ビジネス 2025.12.27

制作会社が音信不通になった時の緊急対処法と予防策

約7分で読めます

ホームページ制作会社との連絡が途絶えてしまった時の具体的な対処手順と、今後同じトラブルを避けるための契約時のチェックポイントを実例とともに解説します。

「制作会社と連絡が取れない」その時どうする?

こんな悩みありませんか?

  • ホームページ制作を依頼したのに、途中で制作会社からの連絡が途絶えた
  • 修正依頼をしても返事がない状態が何週間も続いている
  • 納期が過ぎているのに進捗報告すらない
  • メールも電話も繋がらず、このままプロジェクトがどうなるか不安

残念ながら、こうしたトラブルは決して珍しいことではありません。弊社にも「前の制作会社と連絡が取れなくなった」というご相談が年に10件以上寄せられています。

今回は、実際に起こったケースをもとに、制作会社が音信不通になった時の対処法と、今後同じ失敗を避けるための予防策をお伝えします。

まず最初にすべき3つの緊急対応

1. 現状の整理と証拠保全

連絡が取れないとパニックになりがちですが、まずは冷静に現状を整理しましょう。

整理すべき項目

  • 契約書の内容(納期、支払い条件、成果物の範囲)
  • これまでのやり取りの記録(メール、チャット、電話メモ)
  • 支払い済み金額と残額
  • 受け取った成果物(デザイン案、コーディングデータなど)

あるクライアント様の場合、制作会社から途中段階のWordPressファイルを受け取っていたおかげで、他社への引き継ぎがスムーズに進みました。逆に、何も手元にない状態だと一からやり直しになってしまいます。

2. 複数の手段で連絡を試みる

試すべき連絡手段

  • 担当者の個人メールアドレス
  • 会社の代表電話番号
  • 公式ウェブサイトの問い合わせフォーム
  • SNSアカウント(Facebook、Twitter、Instagram)
  • 会社の所在地への書面送付

意外とSNSで連絡が取れるケースもあります。ただし、感情的にならず、事実を淡々と伝えることが重要です。

3. 法的な期限を設けた催促

内容証明郵便を使って、正式な催促を行います。

件名:契約履行に関する催告書

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

弊社は貴社と○年○月○日付けで締結いたしましたホームページ制作契約について、
納期である○月○日を過ぎても成果物の納品がなく、
また○月○日以降ご連絡をいただいておりません。

つきましては、本書面到達後7日以内に契約の履行または
今後の対応方針についてご連絡いただけますよう催告いたします。

期限内にご連絡をいただけない場合は、契約解除を含めた
法的措置を検討させていただく所存です。

敬具

データとドメインの緊急確保

ドメインとサーバーの確認

制作会社がドメインやサーバーを管理している場合、最優先で対応が必要です。

確認手順

# ドメインの所有者情報確認
whois example.com

# DNSサーバーの確認
nslookup example.com

# サーバーの稼働状況確認
ping example.com

ドメインの管理者が制作会社名義になっている場合は、すぐに移管手続きを始める必要があります。

FTPアクセス情報の確保

もしFTPアカウント情報を持っている場合は、すぐにサイトデータをバックアップしましょう。

<?php
// 緊急時のデータベースバックアップスクリプト例
$backup_file = 'backup_' . date('Y-m-d_H-i-s') . '.sql';
$command = "mysqldump -u {$username} -p{$password} {$database} > {$backup_file}";
exec($command);
echo "バックアップ完了: " . $backup_file;
?>

弊社で対応したケースでは、制作会社の倒産直前にクライアント様がデータを確保できたため、新しいサーバーへの移行作業を3日で完了できました。

他社への引き継ぎ時のポイント

技術的な引き継ぎ情報

新しい制作会社を選ぶ際は、以下の情報を整理して相談することで、スムーズな引き継ぎが可能になります。

  • 使用されている技術(WordPress、Laravel、カスタムPHPなど)
  • データベース構造
  • 外部サービスとの連携状況
  • SSL証明書の状況

よくある引き継ぎでの失敗

失敗例:パスワード情報の不備 管理画面のパスワードが分からず、サイトの更新ができない期間が1ヶ月続いたケースがありました。

失敗例:プラグインライセンスの未確認 WordPressサイトで有料プラグインが使われていたが、ライセンス情報が不明で機能停止したケース。

失敗例:カスタムコードの未文書化 特殊なカスタマイズがされていたが、コメントがなく解読に時間がかかったケース。

契約時に確認すべき予防策

契約書に必ず入れるべき条項

1. 成果物の所有権明記

本契約により制作される全ての成果物(ソースコード、画像、
ドキュメント等)の著作権及び所有権は、最終支払い完了と
同時に発注者に帰属するものとする。

2. 定期報告義務

受注者は、プロジェクト期間中、毎週金曜日までに
進捗状況を書面またはメールで報告する義務を負う。

3. データ提供義務

受注者は、発注者の求めに応じて、いつでも制作途中の
データ一式を提供する義務を負う。

支払いスケジュールの工夫

全額前払いは絶対に避け、成果物の納品に応じた段階的な支払いスケジュールにします。

推奨する支払いスケジュール

  • 契約時:30%
  • デザイン確定時:30%
  • サイト完成時:30%
  • 運用開始後1ヶ月:10%

こうすることで、途中で連絡が取れなくなっても損失を最小限に抑えられます。

技術文書の提供を義務化

制作会社には以下の文書提供を義務づけましょう。

  • サイト構成図
  • 使用技術一覧
  • データベース設計書
  • サーバー設定情報
  • 管理者アカウント一覧

信頼できる制作会社の見分け方

チェックすべきポイント

会社の実態確認

  • 事務所の実在確認(Googleストリートビューでも可)
  • 過去3年以上の制作実績
  • クライアントの声や推薦文

技術力の確認

  • 使用技術について具体的な質問をして回答の的確さを見る
  • GitHub等でのオープンソース活動
  • 技術ブログの更新頻度と内容

コミュニケーション能力

  • 返信の速さと内容の丁寧さ
  • 専門用語を分かりやすく説明できるか
  • プロジェクト管理ツールの提案があるか

弊社の場合、20年以上横浜で地域密着型の運営を続けており、クライアント様とは長期的なパートナーシップを重視しています。そのため、プロジェクト管理にはSlackとTrelloを使用し、週次での進捗報告を必ず行っています。

まとめ:まず何をすべきか

もし今まさに制作会社との連絡が取れない状況でしたら、以下の順番で対応してください。

  1. 今日中に:現状整理と証拠保全
  2. 3日以内に:複数手段での連絡試行
  3. 1週間以内に:内容証明郵便での正式催告
  4. 2週間以内に:ドメイン・サーバーの確保
  5. 1ヶ月以内に:新しい制作会社への引き継ぎ開始

一人で抱え込まず、専門家に相談することも重要です。弊社でも「制作会社とのトラブル相談」を無料で承っており、技術的な調査から他社との引き継ぎまでサポートしています。

**20年の実績で培った経験をもとに、お客様のWebサイトを確実にお守りします。**まずは現在の状況をお聞かせください。一緒に最適な解決策を見つけましょう。

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