AI・機械学習 2026.01.12

ChatGPTに入力していいデータ・ダメなデータ - AI時代の情報管理ガイド

約13分で読めます

ChatGPTを安全に活用するために、入力してよいデータとNGなデータの具体例を紹介。個人情報・機密情報の判断基準と、AIを安全に使う3つのルールを解説します。

「これって入力して大丈夫?」ChatGPT活用時の悩み

こんな悩みはありませんか?

  • ChatGPTで業務効率化したいけど、どんなデータを入力していいか分からない
  • 個人情報や機密情報の境界線が曖昧で、つい慎重になりすぎる
  • 社内でChatGPTを使いたいが、セキュリティ面でのルールが明確でない
  • 「何でもAIに聞けばいい」と思っているスタッフの管理に困っている

AI時代の到来とともに、ChatGPTのようなAIツールの活用が急速に広がっています。しかし、便利さの裏側には「情報漏洩」や「機密データの流出」といった重大なリスクが潜んでいるのが現実です。

私たちFivenine Designでも、Web制作の現場でChatGPTを活用し始めた際、クライアントからこうした相談を多数いただきました。「効率化したいけれど、安全性が心配」という声は、多くの企業が抱える共通の課題なのです。

なぜChatGPTへのデータ入力が問題になるのか

AIサービスの仕組みを理解する

ChatGPTをはじめとするAIサービスでは、入力されたデータが以下のような流れで処理されます:

flowchart TD
    A[ユーザーが質問入力] --> B[OpenAIのサーバーに送信]
    B --> C[AIモデルが回答を生成]
    C --> D[学習データとして蓄積される可能性]
    D --> E[他のユーザーの回答に影響]

重要なのは、入力したデータが単に「回答を得るため」だけでなく、AIの学習や改善のために使用される可能性があるという点です。つまり、あなたが入力した機密情報が、将来的に他のユーザーの質問への回答に反映されるリスクがあるのです。

実際に起きた情報漏洩事例

ある製造業のクライアント様では、開発部門のエンジニアが新製品の仕様書をChatGPTに入力し、「この仕様で問題点はないか」と質問していました。幸い大きな問題には至りませんでしたが、後に社内監査で発覚し、情報管理体制の見直しが必要になりました。

こうした事例から、「便利だから」という理由だけでAIに依存することの危険性が浮き彫りになっています。

入力してはいけないNGデータの具体例

1. 個人情報

絶対にNGなデータ:

  • 氏名、住所、電話番号、メールアドレス
  • マイナンバー、免許証番号
  • クレジットカード番号、銀行口座情報
  • 顧客リスト、従業員名簿

よくある間違い例:

❌ NG例:
「田中太郎([email protected])からクレームが来ました。
住所は東京都渋谷区〇〇で、電話番号は090-xxxx-xxxxです。
どう対応すべきでしょうか?」

✅ OK例:
「顧客からクレームが来ました。内容は商品の品質についてで、
交換を希望されています。どう対応すべきでしょうか?」

2. 機密情報・知的財産

絶対にNGなデータ:

  • 未発表の新商品・サービス情報
  • 財務データ、売上情報
  • 契約書の内容、取引先情報
  • 独自の技術仕様、ソースコード
  • 社内の組織図、人事情報

実例: あるIT企業では、プログラマーが開発中のソースコードをChatGPTに貼り付け、「このコードのバグを見つけて」と質問していました。このコードには同社独自のアルゴリズムが含まれており、競合他社に知られれば大きな損失となる可能性がありました。

3. 法的に保護されるべき情報

  • 医療情報(診断結果、カルテ情報)
  • 法律相談の内容
  • 裁判関連書類
  • 行政から得た非公開情報

入力してもOKなデータの具体例

1. 一般的な質問・相談

安全に入力できるデータ:

  • 一般的なビジネスマナーの質問
  • 公知の技術情報に関する質問
  • 学習・研修目的の一般的な内容
  • 既に公開されている情報の要約依頼

具体例:

✅ OK例:
「Web制作の見積もり書を作成する際の
一般的な項目と注意点を教えてください」

「HTMLとCSSの基本的な違いについて
初心者向けに説明してください」

「プロジェクト管理でよく使われる手法を
比較して教えてください」

2. 公開情報の加工・要約

  • ニュース記事の要約
  • 公開されている技術ドキュメントの解説
  • 一般的な業界動向の分析
  • Wikipedia等の公開情報を元にした質問

3. 創作・アイデア出し

  • キャッチコピーのアイデア(具体的な商品名を伏せて)
  • 一般的なコンテンツ企画
  • デザインのインスピレーション
  • 汎用的な文章の校正・添削
判断項目NG例OK例
顧客対応具体的な顧客名・連絡先匿名化された相談内容
技術相談独自開発のソースコード一般的な技術の質問
文書作成実際の契約書の内容汎用的な文書テンプレート

AIを安全に使う3つの黄金ルール

ルール1: 固有名詞は必ず消す

Before(危険): 「株式会社〇〇との契約で、田中部長が提案した新システムについて...」

After(安全): 「取引先企業との契約で、先方の担当者が提案したシステムについて...」

実践のコツ:

  • 人名 → 「担当者」「責任者」「A氏」
  • 会社名 → 「取引先」「クライアント」「競合他社」
  • 商品名 → 「新商品」「サービス」「プロダクト」

ルール2: 会社のルールを事前に確認

多くの企業では、AI利用に関するガイドラインが整備され始めています。まずは社内ルールの確認から始めましょう。

チェックすべき項目:

  • AI利用に関する社内規定の有無
  • 情報セキュリティポリシーでの位置づけ
  • 部門ごとの利用制限
  • 承認プロセスの要否

あるクライアント企業では、「AIツール利用申請書」を導入し、利用目的と入力予定データを事前申告するシステムを構築。結果として、情報漏洩リスクを大幅に軽減できました。

ルール3: 迷ったら入れない

判断基準の例:

flowchart TD
    A[データ入力を検討] --> B{公開されている情報か?}
    B -->|Yes| C{個人や企業を特定できるか?}
    B -->|No| D[入力NG]
    C -->|Yes| D
    C -->|No| E{競合優位性に関わるか?}
    E -->|Yes| D
    E -->|No| F[入力OK]

迷いやすいケースの判断例:

自社の戦略が推測される可能性があるため、入力は避けましょう。代わりに、業界全体の一般論として質問を再構成することをお勧めします。
ニュース内容の要約や一般的な影響分析は問題ありませんが、「自社への具体的な影響」については社内で検討しましょう。
既に公開済みの情報であれば基本的に問題ありませんが、その情報から将来の戦略が推測される可能性がある場合は注意が必要です。

よくある失敗パターンと対処法

パターン1: 「匿名化したから大丈夫」の落とし穴

失敗例: 「A社(従業員200名、東京都港区、IT業界)の営業部長B氏から...」

問題点: 匿名化したつもりでも、業界・規模・所在地などの組み合わせで企業が特定される可能性があります。

対処法:

  • 業界、規模、所在地などの詳細情報も一般化する
  • 「中規模IT企業」「関東圏の取引先」程度に留める

パターン2: 段階的な情報漏洩

失敗例: 複数回に分けて関連する質問を投げ、結果として全体像が見えてしまうパターン。

1回目:「新サービスの価格設定について」 2回目:「同業他社との競合分析」 3回目:「マーケティング戦略の見直し」

対処法:

  • 関連する質問は一定期間を空ける
  • 異なるアカウントや方法で質問しない
  • 質問内容を記録し、情報の組み合わせをチェック

パターン3: 「社内限定」の認識違い

失敗例: 「社内向け資料だから機密度は低い」と判断し、組織図や人事情報を入力。

対処法:

  • 「社内限定」も立派な機密情報と認識
  • 公開基準は「外部に知られても問題ない情報か」で判断
情報の機密度判断85%
匿名化スキル70%
リスク認識90%

実践的なデータ入力前チェックシート

質問を投げる前に、以下の項目をチェックしましょう:

安全なAI活用で得られる具体的なメリット

適切なルールに従ってAIを活用することで、多くの企業が以下のような成果を実現しています:

0%
業務効率化
0%
文書作成時間短縮
0%
アイデア創出向上

あるクライアント企業では、適切なガイドラインを設定した結果:

  • 提案書作成時間が50%短縮:テンプレートやアイデア出しにAIを活用
  • 新人研修の質が向上:一般的な質問にAIで回答し、講師は専門的な指導に集中
  • マーケティング施策のアイデアが倍増:安全な範囲でのブレインストーミングを実現

無料AI相談

AIで気軽にWeb相談してみませんか?

詳しく見る

まとめと次のステップ

ChatGPTをはじめとするAIツールは、適切に使えば業務効率化の強力な武器になります。しかし、「便利さ」と「安全性」のバランスを取ることが何より重要です。

今すぐできる3つのアクション:

  1. 社内ガイドラインの確認・策定 既存のセキュリティポリシーを見直し、AI利用に関するルールを明文化する

  2. スタッフ向けの研修実施 「何がNGで何がOKか」の判断基準を共有し、実例を使った研修を行う

  3. 段階的な導入とモニタリング まずは限定的な用途から始め、効果と安全性を確認しながら拡大する

私たちFivenine Designでは、20年以上のWeb制作実績をもとに、AI時代の情報管理についてもサポートしています。「社内でのAI活用ルールを整備したい」「安全にデジタル化を進めたい」といったご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

AI技術は日々進歩していますが、基本的な情報管理の考え方は変わりません。今回ご紹介した3つのルールを守ることで、安全かつ効果的にAIを活用し、ビジネスの成長につなげていきましょう。

この記事をシェア

この記事の内容でお困りですか?

無料でご相談いただけます

Webサイトの改善、システム開発、AI導入など、 お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

無料相談してみる
AIに無料相談