Web制作の発注で「想定外の追加費用」を防ぐために、見積もり段階で確認すべき項目をチェックリスト形式で解説。実際のトラブル事例と対策方法をご紹介。
こんな悩みありませんか?
「初期見積もりでは100万円だったのに、気がつけば150万円になっていた...」 「追加費用が発生する理由がよく分からない」 「次回は絶対に予算オーバーを防ぎたい」
Web制作の発注において、追加費用の発生は最も多いトラブルの一つです。横浜でWeb制作を20年以上手がけてきた私たちFivenine Designでも、初回相談で「前回の制作会社で予算オーバーしてしまって...」というご相談を数多く受けます。
今回は、発注前に確認すべき見積もり項目を具体的なチェックリスト形式でご紹介し、追加費用を防ぐための実践的な方法をお伝えします。
追加費用が発生する3つの典型パターン
パターン1:仕様の認識違い
あるクライアント様では、「お問い合わせフォーム」の項目について、発注者は「名前・メール・内容」の3項目を想定していましたが、制作会社は10項目以上の詳細フォームを想像していました。結果的に、項目追加で15万円の追加費用が発生してしまいました。
パターン2:技術仕様の後出し
「スマホ対応」と記載されていても、実際にはレスポンシブデザインではなく、スマホ専用サイトの別途制作が必要だったケースもあります。この場合、追加で50万円以上の費用が発生することも珍しくありません。
パターン3:運用・保守の範囲不明
「サーバー設置込み」と書かれていても、SSL証明書の更新やWordPressのアップデート作業が含まれていない場合があります。
【完全版】見積もり項目チェックリスト
サイト基本仕様の確認項目
✅ ページ数・構成
- 作成ページ数は具体的に何ページか
- トップページ、下層ページの区別と料金差
- サイトマップの事前確認
- ページ追加時の単価設定
✅ デザイン・UI/UX
- デザインカンプの作成範囲(全ページ or 代表ページのみ)
- 修正回数の上限設定
- 画像素材の調達方法(支給 or 制作会社手配)
- ロゴ制作の有無
技術仕様の確認項目
✅ レスポンシブ対応
- PC、タブレット、スマホすべての対応
- 対応ブラウザの範囲(IE対応の有無など)
- 動作テストの実施範囲
<!-- 実際のレスポンシブ対応例 -->
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<link rel="stylesheet" href="responsive.css">
✅ CMS・更新機能
- WordPress等のCMS導入有無
- 更新可能な箇所の明確化
- 管理画面の操作説明の有無
- プラグインのライセンス費用
機能要件の確認項目
✅ お問い合わせフォーム
- 項目数と項目内容の詳細
- バリデーション機能の範囲
- スパム対策(reCAPTCHA等)の実装
- 自動返信メールの設定
// Laravel でのフォームバリデーション例
public function rules()
{
return [
'name' => 'required|max:255',
'email' => 'required|email',
'message' => 'required|max:1000'
];
}
✅ その他の機能
- SNS連携の範囲
- Google Analytics設定
- SEO対策の具体的な内容
- 多言語対応の有無
サーバー・保守の確認項目
✅ サーバー環境
- サーバー選定・設定の範囲
- ドメイン取得・設定
- SSL証明書の導入と更新
- バックアップ体制
✅ 運用・保守
- 保守契約の内容と期間
- 緊急時の対応範囲
- WordPressアップデート対応
- セキュリティ対策の範囲
実際の成功事例:予算内で理想のサイトを実現
ある製造業のクライアント様では、上記チェックリストを活用して事前に詳細な要件定義を行いました。
課題:前回の制作で予算が1.5倍になってしまった経験 解決策:チェックリストを使った詳細な仕様確認と、段階的な開発 結果:予算内で希望する機能をすべて実装、さらに問い合わせが3倍に増加
特に重要だったのは、Next.jsを使ったサイトの高速化により、Google検索での順位が大幅に向上したことです。
// Next.js の画像最適化例
import Image from 'next/image'
const OptimizedImage = () => {
return (
<Image
src="/hero-image.jpg"
alt="サービス紹介"
width={800}
height={600}
priority
/>
)
}
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1:「一式」表記の罠
見積もりに「コーディング一式:30万円」のような記載がある場合は要注意です。必ず内訳を確認しましょう。
対策:「一式」の項目はすべて詳細な内訳を要求する
失敗パターン2:修正回数の上限なし
「修正は何度でも対応します」という甘い言葉に注意。実際には3回目以降は有料というケースが多々あります。
対策:修正回数と追加料金を契約書に明記する
失敗パターン3:運用後の想定不足
サイト公開後の更新作業や保守について考慮していないケースです。
対策:運用開始後1年間のランニングコストを事前に算出する
制作会社との正しいコミュニケーション方法
要件定義の段階で詳細に詰める
「なんとなく」ではなく、具体的な数値や機能を明確にしましょう。
- 「お問い合わせが増える」→「月間問い合わせ数を現在の10件から30件に増やす」
- 「おしゃれなサイト」→「参考サイト3つを提示し、テイストを具体化」
段階的な確認プロセス
大きな案件ほど、以下の段階に分けて進めることをお勧めします:
- 要件定義書の作成(追加費用なしで修正可能な期間を設定)
- デザインカンプの確認(この段階での大幅変更は追加費用)
- 開発・実装(仕様変更は原則として追加費用)
まとめ:次に取るべきアクション
追加費用を防ぐために、まず以下のステップを実践してください:
- 今回のチェックリストを印刷して、見積もり依頼時に活用
- 3社以上から見積もりを取得し、項目ごとに比較
- 契約前に要件定義書を作成し、双方で合意
- 段階的な支払いを設定し、各段階での確認を徹底
Web制作は「安い」だけでは判断できません。長期的な運用まで考慮した適正な予算設定と、信頼できるパートナー選びが成功の鍵となります。
もしWeb制作でお悩みがございましたら、横浜のFivenine Designまでお気軽にご相談ください。20年以上の実績をもとに、予算内で最大の成果を上げるご提案をいたします。