「制作会社に丸投げしたら思った通りにならない」「費用が予算オーバーした」ITが苦手でも外注管理で失敗しない実践的な管理術をご紹介します。
こんな悩みはありませんか?
「制作会社に依頼したのに、思っていたサイトと全然違う…」 「追加費用がどんどん発生して予算オーバーしている」 「担当者が技術的な説明をしても、正直よく分からない」
ITが苦手な経営者にとって、Webサイト制作・運用の外注管理は大きな課題です。しかし、適切な管理方法を知っていれば、技術的な知識がなくても成功に導くことができます。
横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた私たちが、実際のプロジェクトで得た「外注管理で失敗しないコツ」をお伝えします。
なぜ外注管理で失敗するのか?
よくある失敗パターン
あるクライアント様は、初回の外注で以下のような問題に直面されました:
- 要件定義が曖昧:「おしゃれなサイトにして」だけで発注
- 進捗確認の不備:月1回の報告会のみで詳細把握できず
- 仕様変更の連発:途中で「やっぱりこうしたい」が多発
- 完成後の運用未検討:サイト公開後の更新方法が不明
これらの問題により、当初予算の1.5倍の費用と、予定より2ヶ月の遅延が発生してしまいました。
失敗しない外注管理の5つのポイント
1. 要件定義は「具体的な成果」で伝える
技術的な要件ではなく、ビジネス的な成果で伝えることが重要です。
良い例:
- 月間問い合わせを現在の3件から10件に増やしたい
- 採用ページから月5名の応募を獲得したい
- 商品カタログを顧客が自分で検索できるようにしたい
避けるべき例:
- 「レスポンシブデザインで」
- 「SEOに強いサイトで」
- 「モダンな技術を使って」
2. 進捗管理は「見える化」で行う
実際に成功したプロジェクトでは、以下のような管理方法を採用しました:
週次進捗レポートの例:
【今週の完了項目】
・トップページデザイン確定
・会社概要ページのコーディング完了
【来週の予定】
・サービス紹介ページのデザイン提案
・問い合わせフォームの実装開始
【確認が必要な項目】
・ロゴデータの最終確認(金曜まで)
・掲載写真の選定(来週火曜まで)
この方法により、クライアント様は「今何が起きているか」「自分が何をすべきか」が明確に把握できるようになりました。
3. 予算管理は「バッファ」を設ける
予算配分の目安:
- 基本制作費:70%
- 追加・変更対応:20%
- 緊急対応・予備費:10%
あるEC事業者様では、この配分により予算内で以下の成果を実現できました:
- 売上が前年比150%向上
- 問い合わせ対応時間が50%削減
- 商品登録作業が自社で可能に
4. コミュニケーションルールを明確化
効果的なコミュニケーション設計:
【定期ミーティング】
・頻度:週1回、30分
・参加者:経営者、Web担当者、制作会社PM
・議題:進捗、課題、決定事項
【緊急連絡】
・24時間以内に返答が必要な場合
・連絡方法:電話 + メール
・対象:仕様変更、公開スケジュール変更など
【日常連絡】
・48時間以内返答
・連絡方法:メール、チャットツール
・対象:デザイン確認、コンテンツ修正など
5. 運用体制を事前に構築
よくある失敗: サイト完成後に「更新方法が分からない」「誰が管理するか決まっていない」
成功事例の運用体制:
- 日常更新:社内スタッフ(WordPressで記事投稿)
- 月次更新:制作会社(アクセス解析レポート、SEO改善提案)
- 年次更新:制作会社(大幅リニューアル、システムアップデート)
制作会社選びで重要な3つのチェックポイント
1. 「技術説明」ではなく「ビジネス提案」ができるか
良い制作会社は、技術的な説明の前に以下のような質問をします:
- 「現在のビジネス課題は何ですか?」
- 「サイトでどんな成果を期待していますか?」
- 「競合他社との差別化ポイントは?」
2. 過去の失敗事例を正直に話すか
信頼できる会社は、成功事例だけでなく「こんな失敗もありました」「こういう場合は注意が必要です」と正直に説明します。
3. 運用まで見据えた提案をするか
制作だけでなく、公開後の運用・改善まで含めた提案があるかが重要です。
// WordPressの場合の運用性チェック例
// 管理画面での更新がどれだけ簡単か
// 良い例:カスタムフィールドで簡単更新
add_action('acf/init', function(){
acf_add_local_field_group(array(
'key' => 'service_info',
'title' => 'サービス情報',
'fields' => array(
array(
'key' => 'service_price',
'label' => '料金(円)',
'name' => 'price',
'type' => 'number',
'instructions' => '数字のみ入力してください'
)
),
'location' => array(array(array(
'param' => 'post_type',
'operator' => '==',
'value' => 'service'
)))
));
});
まず何から始めるべきか
ステップ1:現状の整理(1週間)
- 現在のWebサイトの課題を数値で把握
- 競合他社のサイトを3社以上調査
- 社内のWeb運用体制を確認
ステップ2:要件定義書の作成(1週間)
- ビジネス目標の明文化
- 必要な機能のリストアップ
- 予算と期限の設定
ステップ3:制作会社の選定(2週間)
- 3社以上から提案を取得
- 過去の実績と運用サポート体制を確認
- 担当者との相性をチェック
成功への道筋
適切な外注管理により、ITが苦手な経営者でも以下のような成果を実現できます:
- 問い合わせ数が3倍増加
- 採用応募者が月平均8名に向上
- Web経由の売上が年間20%向上
- 社内でのサイト更新が日常業務に
Web制作の外注は「技術の購入」ではなく「ビジネス成長のパートナーシップ」です。適切な管理方法を身につけて、Webサイトを真のビジネス資産に育てていきましょう。
横浜のFivenine Designでは、20年以上の経験を活かし、ITが苦手な経営者様でも安心してお任せいただける運用サポート体制をご提供しています。外注管理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。