WordPressのメンテナンスモードが解除できずサイトにアクセスできない緊急事態。原因別の対処法と予防策を横浜のWeb制作会社が解説します。
こんな緊急事態に直面していませんか?
- WordPressの更新中にエラーが起きて「しばらくの間メンテナンス中です」が表示される
- メンテナンスモードが解除されずサイトにアクセスできない
- 管理画面にもログインできなくなった
- お客様からサイトが見れないと連絡が来て焦っている
このような状況は、WordPressを運営していると必ず一度は経験する問題です。でも大丈夫、適切な対処をすれば必ず解決できます。
横浜でWeb制作を20年以上続けている私たちが、実際のサポート事例をもとに、メンテナンスモード解除の確実な方法をお教えします。
メンテナンスモードが解除されない原因
まず、なぜこの問題が起きるのかを理解しましょう。WordPressは更新中の安全性を確保するため、自動的にメンテナンスモードに入ります。しかし、以下の状況でメンテナンスモードが解除されなくなります。
1. 更新プロセスの中断
- サーバーエラーによる処理の停止
- ネットワーク接続の切断
- PHPの実行時間制限に引っかかった
2. .maintenanceファイルの残存
WordPressは更新中に.maintenanceファイルを作成しますが、エラーが起きると自動削除されずに残ってしまいます。
【緊急対処法1】.maintenanceファイルを削除する
これが最も一般的で効果的な解決方法です。
FTPでファイルを削除する手順
- FTPクライアント(FileZillaなど)でサーバーにアクセス
- WordPressのルートディレクトリ(wp-config.phpがある場所)を開く
.maintenanceファイルを探して削除
注意点: .maintenanceファイルは隠しファイルなので、FTPクライアントで「隠しファイルを表示する」設定を有効にしてください。
レンタルサーバーのファイルマネージャーを使う場合
多くのレンタルサーバーには管理画面にファイルマネージャー機能があります:
- サーバーの管理画面にログイン
- ファイルマネージャーを開く
- public_htmlまたはドメインのフォルダを開く
.maintenanceファイルを削除
実際の事例: 先日サポートしたクライアント様では、プラグイン更新中にサーバーエラーが発生。.maintenanceファイルが残っていたため、削除後すぐにサイトが復旧しました。復旧まで約5分、お客様の信頼を失うことなく解決できました。
【緊急対処法2】wp-config.phpで強制解除
.maintenanceファイルが見つからない場合や、削除しても解決しない場合の対処法です。
コードを追加してメンテナンスモードを無効化
wp-config.phpファイルに以下のコードを追加します:
// メンテナンスモードを強制的に無効化
define('WP_DEBUG', true);
define('WP_DEBUG_LOG', true);
define('AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED', true);
// この行を <?php の直後に追加
if (file_exists(ABSPATH . '.maintenance')) {
unlink(ABSPATH . '.maintenance');
}
追加する場所: <?phpの直後、他のdefine文より前に配置してください。
手順
- FTPまたはファイルマネージャーで
wp-config.phpをダウンロード - テキストエディタで開いて上記コードを追加
- ファイルをアップロード
- サイトにアクセスして確認
- 問題が解決したらコードを削除(重要)
【緊急対処法3】データベース操作による解除
上記の方法で解決しない場合、データベース操作が必要になることがあります。
phpMyAdminでの操作
-- wp_optionsテーブルでメンテナンス関連の設定を確認
SELECT * FROM wp_options WHERE option_name LIKE '%maintenance%';
-- 必要に応じて削除
DELETE FROM wp_options WHERE option_name = 'maintenance_mode';
注意: データベース操作は慎重に行ってください。必ずバックアップを取ってから実行しましょう。
よくある失敗とその対策
失敗例1:隠しファイルが見えない
多くの方が「.maintenanceファイルが見つからない」と言われますが、これは隠しファイル表示設定の問題です。FileZillaなら「表示 > 隠しファイルを表示」をチェックしてください。
失敗例2:権限不足でファイル削除できない
サーバーによってはファイルの権限設定で削除できない場合があります。その場合はファイル権限を644に変更してから削除してください。
失敗例3:キャッシュが残っている
ファイル削除後もメンテナンス画面が表示される場合、ブラウザキャッシュやCDNキャッシュが原因の可能性があります。ハードリフレッシュ(Ctrl+F5)を試してください。
予防策:今後同じ問題を起こさないために
1. 更新前のバックアップ習慣
更新作業前には必ずファイルとデータベースのバックアップを取りましょう。
2. メンテナンス時間の配慮
サイト更新は訪問者の少ない時間帯に行い、事前にメンテナンス告知をしておくと安心です。
3. 段階的更新の実施
- WordPress本体
- プラグイン
- テーマ
を一度に更新せず、1つずつ段階的に行うことでリスクを軽減できます。
サーバー環境による違いと対策
共用サーバーの場合
- ファイルマネージャーが使える場合が多い
- SSH接続できない場合が多いため、FTPかファイルマネージャーを使用
VPSや専用サーバーの場合
- SSH接続でコマンドライン操作が可能
- より柔軟な対応ができるが、技術知識が必要
# SSH接続時のコマンド例
cd /path/to/wordpress/
ls -la | grep maintenance
rm .maintenance
まとめ:まず最初に試すべきこと
メンテナンスモードが解除できない時の対処優先順位:
.maintenanceファイルの削除(成功率90%)- wp-config.phpでの強制解除(成功率95%)
- データベース操作(技術者向け)
実際の復旧実績: 当社でサポートした案件の95%以上が、1番目の.maintenanceファイル削除で解決しています。パニックにならず、まずは基本の対処から始めてください。
自分で対処が難しい場合は
技術的な作業に不安がある場合や、重要なサイトで失敗が許されない場合は、無理をせずWeb制作会社に相談することをお勧めします。
Fivenine Designでは、このような緊急時のサポートも承っています。お困りの際はお気軽にご相談ください。横浜を拠点に20年以上の実績で、確実な復旧をサポートいたします。