Web制作で失敗しないために、依頼前に必ず確認すべきポイントを20年の経験をもとに解説します。技術力から保守体制まで、実案件で学んだ重要なチェック項目をご紹介。
Web制作会社選びで「こんな失敗、していませんか?」
「Webサイトを作ったけど、思うような効果が出ない...」 「制作後のサポートがなく、困った時に連絡が取れない...」 「予算をオーバーして、追加費用が発生し続けている...」
もしこのような悩みをお持ちなら、Web制作会社選びの段階でつまずいている可能性があります。
横浜でWeb制作を20年以上続けてきた私たちが、数々のプロジェクトで学んだ「依頼前に必ず確認すべき10のチェックポイント」をお伝えします。これらを確認することで、「発注してよかった」と心から思えるWeb制作を実現できます。
1. 技術的な対応範囲と得意分野を確認する
なぜ重要なのか
Web制作会社によって得意な技術は大きく異なります。例えば、デザイン重視の会社にシステム開発を依頼すると、思うような機能が実現できない場合があります。
確認すべき具体的なポイント
- 使用可能な技術スタック:WordPress、Laravel、Next.jsなど
- 開発言語:PHP、JavaScript、Pythonなど
- データベース設計経験:MySQL、PostgreSQLなど
- API連携実績:外部サービスとの連携が必要な場合
// 例:WordPressのカスタム投稿タイプを使った実装例
function create_custom_post_type() {
register_post_type('products',
array(
'labels' => array(
'name' => '商品',
'singular_name' => '商品'
),
'public' => true,
'supports' => array('title', 'editor', 'thumbnail')
)
);
}
実案件での成功例
ある製造業のクライアントでは、当初「とりあえずホームページがあればいい」という要望でした。しかし詳しくヒアリングすると、将来的には在庫管理システムとの連携が必要であることが判明。LaravelベースのCMSを提案し、段階的に機能拡張できる設計にしました。
結果として、1年後にスムーズにシステム連携ができ、手作業での在庫更新時間が80%削減されました。
2. 過去の制作実績と業界経験を詳しく聞く
単なるポートフォリオ確認では不十分
多くの方が制作実績を確認しますが、**「なぜその手法を選んだのか」**まで聞く人は少ないものです。この質問への回答で、その会社の本当の技術力が分かります。
確認すべき質問例
- 「このサイトでWordPressを選んだ理由は?」
- 「表示速度改善のために何をしましたか?」
- 「運用開始後の成果はいかがでしたか?」
よくある失敗パターン
失敗例:見た目のきれいなサイトばかりをポートフォリオに載せている会社に依頼したところ、実際はテンプレートをカスタマイズしただけで、独自機能の追加ができなかった。
成功例:地味に見えるサイトでも、「問い合わせが3倍になった理由」を具体的に説明できる会社を選んだ結果、自社でも同様の成果を得られた。
3. プロジェクト管理体制と進行方法を確認する
コミュニケーション方法の事前確認が重要
制作がスタートしてから「連絡が取りにくい」「進捗が分からない」となっては手遅れです。
チェックポイント
- 専任担当者の有無:窓口が毎回変わらないか
- 進捗報告の頻度:週次、隔週など
- 使用ツール:Slack、Chatwork、メールなど
- 緊急時の対応体制:土日対応の可否
実案件での教訓
あるECサイトの案件で、繁忙期直前にシステムトラブルが発生。しかし事前に「緊急時は24時間以内に初期対応」という取り決めをしていたため、売上損失を最小限に抑えられました。
4. 見積もりの内訳と追加費用の発生条件を明確にする
「安い」だけで選ぶリスク
初期費用が安くても、後から追加費用が発生し続ける会社があります。
必ず確認すべき項目
- 基本料金に含まれる範囲
- ページ数の上限
- 修正回数の制限
- 追加機能の料金体系
- 著作権の扱い
トラブル回避のポイント
## 見積書で確認すべき項目例
- デザイン費用(トップページ、下層ページ別)
- コーディング費用(レスポンシブ対応含む)
- CMS構築費用(管理画面カスタマイズ含む)
- テスト・検証費用
- サーバー設定費用
- SSL証明書設定費用
- 初期SEO対策費用
5. 制作後の保守・運用体制を確認する
「作って終わり」ではない時代
現代のWebサイトは継続的な更新とメンテナンスが不可欠です。
確認すべきサポート内容
- セキュリティアップデート対応
- バックアップ体制
- 障害時の復旧作業
- コンテンツ更新代行
- アクセス解析レポート
実案件での成功事例
WordPressを使った企業サイトで、月次保守契約によりセキュリティ対策を自動化。3年間で一度もハッキング被害を受けることなく、安定した運用を継続できています。
// WordPress自動バックアップの設定例
function schedule_auto_backup() {
if (!wp_next_scheduled('auto_backup_hook')) {
wp_schedule_event(time(), 'daily', 'auto_backup_hook');
}
}
add_action('wp', 'schedule_auto_backup');
6. SEO対策とマーケティング視点の有無を確認する
技術力だけでは成果は出ない
美しいサイトを作れても、集客やコンバージョンを理解していない会社では期待した成果が得られません。
確認すべき知識・経験
- テクニカルSEOの理解度
- Google Analytics、Search Console活用経験
- コンバージョン最適化の実績
- A/Bテスト実施経験
よくある失敗と対策
失敗例:デザイン重視でサイトを制作したが、検索エンジンで全く上位表示されない。
対策:制作段階から構造化データやページ速度最適化を実装し、公開3ヶ月で主要キーワードで10位以内を達成。
7. レスポンシブデザインとユーザビリティへの理解度
モバイルファーストは当たり前の時代
現在、Web閲覧の70%以上がスマートフォンからです。モバイル対応が不十分だと機会損失は計り知れません。
チェックポイント
- モバイルファーストの設計思想
- タッチ操作への配慮
- ページ表示速度への意識
- アクセシビリティ対応
8. セキュリティ対策への取り組み姿勢
サイバー攻撃は他人事ではない
中小企業でも年間数千件のサイバー攻撃を受けています。
確認すべき対策内容
- SSL証明書の種類と設定方法
- WAF(Web Application Firewall)の導入
- 定期的なセキュリティ監査
- 脆弱性情報への対応体制
// セキュリティ対策の実装例(Laravel)
// CSRFトークンによる攻撃防止
@csrf
<form method="POST" action="/contact">
@csrf
<input type="text" name="name" required>
<button type="submit">送信</button>
</form>
9. 納期遵守とスケジュール管理能力
遅延が事業に与えるインパクト
新商品発表に合わせたサイト公開が遅れると、ビジネス機会を逸失する可能性があります。
スケジュール管理のチェックポイント
- 過去プロジェクトの遅延率
- リスク管理体制
- バッファ期間の設定方法
- 遅延時の対応策
10. 契約条件と知的財産権の取り扱い
後々のトラブルを避けるために
制作物の著作権や、契約終了時の対応について事前に確認しておきましょう。
重要な確認項目
- 制作物の著作権帰属
- ソースコードの提供可否
- 契約終了時のデータ移行
- 競業避止条項の有無
まとめ:失敗しないWeb制作会社選びのために
これらのチェックポイントを確認することで、「依頼してよかった」と思えるWeb制作が実現できます。
今すぐ始められるアクション
- 候補となる制作会社を3〜5社リストアップ
- 上記のチェックポイントを質問リストとして整理
- 各社に同じ質問をして回答を比較検討
重要なのは、価格だけでなく総合的な価値で判断することです。安さを重視しすぎると、結果的に高いコストを払うことになりかねません。
迷った時はプロに相談を
Web制作は専門的な分野です。これらのチェックポイントを確認しても判断に迷う場合は、経験豊富な制作会社に相談することをお勧めします。
私たちFivenine Designでは、20年以上の経験をもとに、お客様のビジネス目標達成に向けた最適な提案を心がけています。ご相談だけでも結構ですので、お気軽にお声がけください。