Web制作会社との連絡が取れなくなった時の緊急対応から、契約時に確認すべきポイントまで、20年の実績を持つ制作会社が解説します。
突然の音信不通で困っていませんか?
「Web制作を依頼した会社から返事が来ない」「サイトに不具合があるのに連絡が取れない」「メールも電話も通じなくなった」
このような状況に陥ると、ビジネスに深刻な影響を与えます。当社Fivenine Designには、他社で制作されたサイトのメンテナンスに困られた企業様から、年間100件を超えるご相談をいただいています。
音信不通になる制作会社は決して珍しくありません。特に個人事業主や小規模な会社では、病気や廃業により突然連絡が取れなくなるケースが増加しています。しかし、適切な知識と準備があれば、このような状況を回避し、万が一の際も迅速に対応できます。
今回は、Web制作会社が音信不通になった際の緊急対応と、そのような事態を未然に防ぐ予防策について詳しく解説します。
なぜWeb制作会社は音信不通になるのか?
主な原因と背景
音信不通になる理由は様々ですが、当社の経験から主な原因を分析すると以下のパターンが見えてきます。
1. 事業継続の困難
- 経営難による突然の廃業(40%)
- 代表者の病気や事故(25%)
- 人手不足による業務停止(20%)
- 他業種への転業(15%)
2. 体制の問題
- 一人体制での限界
- 引き継ぎ体制の未整備
- 緊急時の連絡体制不備
実際に当社が対応した事例では、ある製造業のお客様が依頼していた個人事業主のWeb制作者が突然入院し、3ヶ月間連絡が取れなくなりました。その間、サイトの重要なセキュリティアップデートができず、最終的に不正アクセスの被害を受けるという深刻な事態に発展しました。
緊急時の具体的な対応手順
ステップ1: 状況の確認と情報収集
まず冷静に現状を把握することが重要です。以下の情報を整理してください。
確認すべき項目
- 最後の連絡日時
- 契約書や提案書の内容
- サーバー・ドメインの管理者情報
- FTPアカウントやCMS管理画面の情報
- 支払い状況
情報収集の方法
1. 会社のWebサイトを確認
2. SNSアカウントの最終更新日をチェック
3. 法人であれば登記情報を確認
4. 同業者への問い合わせ
5. 商工会議所等への確認
ステップ2: サーバー・ドメイン管理権の確保
Webサイトの運営継続において最も重要なのは、サーバーとドメインの管理権を確保することです。
ドメイン管理の確認方法
Whoisデータベースで現在の登録者情報を確認できます。多くの場合、以下のサイトで調査可能です:
- JPRS(.jpドメイン)
- Whois.net(その他のドメイン)
もしドメインが制作会社名義になっている場合は、速やかに名義変更の手続きが必要です。ただし、制作会社と連絡が取れない状況では、この手続きは非常に困難になります。
サーバー管理の対応
制作会社がサーバーも管理していた場合、以下の対応を検討してください:
-
レンタルサーバー会社への直接連絡
- 契約者変更の可能性を相談
- 必要書類の確認
-
データの緊急バックアップ
- FTPアクセスが可能な場合は即座にバックアップ
- データベースのエクスポート
-
新サーバーへの移転準備
- 代替サーバーの準備
- DNSの切り替え準備
ステップ3: 専門業者への依頼
技術的な対応が困難な場合は、速やかに専門業者に相談することをお勧めします。当社では、このような緊急事態に24時間以内の初期対応を行っています。
専門業者ができること
- サイトの緊急復旧
- データの救出と移転
- セキュリティ状況の確認
- 法的手続きのサポート
実際の対応事例として、ある小売業のクライアント様では、制作会社の突然の廃業により、ECサイトが停止する危機に直面しました。しかし、事前にバックアップ体制を整えていたため、当社が3日以内にサイトを復旧し、売上の損失を最小限に抑えることができました。
二度と困らない予防策
契約時に必須の確認事項
音信不通のリスクを最小限に抑えるには、契約段階での対策が不可欠です。
| 確認項目 | 重要度 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 会社の法人登記 | ★★★ | 登記簿謄本の確認 |
| 実績・運営年数 | ★★★ | 過去3年の実績確認 |
| 緊急時連絡体制 | ★★★ | 複数連絡先の取得 |
| データ管理方針 | ★★★ | バックアップ体制の確認 |
| 契約継続保証 | ★★ | 代替体制の有無 |
管理体制の構築
1. 権限の分散管理
すべての管理権限を制作会社に集中させることは避けるべきです。以下の分散管理を推奨します:
- ドメイン管理: 自社で直接契約
- サーバー管理: 制作会社と共同管理
- CMS管理: 管理者権限を複数設定
2. 定期的なバックアップ体制
自動バックアップシステムの導入により、データ消失のリスクを大幅に軽減できます。WordPress サイトの場合、以下のようなバックアッププラグインの設定例があります:
// 自動バックアップの設定例(functions.php)
function schedule_auto_backup() {
if (!wp_next_scheduled('auto_backup_hook')) {
wp_schedule_event(time(), 'daily', 'auto_backup_hook');
}
}
add_action('wp', 'schedule_auto_backup');
function perform_auto_backup() {
// データベースのバックアップ
$backup_file = 'backup_' . date('Y-m-d_H-i-s') . '.sql';
// ファイルのバックアップ処理
// 外部ストレージへの保存
}
add_action('auto_backup_hook', 'perform_auto_backup');
3. 複数業者との関係構築
一つの制作会社に依存することなく、以下のような体制を構築することを推奨します:
flowchart TD
A[自社] --> B[メイン制作会社]
A --> C[サブ制作会社]
A --> D[保守専門業者]
B --> E[緊急時連携]
C --> E
D --> E契約書の重要条項
音信不通リスクを回避するために、契約書に以下の条項を必ず含めてください:
1. 緊急時対応条項
- 48時間以内の連絡義務
- 代替連絡先の提供
- 緊急時の代理業者指定権
2. データ・権利関係条項
- ソースコードの提供義務
- 管理権限の移譲手続き
- バックアップデータの定期提供
3. 契約終了時条項
- データの完全移行義務
- パスワード・アカウント情報の提供
- 移行作業の無償実施
よくある失敗パターンと対処法
失敗パターン1: 「安さ」だけで制作会社を選ぶ
よくある状況 格安を売りにする個人事業主や小規模業者に依頼し、その後連絡が取れなくなるケース。特に相場より50%以上安い場合は要注意です。
対処法
- 適正価格の範囲内で検討する
- 安さの理由を必ず確認する
- 過去の継続率を確認する
実際に当社が対応した事例では、相場の3分の1の価格で制作を請け負った業者が、プロジェクト途中で連絡不能になり、結果的に一から作り直すことになったケースがありました。最終的な総コストは、適正価格の2倍以上になってしまいました。
失敗パターン2: 技術的な依存度が高すぎる
よくある状況 独自システムやカスタマイズが多すぎて、他の業者では対応困難になるケース。
対処法
- 標準的な技術での開発を依頼
- ドキュメント化の徹底
- ソースコードの定期的な受け取り
失敗パターン3: 契約内容が曖昧
よくある状況 口約束や簡単な契約書のみで、緊急時の対応が定められていないケース。
対処法
- 詳細な契約書の作成
- SLA(サービスレベル合意)の設定
- 定期的な契約内容の見直し
まとめと次のステップ
Web制作会社の音信不通は、適切な予防策を講じることで大幅にリスクを軽減できます。重要なのは、問題が発生してから対応するのではなく、契約段階から継続的なリスク管理を行うことです。
今すぐ実行すべき対策
-
現在の契約状況の確認
- ドメイン・サーバーの名義確認
- 管理画面アクセス権の確認
- 最新バックアップの取得日確認
-
制作会社との関係性見直し
- 緊急時連絡先の再確認
- SLA(サービスレベル合意)の設定
- 代替業者の選定
-
内部体制の整備
- Web担当者の複数化
- 基本的なトラブル対応マニュアルの作成
- 年次での契約見直しスケジュールの設定
効果的な予防策の導入による改善効果
もし現在、制作会社との連絡に不安を感じている、または実際に音信不通の状況に直面している場合は、一人で悩まずに専門業者にご相談ください。Fivenine Designでは、20年以上の実績をもとに、緊急時の復旧から長期的な運営体制の構築まで、総合的なサポートを提供しています。
適切な準備と体制があれば、Web制作会社の音信不通というリスクは十分に管理可能です。今回ご紹介した対策を参考に、安心してWebサイトを運営できる環境を構築していただければと思います。