたことがありました。しかし、お客様が想像していたのは「シンプルで清潔感のあるデザイン」で、私たちが提案した「トレンドを取り入れた動きのあるデザイン」とは大きく異なっていました。
解決策:具体的な参考サイトを3~5つ共有
曖昧な表現ではなく、「このサイトのこの部分が好み」と具体的に示すことで、認識のズレを防げます。
「思った機能がない」問題
中小企業のお客様から「お問い合わせフォームを作ってほしい」とご依頼いただいた際、お客様は自動返信メールやCSVダウンロード機能も含まれていると思っていましたが、基本契約にはシンプルなフォーム送信機能のみが含まれていました。
解決策:機能要件を詳細に文書化
【お問い合わせフォーム機能詳細】
- 基本項目:お名前、メールアドレス、お問い合わせ内容
- 自動返信メール:○(含む)/ ×(別途料金)
- CSV出力機能:○(含む)/ ×(別途料金)
- スパム対策:reCAPTCHA導入
発注前に必ず確認すべき8つの重要事項
1. 制作範囲の明確化
含まれるもの・含まれないものを具体的に
- ページ数(トップページ、会社概要、サービス紹介など)
- 機能(お問い合わせフォーム、ブログ、会員機能など)
- デザイン修正回数
- テスト環境の提供有無
- SSL証明書の設定
- Googleアナリティクス設定
2. 開発技術の確認
制作会社によって得意な技術は異なります。私たちFivenine DesignはLaravel、WordPress、Next.jsが得意ですが、例えばECサイトなら:
// Laravel + Stripe決済の場合
public function processPayment(Request $request)
{
\Stripe\Stripe::setApiKey(config('stripe.secret'));
$charge = \Stripe\Charge::create([
'amount' => $request->amount * 100,
'currency' => 'jpy',
'source' => $request->stripeToken,
]);
return response()->json(['success' => true]);
}
このような技術要件が必要な場合、事前に対応可能か確認することが重要です。
3. 修正・変更に関するルール
よくある失敗:「軽微な修正なので無料だと思った」
制作途中や完成後の修正について、以下を明確にしましょう:
- 無料修正の範囲と回数
- 有料修正の料金体系
- 修正依頼の方法(メール、チャットツールなど)
- 修正対応の期限
4. 納期とマイルストーン
【制作スケジュール例】
第1週:要件定義・ワイヤーフレーム作成
第2~3週:デザイン制作・修正
第4~6週:コーディング・機能実装
第7週:テスト・修正
第8週:公開・引き渡し
各フェーズでの確認タイミングと、遅延時の対応も決めておきます。
5. 保守・運用サポート
完成後のサポートで大きく変わる運用効率
あるクライアント様では、WordPress制作後に以下のサポートを提供しました:
- 月1回のセキュリティアップデート
- ブログ投稿方法の動画マニュアル提供
- 緊急時の24時間以内対応
結果、お客様自身でコンテンツ更新ができるようになり、月間PVが3倍に増加しました。
6. 著作権・所有権の扱い
制作したサイトの著作権や、使用する画像・フォントの権利について確認:
- サイト全体の著作権の帰属
- 使用画像の権利(有料ストックフォト代は別途か)
- フォントのライセンス
- ソースコードの所有権
7. 支払い条件
健全な制作会社の支払いパターン
- 着手金:30-50%
- 中間金:デザイン確定時に30%
- 残金:完成・公開時に20-40%
一括前払いや完成後一括払いは、双方にリスクがあるため避けることをお勧めします。
8. 解約・契約終了時の取り決め
万が一の場合に備えて:
- 制作途中での解約条件
- 作成済み成果物の扱い
- 返金規定
- データの引き渡し方法
契約書で特に注意すべきポイント
「仕様変更」の定義を明確に
失敗例:「色を変更しただけなのに追加料金」
デザイン確定後の色変更は、コーディングにも影響するため追加作業となります。どこまでが「軽微な修正」で、どこからが「仕様変更」かを事前に決めておきましょう。
「完成」の定義
何をもって「完成」とするかを明確に:
- 全ページの動作確認完了
- クライアント承認の取得
- 本番環境での公開完了
- 操作マニュアルの提供完了
まとめ:成功する契約のために
私たちが20年間で学んだ最も重要なことは、**「契約は双方の期待を揃える作業」**だということです。
あるクライアント様との案件では、発注前に2回の打ち合わせと詳細な要件定義書の作成を行いました。結果として:
- 追加料金ゼロで予算内完成
- 納期通りの公開
- 完成後3ヶ月で問い合わせ数が2倍に増加
- お客様自身でのコンテンツ更新が可能に
という成果を得ることができました。
次にすべきアクション
- 制作会社候補をリストアップ
- 要件を整理し、質問リストを作成
- 最低3社から詳細な見積もりを取得
- 契約書の確認と疑問点の質問
ホームページ制作は、あなたのビジネスを大きく変える投資です。契約トラブルで時間とお金を無駄にせず、本来の目的である「ビジネス成果の向上」に集中できるよう、しっかりと準備を行いましょう。
ご不明な点や、契約内容の確認でお困りの際は、お気軽にご相談ください。20年の実績で培ったノウハウを活かし、あなたのプロジェクト成功をサポートいたします。