programming 2026.01.11

麻雀理牌レースで学ぶソートアルゴリズム比較

約10分で読めます

麻雀の理牌を通じて4つのソートアルゴリズムの特性を実際の動画で比較。バブルソート、選択ソート、挿入ソート、クイックソートの実行速度と効率性を可視化して解説します。

データ整理でこんな悩みありませんか?

「大量のデータを処理するとき、どのソートアルゴリズムを選べばいいのかわからない」「理論は理解したけど、実際の性能差が体感できない」「チームメンバーにアルゴリズムの特徴をわかりやすく説明したい」

このような課題をお持ちではないでしょうか。あるクライアントの営業管理システム開発でも、商品データのソート処理について「どのアルゴリズムが最適か判断に迷う」というご相談をいただきました。

そこで今回は、誰もが理解しやすい「麻雀の理牌(手牌整理)」を題材に、4つの主要なソートアルゴリズムを実際に動かして比較した動画を作成しました。

麻雀の理牌とソートアルゴリズムの共通点

なぜ麻雀の理牌が最適な題材なのか

麻雀の理牌(リーパイ)とは、配られた13枚の手牌を種類順に整理する作業です。これは実は、私たちプログラマーが日常的に扱うソート処理と本質的に同じ作業なのです。

共通する要素:

  • 有限のデータセット: 麻雀牌は136枚という限られた枚数、プログラムでも処理するデータ量は決まっている
  • 並び替えルール: 萬子、筒子、索子、字牌の順序があるように、データにも明確な並び順がある
  • 効率性の追求: 素早い理牌が勝利につながるように、高速なソートが処理性能を向上させる
  • 人間の直感との対比: プロ雀士の理牌テクニックと、各アルゴリズムの思考プロセスには興味深い類似点がある

実際のプロジェクトでの活用例

神奈川県内の中小企業様から依頼された在庫管理システムの案件では、商品コードによる並び替えが頻繁に発生していました。データ量が数千件程度だったため、実装の簡単さを重視して挿入ソートを採用したところ、レスポンス時間が大幅に改善されました。

一方、別のECサイト案件では数万件の商品データを扱うため、クイックソートを実装。結果的に検索機能の応答速度が約60%向上し、ユーザーの離脱率が20%減少しました。

4つのソートアルゴリズムの実戦比較

レース概要と検証環境

今回の動画では、以下の条件で3ラウンド制の理牌レースを実施しました:

  • 対戦者: バブルソート、選択ソート、挿入ソート、クイックソート
  • データセット: 各ラウンドでランダムに配られた13枚の麻雀牌
  • 勝利条件: 萬子→筒子→索子→字牌の順で正確に並び替える速度
  • 実行環境: JavaScript(Node.js)による統一実装

各アルゴリズムの特徴と実装

1. バブルソート - 丁寧だが時間がかかる職人タイプ

function bubbleSort(tiles) {
    const arr = [...tiles];
    const n = arr.length;
    let comparisons = 0;
    let swaps = 0;
    
    for (let i = 0; i < n - 1; i++) {
        for (let j = 0; j < n - i - 1; j++) {
            comparisons++;
            if (compareTiles(arr[j], arr[j + 1]) > 0) {
                [arr[j], arr[j + 1]] = [arr[j + 1], arr[j]];
                swaps++;
            }
        }
    }
    
    return { sorted: arr, comparisons, swaps };
}

特徴:

  • 隣接する要素を順番に比較して交換
  • アルゴリズムが理解しやすい
  • 小さなデータセットでも時間がかかる(O(n²))

2. 選択ソート - 計画的に進める戦略家タイプ

function selectionSort(tiles) {
    const arr = [...tiles];
    const n = arr.length;
    let comparisons = 0;
    let swaps = 0;
    
    for (let i = 0; i < n - 1; i++) {
        let minIndex = i;
        
        for (let j = i + 1; j < n; j++) {
            comparisons++;
            if (compareTiles(arr[j], arr[minIndex]) < 0) {
                minIndex = j;
            }
        }
        
        if (minIndex !== i) {
            [arr[i], arr[minIndex]] = [arr[minIndex], arr[i]];
            swaps++;
        }
    }
    
    return { sorted: arr, comparisons, swaps };
}

特徴:

  • 最小値を見つけて適切な位置に配置
  • 交換回数が少ない
  • バブルソートより効率的だが、依然としてO(n²)

3. 挿入ソート - 直感的で柔軟な実践派タイプ

function insertionSort(tiles) {
    const arr = [...tiles];
    let comparisons = 0;
    let shifts = 0;
    
    for (let i = 1; i < arr.length; i++) {
        let current = arr[i];
        let j = i - 1;
        
        while (j >= 0 && compareTiles(arr[j], current) > 0) {
            comparisons++;
            arr[j + 1] = arr[j];
            j--;
            shifts++;
        }
        
        arr[j + 1] = current;
    }
    
    return { sorted: arr, comparisons, shifts };
}

特徴:

  • 既にソートされた部分に新しい要素を挿入
  • 部分的にソート済みのデータに強い
  • 小さなデータセットでは最も効率的

4. クイックソート - 分割統治の天才タイプ

function quickSort(tiles) {
    let comparisons = 0;
    let swaps = 0;
    
    function quickSortRecursive(arr, low, high) {
        if (low < high) {
            const pivotIndex = partition(arr, low, high);
            quickSortRecursive(arr, low, pivotIndex - 1);
            quickSortRecursive(arr, pivotIndex + 1, high);
        }
    }
    
    function partition(arr, low, high) {
        const pivot = arr[high];
        let i = low - 1;
        
        for (let j = low; j < high; j++) {
            comparisons++;
            if (compareTiles(arr[j], pivot) <= 0) {
                i++;
                [arr[i], arr[j]] = [arr[j], arr[i]];
                swaps++;
            }
        }
        
        [arr[i + 1], arr[high]] = [arr[high], arr[i + 1]];
        swaps++;
        return i + 1;
    }
    
    const arr = [...tiles];
    quickSortRecursive(arr, 0, arr.length - 1);
    return { sorted: arr, comparisons, swaps };
}

特徴:

  • ピボットを基準に分割統治
  • 平均的にO(n log n)の高性能
  • 大量データでも安定した性能

よくある失敗パターンと対処法

失敗パターン1: 「とりあえず速いアルゴリズムを選択」

以前の案件で、開発者が「クイックソートが最速だから」という理由で、商品レビューの評価順ソート(常に10件以下)にクイックソートを実装しました。結果的に、オーバーヘッドにより挿入ソートの方が高速でした。

対処法:

  • データサイズを正確に把握する
  • 小規模データ(100件以下)では挿入ソートを検討
  • ベンチマークテストで実測する

失敗パターン2: 「メモリ使用量を考慮しない選択」

モバイルアプリの開発で、メモリ使用量を無視してマージソートを実装した結果、端末のメモリ不足によるクラッシュが多発しました。

対処法:

  • インプレースソート(クイックソート、ヒープソート)を優先検討
  • メモリ制約がある環境では選択ソートも有効
  • 実行環境のリソース制限を事前に確認

失敗パターン3: 「安定ソートの必要性を見落とし」

EC サイトで商品の価格順ソートを実装際、同価格商品の表示順序が毎回変わってしまい、ユーザーから苦情が発生しました。

対処法:

  • UI/UXの要件を詳細に確認
  • 必要に応じてマージソートや安定化された実装を選択
  • ソート処理のテストケースに同一キーのデータを含める

失敗パターン4: 「実装の複雑さを軽視」

新人エンジニアがクイックソートを実装した際、ピボット選択やパーティション処理でバグが多発し、デバッグに多大な時間を費やしました。

対処法:

  • チームのスキルレベルに応じたアルゴリズム選択
  • 複雑なアルゴリズムは十分なテストケースを用意
  • 標準ライブラリの活用も検討

実際のプロジェクトでの選択指針

データサイズによる選択基準

プロジェクト要件別推奨アルゴリズム

要件推奨アルゴリズム理由
小規模データ(<100件)挿入ソートシンプル実装で高性能
大規模データ(>1000件)クイックソートO(n log n)の安定性能
安定ソート必須マージソート同一キー順序保持
メモリ制約ありヒープソートO(1)空間計算量
部分ソート済み挿入ソート既存順序を活用

無料相談受付中

お気軽にご相談ください(初回無料)

詳しく見る

まとめと次のステップ

今回の麻雀理牌レースを通じて、各ソートアルゴリズムの特性が明確になりました。重要なのは「最速のアルゴリズムを選ぶ」ことではなく、「プロジェクトの要件に最適なアルゴリズムを選ぶ」ことです。

主要な学習ポイント:

  • データサイズと実行環境を考慮した選択
  • アルゴリズムの特性(安定性、メモリ使用量、実装複雑度)の理解
  • 理論値と実測値の違いを把握

神奈川の弊社では、このようなアルゴリズム選択も含めて、プロジェクトの要件に最適な技術選定をサポートしています。ソート処理の最適化でお困りの際は、ぜひご相談ください。

次にやるべきこと

この記事をシェア

この記事の内容でお困りですか?

無料でご相談いただけます

Webサイトの改善、システム開発、AI導入など、 お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

無料相談してみる
AIに無料相談