development 2026.01.21

JavaScriptで学ぶブロックチェーンの仕組み:実際に動かして理解する改ざん防止技術

約32分で読めます

ブロックチェーンの仕組みを理解したいけど難しそう?JavaScriptで実際に動かしながら学べば、改ざん防止の仕組みが手に取るように分かります。

ブロックチェーンって結局何?と思っているあなたへ

「最近よく聞くブロックチェーンって、結局何なの?」 「仮想通貨以外でどう使われているの?」 「技術的な仕組みを理解したいけど、難しい数学は分からない」

こんな疑問をお持ちではありませんか?

神奈川でWeb制作を20年以上続けてきた私たちFivenine Designでも、最近クライアントからブロックチェーン技術を活用したシステムの相談が増えています。特に、データの改ざん防止や透明性が重要な業界からの問い合わせが目立ちます。

今回は、JavaScriptを使って実際にブロックチェーンを作りながら、その仕組みを理解していきましょう。難しい暗号理論は使わず、本質的な部分を体験できるようにします。

まずは体験!ブロックチェーンの基本デモ

理論の前に、実際に動かして仕組みを体感しましょう。このデモでは以下の4つの操作ができます:

  1. ハッシュ関数 - 入力を変えるとハッシュ値がどう変わるか
  2. ブロック作成 - データを入力してブロックを生成
  3. マイニング - Proof of Workを体験
  4. 改ざん検証 - データを改ざんすると後続が無効になる様子
インタラクティブサンプル

なぜブロックチェーンが注目されるのか?従来の課題とは

データ改ざんの恐怖

あるクライアント企業では、重要な取引記録をデータベースに保存していましたが、「もし管理者が悪意を持って記録を変更したら?」「システムに侵入されてデータを書き換えられたら?」という不安を抱えていました。

従来のシステムでは、以下のような課題がありました:

  • 中央集権的な管理:一箇所でデータを管理するため、そこが攻撃されると全体が危険
  • 改ざんの検知困難:データが変更されても、いつ誰が変更したか分からない場合がある
  • 信頼性の担保:第三者機関への依存が必要

ブロックチェーンがもたらす革新

ブロックチェーンは、これらの課題を以下のように解決します:

  • 分散管理:複数の場所でデータを保持
  • 改ざん検知:データが変更されると即座に検知可能
  • 透明性:すべての変更履歴が記録される
  • 非中央集権:特定の管理者に依存しない

JavaScriptで作る!シンプルなブロックチェーン

ブロックチェーンの核となる「ハッシュ関数」を体験してみましょう。入力を少しでも変えると、まったく異なるハッシュ値が生成されることが分かります。

インタラクティブサンプル

デモ2:ブロックを作成する

次に、実際のブロックを作ってみましょう。データを入力すると、ハッシュ値を持つブロックが生成されます。

インタラクティブサンプル

デモ3:マイニング(Proof of Work)を体験する

ビットコインで有名な「マイニング」を体験しましょう。特定の条件を満たすハッシュ値を見つけるまで計算を繰り返します。

インタラクティブサンプル

デモ4:改ざん検証 - ブロックチェーンの仕組み

最後に、複数のブロックをチェーン状につなげて、改ざんするとどうなるか確かめましょう。

インタラクティブサンプル

ブロックチェーンクラスの実装

次に、複数のブロックを管理するブロックチェーンクラスを作成します:

class Blockchain {
    constructor() {
        this.chain = [this.createGenesisBlock()];
    }

    // 最初のブロック(ジェネシスブロック)を作成
    createGenesisBlock() {
        return new Block(0, Date.now(), "Genesis Block", "0");
    }

    // 最新のブロックを取得
    getLatestBlock() {
        return this.chain[this.chain.length - 1];
    }

    // 新しいブロックを追加
    addBlock(newBlock) {
        newBlock.previousHash = this.getLatestBlock().hash;
        newBlock.hash = newBlock.calculateHash();
        this.chain.push(newBlock);
    }

    // ブロックチェーンの整合性を検証
    isChainValid() {
        for (let i = 1; i < this.chain.length; i++) {
            const currentBlock = this.chain[i];
            const previousBlock = this.chain[i - 1];

            // 現在のブロックのハッシュが正しいかチェック
            if (currentBlock.hash !== currentBlock.calculateHash()) {
                return false;
            }

            // 前のブロックとの連鎖が正しいかチェック
            if (currentBlock.previousHash !== previousBlock.hash) {
                return false;
            }
        }
        return true;
    }
}

実際に動かしてみよう

// ブロックチェーンを作成
const myBlockchain = new Blockchain();

// データを追加
myBlockchain.addBlock(new Block(1, Date.now(), { amount: 4 }));
myBlockchain.addBlock(new Block(2, Date.now(), { amount: 10 }));

console.log('ブロックチェーンの内容:');
console.log(JSON.stringify(myBlockchain, null, 4));

// 整合性チェック
console.log('ブロックチェーンは有効か?: ' + myBlockchain.isChainValid());

// 改ざんを試してみる
myBlockchain.chain[1].data = { amount: 100 };
console.log('改ざん後、ブロックチェーンは有効か?: ' + myBlockchain.isChainValid());

改ざん防止の仕組みを可視化

flowchart LR
    A[ブロック1<br/>Hash: abc123] --> B[ブロック2<br/>PrevHash: abc123<br/>Hash: def456]
    B --> C[ブロック3<br/>PrevHash: def456<br/>Hash: ghi789]
    C --> D[ブロック4<br/>PrevHash: ghi789<br/>Hash: jkl012]
    
    style A fill:#3B82F6,color:#fff
    style B fill:#10B981,color:#fff
    style C fill:#F59E0B,color:#fff
    style D fill:#EF4444,color:#fff

この図からも分かるように、各ブロックが前のブロックのハッシュを持っているため、一つでも改ざんされると連鎖が崩れて検知できます。

実際のプロジェクトでの活用事例

ケース1:製品トレーサビリティシステム

ある製造業のクライアントでは、製品の製造履歴を管理するシステムにブロックチェーンの概念を導入しました。

class ProductTraceability extends Blockchain {
    addProductionRecord(productId, process, timestamp, responsible) {
        const newBlock = new Block(
            this.chain.length,
            timestamp,
            {
                productId: productId,
                process: process,
                responsible: responsible,
                quality: 'OK'
            }
        );
        this.addBlock(newBlock);
    }

    getProductHistory(productId) {
        return this.chain.filter(block => 
            block.data.productId === productId
        );
    }
}

// 使用例
const productTrace = new ProductTraceability();
productTrace.addProductionRecord('P001', '原料投入', Date.now(), '田中');
productTrace.addProductionRecord('P001', '加工', Date.now(), '佐藤');
productTrace.addProductionRecord('P001', '検品', Date.now(), '鈴木');

結果として、製品に問題が発生した際の原因特定が大幅に改善され、品質管理の工数が30%削減されました。

ケース2:契約管理システム

class ContractBlockchain extends Blockchain {
    addContract(contractId, parties, terms, status) {
        const newBlock = new Block(
            this.chain.length,
            Date.now(),
            {
                contractId: contractId,
                parties: parties,
                terms: terms,
                status: status,
                lastModified: Date.now()
            }
        );
        this.addBlock(newBlock);
    }

    updateContractStatus(contractId, newStatus) {
        // 新しいブロックとして状態変更を記録
        const latestContract = this.getLatestContractData(contractId);
        if (latestContract) {
            this.addContract(
                contractId,
                latestContract.parties,
                latestContract.terms,
                newStatus
            );
        }
    }

    getLatestContractData(contractId) {
        const contractBlocks = this.chain
            .filter(block => block.data.contractId === contractId)
            .reverse();
        return contractBlocks.length > 0 ? contractBlocks[0].data : null;
    }
}

よくある失敗パターンと対処法

失敗パターン1:パフォーマンスを無視した実装

よくある失敗:すべてのデータをブロックチェーンに保存してしまう

// ❌ 悪い例:大量データを直接保存
class BadBlockchain extends Blockchain {
    addLargeData(data) {
        // 画像ファイルなどの大量データを直接保存
        const newBlock = new Block(
            this.chain.length,
            Date.now(),
            { imageData: data } // これは重すぎる!
        );
        this.addBlock(newBlock);
    }
}

正しい対処法:ハッシュ値のみを保存し、実データは別途管理

// ✅ 良い例:ハッシュ値で整合性を保証
class GoodBlockchain extends Blockchain {
    addDataHash(dataId, dataHash, metadata) {
        const newBlock = new Block(
            this.chain.length,
            Date.now(),
            {
                dataId: dataId,
                dataHash: dataHash, // データのハッシュ値のみ
                metadata: metadata
            }
        );
        this.addBlock(newBlock);
    }

    verifyData(dataId, actualData) {
        const block = this.chain.find(b => b.data.dataId === dataId);
        if (block) {
            const actualHash = this.calculateDataHash(actualData);
            return actualHash === block.data.dataHash;
        }
        return false;
    }
}

失敗パターン2:セキュリティ対策の不備

問題点:本番環境では、より強固な暗号化とネットワークセキュリティが必要です。

// 本番環境向けの改良版
class SecureBlock extends Block {
    constructor(index, timestamp, data, previousHash = '') {
        super(index, timestamp, data, previousHash);
        this.nonce = 0; // プルーフ・オブ・ワーク用
    }

    // プルーフ・オブ・ワーク(簡易版)
    mineBlock(difficulty) {
        const target = Array(difficulty + 1).join('0');
        
        while (this.hash.substring(0, difficulty) !== target) {
            this.nonce++;
            this.hash = this.calculateHash();
        }
        
        console.log(`ブロックがマイニングされました: ${this.hash}`);
    }

    calculateHash() {
        const crypto = require('crypto');
        return crypto
            .createHash('sha256')
            .update(
                this.index + 
                this.previousHash + 
                this.timestamp + 
                JSON.stringify(this.data) + 
                this.nonce
            )
            .digest('hex');
    }
}

失敗パターン3:スケーラビリティの考慮不足

データ量が増加すると検証時間が指数関数的に増加するため、定期的なアーカイブ戦略が必要です。

仮想通貨以外でのブロックチェーン活用:業界別事例

ブロックチェーンと聞くとビットコインなどの仮想通貨を思い浮かべる方が多いですが、実は様々な業界で実用化が進んでいます。

医療・ヘルスケア業界

電子カルテの改ざん防止

患者の診療記録をブロックチェーンで管理することで、医療ミスの原因究明や薬歴管理の信頼性が向上します。

導入事例:大手病院グループ

複数の病院間で患者データを共有する際、ブロックチェーンを活用することで誰がいつデータにアクセスしたか完全に追跡可能に。医療データの不正閲覧を90%削減しました。

臨床試験データの透明性確保

製薬会社の臨床試験データをブロックチェーンで記録することで、データ改ざんを防止し、規制当局への信頼性向上に貢献しています。

物流・サプライチェーン

食品トレーサビリティ

インタラクティブサンプル

農産物の生産から消費者の手に届くまでの全工程を記録。産地偽装や異物混入が発生した際の原因特定が従来の1週間から1時間以内に短縮されました。

不動産・権利管理

土地登記の効率化

不動産の所有権移転履歴をブロックチェーンで管理することで、登記手続きの時間が大幅に短縮されます。

項目従来の登記システムブロックチェーン活用
所有権移転期間2-4週間即時〜1日
改ざんリスク中程度ほぼゼロ
履歴追跡複雑完全自動
第三者認証必須不要
コスト低〜中

教育・資格認証

学歴・資格証明書の発行

大学の卒業証明書や資格証明書をブロックチェーンで発行することで、偽造が不可能になり、企業側の確認作業も即座に完了します。

オンライン学習の修了証

eラーニングプラットフォームで学習履歴と修了証をブロックチェーンに記録。転職時のスキル証明が簡単に。

エンターテイメント・著作権管理

デジタルコンテンツの著作権保護

音楽、イラスト、動画などのデジタルコンテンツの作成日時と作者情報をブロックチェーンに記録することで、著作権の証明が容易になります。

NFT(非代替性トークン)による所有権証明

デジタルアートやゲームアイテムの所有権をブロックチェーンで管理。二次流通時のロイヤリティ自動分配も実現。

行政・公共サービス

投票システムの透明化

選挙の投票記録をブロックチェーンで管理することで、不正投票を防止し、開票作業の効率化も実現します。

公文書管理

戸籍、住民票、印鑑証明などの公文書をブロックチェーンで管理。改ざん防止と迅速な発行を両立。

保険業界

保険金請求の自動化

スマートコントラクト(自動実行される契約)を組み合わせることで、条件を満たした際に保険金が自動支払いされるシステムが実現しています。

実用化事例:航空便遅延保険

飛行機の遅延情報とブロックチェーンを連携させ、2時間以上の遅延が確認されると自動的に保険金が支払われるサービスが既に運用されています。

実装時の重要ポイント

これらの事例に共通する成功要因は以下の3点です:

  1. 明確な課題設定: 「何を解決したいのか」を具体的に定義
  2. 段階的導入: 小規模なPoC(概念実証)から開始
  3. 既存システムとの統合: 完全な置き換えではなく、必要な部分のみブロックチェーン化

注意:ブロックチェーンが万能ではない

すべてのシステムにブロックチェーンが適しているわけではありません。以下の場合は従来のデータベースの方が適切です:

  • データの頻繁な更新・削除が必要
  • パフォーマンスが最優先
  • 改ざん防止の必要性が低い
  • 単一組織内で完結するシステム

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まとめ:ブロックチェーンを活用した次世代システム開発

今回JavaScriptで実装したブロックチェーンを通じて、以下のことが理解できたと思います:

  1. 改ざん防止の仕組み:ハッシュチェーンによる整合性保証
  2. 透明性の実現:すべての変更履歴が記録される
  3. 分散化の利点:単一障害点の排除
  4. 実装上の注意点:パフォーマンスとセキュリティのバランス

導入効果の実績

次のステップ

ブロックチェーン技術を本格的に活用するには、以下の段階的なアプローチがおすすめです:

Fivenine Designでは、20年以上のWeb開発経験を活かし、ブロックチェーン技術を活用した信頼性の高いシステム開発をサポートしています。「うちの業界でも使えるの?」「どこから始めればいい?」といったご相談から、本格的なシステム開発まで対応可能です。

ブロックチェーンは仮想通貨だけの技術ではありません。適切に活用すれば、あなたのビジネスの信頼性と透明性を大幅に向上させる強力なツールになります。まずは小さなプロトタイプから始めて、その可能性を体感してみてください。

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