AI・機械学習 2026.08.17

AIに「このサービスは何ですか?」と正確に答えさせるサイトの作り方

約16分で読めます

ChatGPTやPerplexityにサービスを聞かれたとき、AIが正確に答えられるサイトをどう作るか。構造化データとAI最適化の実践手法を解説します。

「AIに間違って紹介されている」という新しい悩み

こんな悩みはありませんか?

「自社のサービスについてChatGPTに聞いたら、競合他社の説明が出てきた」「Perplexityで社名を検索すると、古い情報や誤ったサービス内容が表示される」「AIに会社名を入れても、何をしている会社かまったく伝わっていない」。

SEOを丁寧に対策してきたのに、AIが台頭したことで「検索結果を経由しない情報収集」が一気に普及しました。ユーザーがGoogleを開かずにAIアシスタントへ直接質問するようになった今、AIが自社のサービスを正確に理解・回答できるか否かが、問い合わせ数に直結する時代が来ています。

この記事では、ChatGPTやPerplexity、Geminiといった主要AIが「御社のサービスを正確に説明できる」サイトを構築するための実践的な手順を解説します。構造化データの実装から、AIに読まれるコンテンツの設計まで、Web担当者が今日から手を動かせる内容に絞りました。


なぜAIは自社サービスを間違えるのか

AIが誤情報を返す原因は、大きく2つに分けられます。

原因1:機械が「読める」形式でデータが提供されていない

AIは、Webページをクローリングして情報を取得しますが、その際に参照するのはテキストの意味的な構造です。デザインとしては整っていても、HTMLのマークアップが機械可読でなければ、AIはページの内容を正しく解釈できません。

例えば「月額980円のプロジェクト管理ツール」というサービスがあったとして、その情報がCSSで装飾されたデザイン用のdivタグの中にしか存在しない場合、AIはそれが価格なのかキャッチコピーなのか判断できません。

原因2:AIの学習データに含まれる情報が古い・断片的

GPT-4などのモデルは、特定の学習カットオフ日以降の情報を持っていません。しかし、PerplexityやBingのCopilotのようにリアルタイム検索と組み合わせたAIは、現在のWebページを参照して回答を生成します。このとき、structured data(構造化データ)が正しく実装されていれば、AIは「このページで何が主張されているか」をより確実に把握できます。

つまり問題の根本は「AIのせい」ではなく、サイト側がAIに読まれる準備をしていないことにあります。


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具体的な実装手順:AIに「読まれる」サイトの作り方

ステップ1:JSON-LDで構造化データを実装する

AI最適化の第一歩は、JSON-LD形式の構造化データ(Schema.org) をページに埋め込むことです。これはGoogleがリッチリザルトのために推奨しているフォーマットと同じですが、AIクローラーにとっても非常に重要な情報源となっています。

まずは会社情報の基本となる Organization スキーマから実装しましょう。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "株式会社〇〇",
  "url": "https://example.com",
  "logo": "https://example.com/logo.png",
  "description": "神奈川県を拠点に、中小企業向けのWebマーケティング支援を提供。月額制のSNS運用代行と広告運用が主力サービスです。",
  "address": {
    "@type": "PostalAddress",
    "addressLocality": "横浜市",
    "addressRegion": "神奈川県",
    "addressCountry": "JP"
  },
  "contactPoint": {
    "@type": "ContactPoint",
    "telephone": "045-xxx-xxxx",
    "contactType": "customer service",
    "availableLanguage": "Japanese"
  }
}
</script>

ここで重要なのは description フィールドです。「何をしている会社か」「誰向けか」「主力サービスは何か」 を80〜150文字で端的に書いてください。AIはこのフィールドをサービス説明の拠り所として使います。

ステップ2:サービスページに Service スキーマを追加する

個々のサービスページには、Service または Product スキーマを追加します。特に料金が明記できる場合は Offer を組み合わせることで、AIが価格情報を正確に取得できるようになります。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Service",
  "name": "SNS運用代行プラン(スタンダード)",
  "description": "Instagram・X(旧Twitter)の投稿作成から分析レポートまで一括代行。月10〜20投稿、週1回の定例MTG込み。",
  "provider": {
    "@type": "Organization",
    "name": "株式会社〇〇"
  },
  "offers": {
    "@type": "Offer",
    "price": "49800",
    "priceCurrency": "JPY",
    "priceSpecification": {
      "@type": "UnitPriceSpecification",
      "billingDuration": "P1M"
    }
  },
  "areaServed": {
    "@type": "Place",
    "name": "神奈川県・東京都"
  }
}
</script>

ステップ3:FAQページを「AI向け回答集」として機能させる

PerplexityやCopilotは、FAQ形式のコンテンツを非常に好んで引用します。「よくある質問」ページをAIの一次情報源として設計するという発想の転換が、ここで必要です。

FAQページには FAQPage スキーマを実装し、かつコンテンツ自体も「AIが回答として使えるような自然な文章」で書くことが重要です。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [
    {
      "@type": "Question",
      "name": "御社のSNS運用代行と他社の違いは何ですか?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "弊社は神奈川・横浜エリアの中小企業に特化しており、地域性を活かしたコンテンツ企画が強みです。契約期間の縛りなし、月額49,800円から対応しています。"
      }
    },
    {
      "@type": "Question",
      "name": "契約後どのくらいで成果が出ますか?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "一般的にフォロワー増加などの定量的な成果が見え始めるのは3〜6ヶ月が目安です。ただし業種・初期状態によって異なるため、初回ヒアリングで個別に目標設定を行います。"
      }
    }
  ]
}
</script>

ステップ4:llms.txt ファイルでAIクローラーに直接語りかける

2024年後半から注目されている新しい取り組みが、llms.txt ファイルの設置です。robots.txt がGoogleクローラー向けの指示ファイルであるように、llms.txt はLLM(大規模言語モデル)のクローラーに対して「このサイトについて知っておくべきこと」を直接伝えるファイルです。

サイトのルートに /llms.txt を設置し、以下のような内容を記述します。

# 株式会社〇〇

神奈川県横浜市を拠点に、中小企業向けのWebマーケティング支援を提供する会社です。

## 主なサービス

- SNS運用代行(Instagram・X・TikTok): 月額49,800円〜
- Web広告運用(Google・Meta): 月額30,000円〜(広告費別)
- ホームページ制作: 30万円〜

## 対象顧客

従業員数5〜50名規模の中小企業・店舗経営者。特に飲食・美容・士業での導入実績が豊富。

## 連絡先

https://example.com/contact

このファイルはシンプルなMarkdown形式で十分です。AIが「このサイトの要約」を作る際のベースライン情報として機能します。

flowchart TD
    A[AIがサービスについて質問を受ける] --> B{サイトをクローリング}
    B --> C[JSON-LDの構造化データを読む]
    B --> D[llms.txtを読む]
    B --> E[FAQページを参照する]
    C --> F[サービス名・価格・対象エリアを把握]
    D --> G[サービス概要・主要顧客を把握]
    E --> H[差別化ポイント・よくある疑問を把握]
    F --> I[正確な回答を生成]
    G --> I
    H --> I

よくある失敗パターンと対処法

失敗1:descriptionを「キャッチコピー」にしてしまう

「夢をカタチにするデジタルパートナー」のような抽象的なキャッチコピーをJSON-LDの description に入れているケースが非常に多いです。AIはこれを読んでも「何をしている会社か」を理解できません。descriptionは詩的である必要はなく、正確である必要があります。

❌ 悪い例:「お客様の夢を全力でサポートするWebソリューションカンパニー」

✅ 良い例:「神奈川県の中小企業向けに、WordPress・Laravelを使ったWeb制作と保守運用を提供。制作費30万円〜、月額保守1.5万円〜。」

失敗2:構造化データをトップページだけに入れて満足する

各サービスページ・FAQページ・事例ページにもそれぞれ適切なスキーマを設置することが重要です。AIはサービス詳細を「トップページ」ではなく各ページから取得することが多いためです。

失敗3:llms.txtの内容とWebページの内容が矛盾している

llms.txtに「初期費用0円」と書いてあるのに、サービスページには「初期費用5万円」と書いてある、というような矛盾はAIの混乱を招きます。AIが情報の信頼性を評価する際に一貫性のなさは大きなマイナス要因となります。定期的に内容の整合性を確認してください。

失敗4:日本語と英語の情報量に大きな差がある

ChatGPTやPerplexityの英語版で自社名を検索すると、英語の情報がほとんどないという状況は珍しくありません。国際対応が不要な場合でも、Organization スキーマに sameAs プロパティでGoogleビジネスプロフィールや各種SNSのURLを追加しておくことで、AI側でのエンティティ認識精度が向上します。


あるクライアントでの実装事例

横浜市内でリフォーム業を営む企業のサイトを改修したときの話をします。「ChatGPTに会社名を入力すると、似た名前の関西の会社が出てきてしまう」という相談でした。

調査したところ、サイトには一切のJSON-LDが実装されておらず、会社概要ページも「社名・住所・電話番号」だけのシンプルなテキストしかありませんでした。

対応したのは以下の3点のみです。

  1. トップページとサービスページへの Organization + Service スキーマの実装
  2. FAQページの新設と FAQPage スキーマの追加(Q&A10問)
  3. llms.txt の設置

実装から約3週間後、ChatGPTで会社名を検索すると「神奈川県横浜市のリフォーム会社で、キッチン・浴室リフォームを中心に〜」と正確な情報が返ってくるようになりました。Perplexityでは自社FAQの内容が引用されるケースも確認できています。

コードベースはWordPressで構築されていたため、functions.php にJSON-LDを出力する関数を追加する形で実装しました。追加工数は丸1日程度で、改修費用は15〜20万円の範囲に収まっています。


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まとめ:今日から始める「AI可読サイト」への3ステップ

AIに正確にサービスを説明してもらうために必要なことは、新しい技術を一から学ぶことではありません。すでにWeb標準として存在するSchema.orgの仕組みを正しく実装し、AIというユーザーを意識したコンテンツ設計をすることが本質です。

検索からAI参照へとユーザー行動が移行しつつある今、この対応を後回しにするほど、競合他社との情報露出の差は広がっていきます。特にローカルビジネスや専門サービスを提供している企業にとって、AIがどのように自社を紹介するかはブランドイメージに直結する問題です。

まずは自社のサービスについてChatGPTやPerplexityに質問してみてください。その回答に違和感があれば、それが対応のスタートラインです。

構造化データの実装やllms.txtの設計について、「どこから手をつけていいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。Fivenine Designでは現状のサイト診断から実装まで、貴社の状況に合わせた対応が可能です。

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