Web制作の契約でトラブルを避けるために、知らないと損する重要な条項をチェックリスト形式で解説。実際の失敗例と対策も紹介します。
こんな悩みありませんか?
「Web制作の契約書って専門用語ばかりで何を確認すれば良いかわからない」「後からこんなはずじゃなかった...ということになりたくない」「契約書のチェックポイントを知りたい」
そんなWeb担当者の方に向けて、横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた経験から、契約書で絶対に見落としてはいけない重要条項をチェックリスト形式でご紹介します。
実際にあった契約トラブル事例
ある製造業のクライアント様から相談を受けた事例です。前の制作会社との契約で「サーバー費用は月額5,000円」とあったため安心していたところ、実際には以下の費用が別途請求されていました:
- SSL証明書更新費用:年額15,000円
- ドメイン更新費用:年額3,000円
- セキュリティ対策費用:月額8,000円
- バックアップ費用:月額3,000円
結果的に想定の3倍以上の運用費用がかかってしまい、予算オーバーで困っていらっしゃいました。このようなトラブルは、契約書の重要条項をしっかりチェックすることで防げます。
絶対確認!契約書チェックリスト
1. 制作範囲・仕様に関する条項
□ ページ数と具体的な制作範囲
- 「トップページ+下層5ページ」など明確な記載があるか
- 問い合わせフォーム、ブログ機能などの有無
- レスポンシブ対応(スマホ対応)の範囲
□ 使用技術・CMS仕様
- WordPress、Laravel、Next.jsなど使用技術の明記
- カスタム機能の詳細仕様
- データベース設計やAPI連携の範囲
よくある失敗例:「Webサイト制作一式」といった曖昧な記載では、後から「この機能は含まれていない」と言われるケースがあります。
2. 費用・支払いに関する条項
□ 制作費用の内訳
- デザイン費、コーディング費、システム開発費の詳細
- 追加修正費用の単価(1回あたり○○円など)
- 急ぎ対応時の追加料金
□ 運用費用の詳細
月額運用費用に含まれるもの:
- サーバー費用
- ドメイン費用
- SSL証明書
- セキュリティ対策
- バックアップ
- 軽微な修正対応
□ 支払い条件
- 着手金、中間金、完成金の割合
- 支払い期限と方法
- 遅延損害金の取り決め
3. 納期・修正に関する条項
□ 制作スケジュール
- 各工程の具体的な納期
- クライアント側の確認・承認期限
- 遅延時の対応方法
□ 修正回数と範囲
- 無料修正の回数制限(通常2〜3回)
- 修正範囲の定義(軽微な修正vs大幅な変更)
- 追加修正時の費用
実際の案件では、「無制限修正対応」を謳っている会社でも、契約書には「軽微な修正に限る」との記載があることが多いです。
4. 著作権・知的財産権に関する条項
□ 著作権の帰属
- デザイン、コンテンツ、プログラムの著作権
- 使用した写真・イラストの権利関係
- 制作会社独自のシステムやテンプレートの扱い
□ 二次利用・改変権
- 他の制作会社への移管可能性
- ソースコードの提供有無
- 制作事例としての利用許可
5. 保守・サポートに関する条項
□ 保守範囲と期間
- 無償保守期間(通常3〜6ヶ月)
- 対応するトラブルの種類
- サポート時間と連絡方法
□ データ管理・バックアップ
// バックアップ頻度の例
日次バックアップ:データベース
週次バックアップ:ファイル全体
月次バックアップ:長期保存用
6. 解約・契約終了に関する条項
□ 解約条件
- 解約予告期間(通常1〜3ヶ月前)
- 解約時の違約金
- 制作途中での解約時の精算方法
□ データ・資産の引き渡し
- サーバーデータの提供方法
- ドメイン移管の対応
- 引き継ぎ資料の提供範囲
契約前に確認すべき質問リスト
制作会社との打ち合わせで、以下の質問をして回答を契約書に反映してもらいましょう:
- 「月額○○円」に含まれないものは何ですか?
- サーバーやドメインの管理権限はどちらが持ちますか?
- 他の制作会社に移管する場合、データ提供は可能ですか?
- 緊急時の対応時間と連絡方法を教えてください
- 制作したサイトを事例として使用することはありますか?
よくある「後から気づく」落とし穴
落とし穴1:ドメイン・サーバーの名義問題
制作会社名義でドメインを取得された場合、移管時にトラブルになることがあります。必ず自社名義での取得を依頼しましょう。
落とし穴2:WordPressのプラグイン費用
有料プラグインの年額費用が運用費に含まれていない場合があります。使用プラグインのライセンス費用も事前に確認が必要です。
落とし穴3:SSL証明書の種類
「SSL対応」とあっても、無料のLet's Encryptなのか有料の企業認証SSL なのかで信頼性が大きく変わります。
契約書確認のベストプラクティス
確認手順
- 初回確認:チェックリストを使って一通り確認
- 質問整理:不明点をリストアップ
- 制作会社に質問:書面での回答を依頼
- 契約書修正:必要に応じて条項の追加・修正
- 最終確認:修正された契約書を再度チェック
注意点
- 口約束ではなく、必ず書面での確認を
- 専門用語は遠慮なく説明を求める
- 想定している範囲を具体的に伝える
まとめ:安心できるWeb制作のために
良い制作会社であれば、これらの確認事項について丁寧に説明してくれるはずです。むしろ、質問を嫌がったり、曖昧な回答をしたりする会社は避けた方が無難でしょう。
契約書の確認は手間がかかりますが、制作後の長期的な関係を考えると非常に重要な投資です。不明な点があれば、遠慮なく制作会社に確認することをお勧めします。
次のアクション:
- 現在検討中の制作会社がいれば、このチェックリストを使って契約書を確認
- 不明点があれば書面での回答を依頼
- 複数社比較する場合は、同じ基準で契約条件を比較
私たちFivenine Designでは、これらの条項を明確にした分かりやすい契約書をご用意し、ご不明な点には丁寧にお答えしています。Web制作の契約でご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。