Web制作で「予算を大幅に超えた」「思っていたものと違う」というトラブルを避けるため、契約前に確認すべき重要なポイントを実案件の経験をもとに解説します。
こんな悩みありませんか?
「Web制作を依頼したら、最初の見積もりから倍以上の費用がかかった」 「完成したサイトが思っていたものと全然違う」 「追加費用の理由が分からない」
このようなWeb制作の費用トラブルは、実は契約前の確認不足が原因のほとんどです。当社では20年以上のWeb制作実績の中で、多くのトラブル事例を見てきました。
今回は、実際の案件で起こった問題を踏まえ、契約前に必ず確認すべき10項目をご紹介します。これらを確認することで、予想外の追加費用を防ぎ、安心してWeb制作を進められるようになります。
1. 見積もりに含まれる作業範囲の詳細
よくあるトラブル事例
あるクライアント様から「コーポレートサイト制作 50万円」という見積もりで依頼されましたが、打ち合わせを進めると「会員登録機能も欲しい」「決済機能も必要」という要望が出てきました。
確認すべきポイント
- ページ数は何ページまで含まれるか
- どのような機能が含まれるか(問い合わせフォーム、ブログ機能、会員機能など)
- レスポンシブ対応の範囲(PC・タブレット・スマートフォン)
見積もり例:
基本制作費:
- トップページ: 1ページ
- 会社概要: 1ページ
- サービス紹介: 3ページ
- お問い合わせフォーム: 1ページ
合計: 6ページ
追加ページ: 1ページあたり3万円
2. 修正回数と追加費用の条件
実際の失敗例
「修正は何度でも対応します」と言われて契約したものの、3回目以降は1回あたり2万円の修正費用を請求されたケースがありました。
確認項目
- 無料修正回数は何回まで
- どの範囲までが修正で、どこからが追加作業になるか
- 修正期限はあるか
当社では、通常3回までの修正を無料とし、4回目以降は1回5,000円〜としています。また、大幅な仕様変更は追加作業として別途お見積もりいたします。
3. サーバー・ドメイン費用の負担
意外と見落としがちなポイント
Web制作費に含まれていると思っていたら、サーバー代(年間1万円〜)とドメイン代(年間1,000円〜)が別途必要だった、というケースは非常に多いです。
確認すべき内容
- サーバー・ドメインの取得代行費用
- 年間維持費の負担者
- サーバー管理者権限の所在
4. 納期遅延時の対応
トラブル事例
「1ヶ月で完成」の約束が3ヶ月かかり、その間にビジネスチャンスを逃したクライアント様がいらっしゃいました。
確認項目
- 各工程の詳細スケジュール
- 遅延時のペナルティや補償
- クライアント側の確認期間も含めたスケジュール
スケジュール例:
- 要件定義・設計: 1週間
- デザイン制作: 2週間
- コーディング: 2週間
- テスト・修正: 1週間
- 納品: 6週間後
5. CMS(WordPress等)のカスタマイズ範囲
実案件での経験
WordPressサイトで「管理画面をカスタマイズしたい」「独自の入力項目を追加したい」という要望が後から出て、大幅な追加費用が発生した事例があります。
確認ポイント
- 標準機能の範囲
- カスタム投稿タイプの作成費用
- プラグイン導入・設定費用
- 管理画面のカスタマイズ費用
6. SEO対策の内容と範囲
よくある誤解
「SEO対策込み」と言われたのに、実際は基本的なタグ設定のみで、コンテンツ制作や継続的な施策は含まれていなかった、というケースです。
詳細確認項目
- 内部SEO対策の具体的内容
- キーワード選定作業の有無
- Googleアナリティクス設定の範囲
- 継続的なSEOサポートの有無
7. 画像・テキストの準備責任
トラブル例
クライアント様が「画像もテキストも全部お任せ」と思っていたら、素材準備は別途費用がかかることが後から判明したケースです。
確認事項
- テキスト原稿の作成者
- 写真撮影の必要性と費用
- ストックフォト購入費用の負担
- 既存素材の修正・加工費用
8. ブラウザ・デバイス対応範囲
実際のトラブル
「スマートフォンで見ると崩れている」と指摘されたものの、対応ブラウザの範囲が契約書に明記されておらず、追加費用が発生した事例です。
明確にすべき範囲
- 対応ブラウザの種類とバージョン
- 対応デバイスサイズ
- 古いブラウザ対応の追加費用
/* 対応例 */
対応ブラウザ:
- Chrome: 最新版から2バージョン前まで
- Safari: 最新版から2バージョン前まで
- Firefox: 最新版から2バージョン前まで
- Edge: 最新版から2バージョン前まで
※IE11対応は別途費用
9. 第三者システム連携の追加費用
複雑になりがちなポイント
Googleマップ埋め込み、SNS連携、決済システム連携など、外部サービスとの連携は予想以上に工数がかかることがあります。
事前確認項目
- 各種API連携費用
- 外部サービスの月額費用負担
- 連携に必要な設定作業費用
- 将来のAPI仕様変更時の対応費用
10. 納品後のサポート・保守範囲
よくある認識の相違
「納品後も何かあったらサポートしてもらえる」と思っていたら、1ヶ月後からは有料サポートになったケースです。
明確にすべき内容
- 無料サポート期間
- サポート対象範囲(バグ修正、操作方法説明、コンテンツ更新など)
- 緊急時の対応時間
- 継続保守の月額費用
失敗を防ぐための3つの重要なポイント
1. 契約書の詳細確認
口約束ではなく、すべて書面で確認しましょう。曖昧な表現がある場合は、必ず具体的な説明を求めてください。
2. 複数社での相見積もり
同じ要件で複数社から見積もりを取ることで、相場感と含まれる作業範囲の違いが明確になります。
3. 段階的な契約検討
すべてを一度に発注するのではなく、設計→デザイン→開発と段階的に進めることで、リスクを抑えられます。
まずは何から始めるべきか
- 現在検討中の制作会社に上記10項目を質問
- 回答が曖昧な項目があれば詳細説明を依頼
- 複数社での比較検討
Web制作は金額だけでなく、透明性の高い制作会社を選ぶことが成功の鍵です。
当社では、これらの項目をすべて事前に明確化し、追加費用が発生する場合は必ず事前にご相談しております。Web制作でご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。20年以上の実績を活かし、安心してプロジェクトを進められるようサポートいたします。