年度替わりでWeb担当者が変更になる際、引き継ぎ不足によるサイト停止やセキュリティリスクを防ぐ運用マニュアル作成のポイントを実践的に解説します。
こんな悩みありませんか?
4月の人事異動や年度替わりで、Webサイトの管理者が突然変更になることはよくあります。そんな時、こんな不安を抱えていませんか?
- 前任者がいなくなってからパスワードがわからなくなった
- WordPressの更新方法がわからず、セキュリティリスクが心配
- サイトに不具合が起きても対処法がわからない
- 制作会社との契約内容や連絡先が不明
神奈川でWeb制作を20年以上手がけてきた私たちFivenine Designでも、毎年この時期になると「前任者から何も引き継がれていない」という緊急のご相談を多数いただきます。
実際に、あるクライアント様では引き継ぎ不足により、サイトが3日間停止してしまい、機会損失が発生した事例もありました。
引き継ぎ失敗で起こる3つのリスク
1. サイト停止による機会損失
サーバーの契約更新を忘れたり、ドメインの期限切れに気づかずサイトが表示されなくなるケースです。特にBtoB企業では、新規顧客からの問い合わせを逃してしまう可能性があります。
2. セキュリティ脆弱性の放置
WordPressやプラグインの更新を怠ることで、ハッキングのリスクが高まります。実際に、更新を半年間放置していたサイトが改ざんされ、顧客情報漏洩につながった事例もあります。
3. 緊急時の対応遅れ
制作会社の連絡先やサーバー管理会社の情報がわからず、トラブル発生時に迅速な対応ができなくなります。
実案件から学ぶ:成功する運用マニュアル作成術
ステップ1:アカウント情報の整理と共有
まず最初に行うべきは、すべてのアカウント情報の棚卸しです。
以下の情報を表形式で整理しましょう:
サービス名 | URL | ユーザー名 | パスワード | 備考
----------------------------------------
WordPress管理画面 | https://example.com/wp-admin | admin_user | ******** | 月1回更新チェック
サーバー管理画面 | https://server.example.com | server_user | ******** | 契約更新:毎年3月
ドメイン管理 | https://domain.example.com | domain_user | ******** | 契約更新:毎年5月
Googleアナリティクス | https://analytics.google.com | [email protected] | ******** | 月次レポート確認
あるクライアント様では、この情報整理により「知らないうちに契約していたサービス」が3つも見つかり、年間12万円のコスト削減につながりました。
ステップ2:定期作業のスケジュール化
Webサイト運用には定期的に行うべき作業があります。これを明確にすることで、管理者が変わっても継続的な運用が可能になります。
月次作業チェックリスト例:
- WordPressコア・プラグインの更新確認
- バックアップの取得・確認
- Googleアナリティクスのデータ確認
- 問い合わせフォームの動作確認
- SSL証明書の有効期限確認
年次作業チェックリスト例:
- サーバー契約の更新
- ドメイン契約の更新
- セキュリティ監査の実施
ステップ3:緊急時対応フローの作成
サイトトラブル発生時の対応手順を明文化します。
## 緊急時対応フロー
### サイトが表示されない場合
1. 他のサイトは正常に閲覧できるか確認
2. スマートフォンからもアクセスして確認
3. 制作会社(Fivenine Design)に連絡:045-XXX-XXXX
4. サーバー管理会社に連絡:XXX-XXX-XXXX
### WordPressにログインできない場合
1. パスワードリセットを試行
2. 制作会社に連絡してアカウント確認
3. 必要に応じてFTP経由での復旧作業
ステップ4:よくある失敗とその対策
20年の経験で見えてきた、引き継ぎでよくある失敗パターンをご紹介します:
失敗パターン1:パスワードの個人管理
前任者のメモ帳にパスワードが書かれていて、退職後にアクセスできなくなるケースです。
対策: チーム共有のパスワード管理ツール(LastPass、1Passwordなど)を導入し、組織アカウントで管理する。
失敗パターン2:制作会社との契約内容の不明確化
「どこまでサポートしてもらえるのか」が曖昧で、緊急時に対応を断られるケースです。
対策: 保守契約の内容を明文化し、対応範囲・料金体系を明確にする。
失敗パターン3:更新作業の属人化
特定の人しか更新方法を知らず、その人が不在の時に更新できなくなるケースです。
対策: 更新作業の手順書を作成し、複数人で共有する。
WordPressサイトの引き継ぎで特に注意すべきポイント
プラグインの管理
使用しているプラグインの一覧と、それぞれの役割を明記しましょう:
プラグイン名 | 役割 | 更新頻度 | 注意事項
----------------------------------------
Yoast SEO | SEO対策 | 月1回 | 設定変更時は制作会社に相談
Contact Form 7 | 問い合わせフォーム | 随時 | 更新後は動作確認必須
BackWPup | バックアップ | 週1回 | エラー時はメール通知あり
テーマのカスタマイズ情報
カスタムテーマやchild themeを使用している場合、更新時の注意点を記載します。
Laravel・Next.jsサイトの引き継ぎポイント
開発フレームワークを使用したサイトでは、より技術的な情報の引き継ぎが重要です:
環境情報の整理
# 本番環境
PHP: 8.1
Laravel: 9.x
Node.js: 18.x
# 開発環境セットアップ
git clone [リポジトリURL]
composer install
npm install
cp .env.example .env
デプロイ手順の明文化
コード更新時の手順を明記し、属人化を防ぎます。
まず何から始めるべきか
今日からできる3つのアクション:
- 現在のアカウント情報をすべて洗い出す(所要時間:2時間)
- 制作会社・サーバー会社との契約内容を確認する(所要時間:1時間)
- 月次・年次の作業スケジュールを作成する(所要時間:1時間)
特に、4月の人事異動までに時間がない場合は、最低限アカウント情報の共有だけでも行っておくことをお勧めします。
まとめ
Webサイトの引き継ぎは、単なる「パスワードの共有」では不十分です。運用の全体像を把握し、体系的なマニュアルを作成することで、管理者が変わってもサイトの安定運用が継続できます。
神奈川のFivenine Designでは、引き継ぎマニュアルの作成から運用サポートまで、20年以上の経験をもとに包括的にサポートしています。引き継ぎでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。